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ロングロード 〜 果てしない旅道の果てに辿り着いた場所 〜  作者: 八葉門希


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運命神の思惑?



「メニちゃん! 貴女、一体どどど・・・ どう言うつもりでアストくんとキスなんかしたの?・・・ 」

「うんメニちゃん、私もどう言うつもりでアスト君にキスしたか知りたい。」

「さてメニ、真理神であるこの私を欺けるとは思うなよ?サッサと真実を話すのだ!」と、闘神ニマと時空神ロラ、そして真理神であるララ達によって、運命神であるメニタールが問い詰められているが、当のメニは暖簾に腕押しで、3人の女神達の詰問をのらりくらりと躱している。


 いや、3人の女神達を揶揄って楽しんでいる節もある。



 すると突然、背後からふわりと優しく柔らかなものに抱きしめられた。



「さて、私は誰でしょうか?」

「生命神レムニール様♪」

「はい正解ですアストさん、私との約束を守ってくれたのですね、いい子♪いい子♪」と生命神レムニールが私を背後から抱きしめたまま、私の頭を撫でて来る。


 私自身、レムニール様に抱きしめられて頭を撫でられているのは心地良いので、大人しくしている。


 やはりこの世界の全ての生命の『母』と言っても過言ではない神の抱擁は、途轍もなく安心感が湧いて来る。


「今日はどんな用事でココに来られたのですか?

「新しい『世界樹』の若木に祝福を授ける為よ♪ 彼女はこの世界全ての生命達の希望なのよ♪ その全世界の希望に、私が直々に祝福しに来なくてどうするの?」

「そうですね♪ この若木に物凄い祝福をしそうでちょっと怖い気もするけど・・・ 汗」

「さて姉妹達、丁度良い所に居ました。

 少し私を手伝ってくれるでしょうか?」とメニタールを物凄い勢いで問い詰めているニマ達に呼び掛けた。


 しかし、レムニールに呼び掛けられたニマ達はと言うと、メニタールを問い詰める事に夢中になっている様で、レムニールの声は3人の耳には届いていない様子、


「あの〜ニマちゃん?ロラちゃん?ララちゃん?・・・

 あの〜、あのね?ちょっと3人とも私の話しを聞いて!」と、レムニールまでもがニマ達の口論の輪に参戦してしまう。

 

 う〜ん・・・ 


 いつの間にか私のマイワールドがカオスワールドに名を変えた様だ・・・


 そして、5人の女神達が口論している様子を、血の気が引いた青い顔をして両膝を抱え体育座りの格好でブルブルと震えている人達が居た。


「めっ、女神様達が5人も・・・」

「先輩、流石に私も一度に2人以上の女神様達に逢うのは初めてです。

 しかも、私がお会いした事の無い女神様達ばかり・・・

 もし、あの方々のご機嫌を損ねたら・・・」と何かをブッブッと呟きながら、2人ともブルブルと震えている。


 それとは対照的にオートマターのソフィーだけが、何食わぬ顔をして私が取り出した白いテーブルセットの上に、せっせとお茶とお菓子の用意をしている。




「さて、本屋のご主人には僕が欲していた本を譲って貰う対価として『僕の全力全開の魔法』をお見せする為に、僕のマイワールドに案内しましたが、ただ興味本位だけで本屋の主人に付いて僕のマイワールドに入って来た貴方、そう、髭面の貴方、」


 私にジロリと睨まれた髭面の壮年男性が、自分の顔を指差して『俺の事?』と確認して来る。


「待ってくれアスト少年、この人物は・・・」

「わっ、私は決して怪しい身分の者ではない!わっ、我はハーレ・・・」

「ちょっと待ちましょうか?」と新たな女神が現れて髭面の壮年男性の言葉を遮った。



「お初にお目に掛かりますアスト様、私は豊穣神ハーベストーネ、大地の豊穣と人種の繁栄を司る女神です。

 新たな世界樹の生誕、おめでとうございます。

 そうそう、この髭面で見るからに胡散臭そうな男の事ですが、実は私が祝福を与えた者です。

 従って、この者の身元は私が保証いたします。

 もしこの者がアスト様を私利私欲の為に利用しようと考えたなら、私が『女神の誓い』を持って制裁を与えます。

 そう、この者が二度と不埒な考えが浮かばない様に・・・」と今回初めて逢う女神様が宣言する。


 目の前に突然現れた女神様も大変綺麗で美人な女神様なのだが、髭面の壮年男性を射抜く視線と言うか?髭面の壮年男性に向ける顔が怖い、まるで『バカな息子がしでかした悪戯を叱る厳しい母親』の様でもあった。


 豊穣神ハーベストーネに睨まれた髭面の壮年男性は、首を縦にカクカクと振る事しか出来ない首振り人形みたいになっていた。




「アストちゃん♪」とまた新たに女神様が現れ、私の名前を呼びながら、その豊満な胸に私の頭を抱き抱えてキャッキャ♪ウフフ♪と騒ぐ、


 まあ顔を見る迄もなく、私にそんな対応をするのは、この世界の創造者で主神レアフィジーネ様しか居ない。


「主神レアフィジーネ様、今日はどの様な御用件で?」

「ヤダ〜 アストちゃん♪

 私と貴方との間で『主神レアフィジーネ様』なんて堅苦しい呼び方なんて可笑しいわ♪

 いつもの様に『レアちゃん♡』って呼んで〜♪」


「レアフィジーネ様!」

「レアちゃん♡」

「レアさん・・・」

「レアちゃん♪」

「レアさん?」

「まあウブなアストちゃんはコレが精一杯かな〜?」

「それで今日はどの様な御用件でココに?」

「そんな事決まってるじゃない♪

 この世界に新たな世界樹が誕生したのよ!

 その世界樹の誕生を私が祝わない訳が無いでしょ?だから今日はそのお祝いに来たのよ♪」

「この若木の発芽がそんなに?」

「ええ、アストちゃんが思っている以上に♪」

「そうなんだ・・・?」

「ええそうよ♪」と満面の笑みで主神レアフィジーネが笑う。



 レアが何処からか椅子を取り出すと、そのまま私達が居るテーブルに居座る様で、オートマターのソフィーが用意した紅茶にさも当然の様に手を伸ばしている。


 レアと色々と楽しくおしゃべりしながら、ソフィーが出しくれたお菓子を食べているが、同じテーブルに着いている本屋の主人と髭面の壮年男性の方はそれどころでは無い様で、髭面の壮年男性にとって唯一と言って良い味方?の豊穣神ハーベストーネも、女神様達の長女的立場である生命神レムニールに呼ばれて行ってしまった。


 そして、生命神レムニールが私達が座るテーブルに来ると、



「お母さん・・・ いえ、主神レアフィジーネ様、少々ご相談したい事があります。」

「何かしらレムちゃん?」

「実はアストさんの事で・・・ 」

「何かしら?」

「実は、アストさんのこのマイワールドの事なのですが・・・

 このままでは世界樹の若木が成長するには少し狭い様で、出来る事ならば少しだけ私達でお手伝い出来ないかと・・・」

「確かにアストちゃんのマイワールドはまだちょっとだけ狭いかしら?」などと話している。


 二人の話しを横で聞いてて『えっ? コレで狭いの?』と思っていると、主神レアフィジーネが席を立ち、世界樹の若木の所まで歩いて行くと、世界樹の若木の幹に優しく触れ、優しい言葉で何かを語り掛けていたかと思うと、突然、僕のマイワールドが『ドクン!』と鼓動した。


「レム、こんな感じで良いかしら?」

「レアフィジーネ様、ありがとうございます。

 私達では勝手にマイワールドを拡張する事は出来ませんので、やはり『世界』を創造する力はお母様・・・

 いえ、主神であられるレアフィジーネ様でなければ・・・」

「そうね、アストちゃん、貴方のマイワールドを私達の都合で勝手に拡張させて貰ったけど良かったかしら?」


 まあ僕のマイワールドが女神様達の都合で拡張されても、僕自身には何も不都合は無いと思ったから、


「うん、大丈夫だよ。」

「この拡張されたマイワールドを維持するのに、これまでの2〜3倍以上の魔力・・・

 もしかしたら10倍ぐらいは魔力が必要になりそうだけど?・・・

 そう・・・ でもアストちゃんが良いなら良かったわ♪」

「このマイワールドを維持するのに約10倍の魔力が必要?」

「そうよ?だって世界樹の若木が成長する為の魔力を注がないとでしよ?」

「それでも何で僕なの?ココに居る女神様達の誰かでも良くない?」

「ああ、それ無理だから!

 このマイワールド、アストちゃんのマイワールドだから常にあの娘達が肩替わりするのは無理よ?」

「えっ?」

「試しに私達からの魔力供給を止めてみる?」と、レアフィジーネ様が人差し指を顎先に当てて可愛いく小首を傾げてみせる。



 まあ女神様達の魔力供給を中断した結果、物凄い勢いで倦怠感が私を襲って来て、堪らず地面に両手両膝を付いた状態に・・・



「う〜・・・ コ・・・ コレはかなり辛い・・・ 」

「だから言ったでしょ?」

「いや、『だから言ったでし?』じゃないよ! このままだと、女神様達の手助けが無いと僕は何も出来なくなるよ〜 」と情けない顔で主神レアフィジーネに文句を言うと、それまで真面目な顔をしてた主神レアフィジーネの表情がニタリと笑った顔になり、


「なんて嘘よ♪ ちょっとアストちゃんを揶揄っただけだから、今は娘達を総動員してアストちゃんのマイワールドを拡張してる最中だから途方もない魔力が必要なだけで、拡張が終わったら、マイワールドを維持するための魔力はそんなに必要じゃなくなるわ、それに世界樹の若木もアストちゃんの広くなったマイワールドの中でのびのびと成長する事ができるわ♪」

「あ〜驚いた・・・ 魔力をゴッソリと持って行かれるのがあんなに辛いとは思わなかったよ〜、で!僕のマイワールドって何処まで広くなるの?」

「そうね、大体今の10倍ほどかしら?」

「10倍か〜 そんなに広くなるなら簡易的に休める部屋でも建てるかな?」

「ああ、言い忘れていたけれどアストちゃんのマイワールド、世界樹の若木の為に雨が定期的に降るから、その辺に適当にベッドでも置くなら屋根くらいは建てておいた方が良いかも?」

「そうなの?」

「お勧めは世界樹の根元かしら? アストちゃんのマイワールドの拡張が終わったら、太陽と月の光が当たる様にする予定だし♪」

「太陽と月・・・ なんで? 」

「何を言っているのアストちゃん?植物に太陽と水が必要な事は当たり前じゃないの♪」

「いや、『当たり前』って・・・ 」


 私から見て非常識な存在が何を言っているのだろうか?・・・


「それでレアさん、太陽と月の光が当たる様にするって言っていたけど『太陽と月』を作るの?ちょっと気になったんだけど・・・ 」

「太陽と月なんて私でも簡単には作れないわっ!アストちゃんのマイワールドをチョット細工して、この星の上空に空間固定するだけよ♪」

「もしかして僕のマイワールドの端っこまで行ったら、地上の景色が見えるって事?」

「そうなるわね♪」


 ちょっと楽しくなって来たかも?





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