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この世界のヴェルサイユ体制

■1:講和の背景

●戦争の構図

• 中央同盟:独・墺・(参戦しないロシア帝国が外交的支持)

• 連合国:英・仏・日本連邦・ヌーベルフランス・英領北米(参戦代価とし

て独立)

●戦局の特徴

• ロシアが参戦しないため東部戦線がなく、初期にドイツが西部で有利

• しかし海上封鎖と日本連邦・英領北米軍の大規模投入で形勢が逆転

• ドイツは国内疲弊と革命で崩壊

そのため講和はドイツ降伏が前提の多国間協議となる。

---

■2:ヴェルサイユ講和会議の構造(1919〜1920)

この世界ではフランス国内が相当に疲弊しており、

対独強硬派が主導権を握る。

ただし日本連邦とイギリスが過度な懲罰を牽制し、

最終的に以下のような折衷案となる。

---

■3:講和条約の主な内容

◎( A)領土条項

●ドイツ

• アルザス=ロレーヌ:フランスへ返還(史実通り)

• 北シュレスヴィヒ:デンマークへ帰属

• エルザス周辺の一部非武装化

• 東部国境は史実より緩やか(ポーランド回廊なし)

• 植民地の大半を放棄

- アフリカ東西の勢力圏は英仏へ

- 南洋群島は日本連邦委任統治(史実より広範)

●オーストリア=ハンガリー

• 民族自決の原則で分解

• オーストリア共和国成立、ハンガリー王国も存続

• チェコスロヴァキア・ユーゴスラヴィアは英仏支援で独立

●ロシア(非参戦)

• 戦勝国扱いではないが敗戦国でもない

• 既得権益の多くが曖昧のまま放置

• ポーランド・バルト独立を承認するが国境は曖昧

→ここが後の不安定要因

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◎( B)軍事条項

●ドイツ軍の制限(史実よりは緩い)

• 陸軍20万・徴兵制禁止

• 空軍は禁止

• 戦車・潜水艦は禁止

• ラインラント非武装地帯

史実の10万より増やされているのは、

日本連邦と英が「完全非武装化はドイツを再過激化させる」と懸念したた

め。

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◎( C)賠償条項

●フランスが強硬に要求

• 史実同等の巨額賠償

• ただし支払期間は長期化し、日本が調停

●日本連邦とイギリスによる「経済安定化基金」

• ドイツ経済破綻を避けるための妥協措置

• 日本の対独輸出を保証する制度が組み込まれる

→後に日本とドイツの経済関係が複雑に絡む

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◎( D)新秩序構築:国際連盟

ただし構成は史実と大きく異なる。

●主要特徴

• 英・仏・日本連邦が常任理事国

• ヌーベルフランスが準常任国という特殊地位

• ドイツは一定期間加盟禁止

• ロシア帝国は「内部不安定」を理由に加盟が遅れる

日本連邦の地位が非常に強く、

「アジアの安全保障は日本連邦が主導」という形が固定化する。

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■4:ヴェルサイユ体制の地政学的特徴

この世界のヴェルサイユ体制の本質は、

英仏と日本の三極管理体制である。

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■(1)欧州:英仏の覇権維持とドイツ牽制

• ドイツは革命後の混乱で脅威度が下がる

• オーストリア・ハンガリー解体で中欧は小国乱立

• ロシアは内政混乱で手足を出せない

欧州は史実以上に「英仏主導の安定」だが、

実際にはドイツの復帰余地をかなり残してしまう。

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■(2)アジア:日本連邦の圧倒的優位

• 満州=奉天政権を事実上管理

• 朝鮮戦争後の北東アジア秩序は日本主導

• インドシナ・フィリピン・インドネシアを一体で管理

• 英領北米独立で太平洋戦略が日本寄りに

結果としてアジアでは

日本連邦が唯一の超大国になってしまう。

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■(3)北米:英領北米の独立

• 戦争参加の代償として自治領から完全独立

• ただし英連邦内での軍事協力は継続

• 新海(日本連邦の西海岸国家)と北米独立国の関係強化

北米には英系・仏系・日本系の三要素が混在し、

世界で最も複雑な多文化圏となる。

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■(4)中華:完全分裂と軍閥化

ヴェルサイユ体制の最大の“落とし穴”

列強が互いを牽制した結果、

中華統一が阻害され、長期的混乱が定着する。

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■5:ヴェルサイユ体制の「不安定要因」

この世界の体制は、史実以上に不安定である。

以下が主な理由。

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●①ロシアの位置が曖昧

• 非参戦だが戦勝国でも敗戦国でもない

• 帝政が持続するが国内は半内戦状態

国境問題ポーランド・バルト・ウクライナが未解決

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●②ドイツの再興可能性が高い

• 軍備制限が緩い

• 東方に失地がほとんどない

• 経済が比較的早く回復する

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●③日本連邦が突出して強く、英仏と摩擦

• 中国利権で英仏と衝突

• インド洋〜アジアで勢力過剰

• 将来的に“第二の世界大戦”の震源になり得る

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●④ヌーベルフランスの独自外交

• 英仏と必ずしも一致しない

• 北米での勢力争いが懸念される

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■6:まとめ:この世界のヴェルサイユ体制の性質

地域 主導勢力 特徴

欧州 英仏 ドイツを牽制するが復活余地あり

アジア 日本連邦 圧倒的優位、英仏と摩擦

北米 独立した英系国家+新海+ヌーベルフランス 三極バランス

中華 列強の緩衝地帯として分裂持続 統一者不在・軍閥乱立

ロシア 帝政存続だが弱体 不安定要因

結論として、この世界のヴェルサイユ体制は

表面は安定だが、内部に火薬庫が複数存在する多極不安定体系

といえるでしょう。

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