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50話目

打ち切りが決まった漫画のキャラクター達がどうにか延命させようとするお話し

 それは、ホロホロ鳥の丸焼きグネグネ草添えなるすさまじく美味な郷土料理があると聞いて寄り道した時の事だった。

「ねーねー、お兄ちゃん、知ってる?」

「何を?」

あっ、ちなみに、唐突に知っているか問われた時は、何を?と聞き返すのは会話の礼儀だから出来ない人は今のうちに身につけておくように。

「この村の南の方にエルフの隠れ里があるらしいだって。それでそこには風の羽衣っていう伝説の装備があるって噂よ。」

うわ、出たよ。これは友達の友達が実際に体験した話なんだけどね。並みのお話し。有るか無いかもわからない村にあると「噂」される伝説の装備なんて、蜃気楼を探す方がまだ現実味があるわ。

あまりに荒唐無稽な話に飽きれているとアレフも会話に混ざってきた。

「それなら俺も聞いた。なんでも女性しか装備できないかわりにすべての攻撃を防いでくれるとかなんとか。」

自称ヒロインが補足する。

「娘の事をおもう親が命がけで作った装備品らしいな。」

うわっ、ますます胡散臭い。いくら魔法アイテムが実在する世界でもそれは無いわ。

「…、やっぱり魔王に侵略されるかも知れないなんて不安定な情勢だとそんな夢物語にもすがりつきたくなるのかね。食べ終わったら早めに次の村に進むとしよう。」

……

ん?なんだこの沈黙。3人の冷たい視線が刺さる刺さる。

自称妹がわざとらしく大きなため息をついてから話し始める。

「分かってないわね、お兄ちゃん。この世界であると噂されているって事は、「ある」のよ。」

「こういう世界のお約束って奴だよ。」

「女性用の装備ということはおそらく私のだな。私の人気が上がったので足を引っ張るヒロイン役からレギュラーメンバーへ格上げされたのであろう。そうでなければそんなバランスを崩壊させるような装備が出るはずないからな。」


「嘘だろ。」

こんなヒロインにファンがつくとか伝説の装備以上にありえない。


おぉっと、ここであたりが暗くなる。納得いかない事しかなかったがあれ以上話が続くと言わなくってよいことまで言ってしまっていただろうからちょうど良かったと考えよう。

なぁ、ちょっと変な生きた盾が手に入ると考えればそれほど悪い話でもない。

「何か言ったか?」

おしまいおしまい、聞こえない聞こえない。

アレフにも自称○○とつければ良かったと思うけど、自称ライバルでもないし自称仲間だと他のキャラとの差別化ができないし、自称BL係だとどこまでが自称なのかって話になるから仕方ないかとも思う。

アレフだけ名前で呼ぶなんてなんかあったに違いない。なんて思われたりするのかね?

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