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ロングロード 〜 果てしない旅道の果てに辿り着いた場所 〜  作者: 八葉門希


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6/6

彼女の思惑は?



 この果実の実は、女神様達の長女的ポジションにいる生命神レムニールから託されていた果実であった。 


 そして私が先程唱えた世界創生魔法『 "creation of the world"』も、その時に生命神レムニールから授けられた魔法である。


 ただこの魔法は、生涯で一度しか発動させる事が出来ない魔法でもあった。



「アストさんお願いがあります。

 あなたが取得した亜空間魔法の事ですが、いずれ貴方は亜空間魔法の1つである『マイワールド』を習得する事になるでしょう。

 貴方がマイワールドを取得した時、マイワールドで作った場所の地中深くに、この果実の実を埋めて『 "creation of the world"』と唱えてください。

 そうすればきっと貴方のマイワールドに良いことが起こるでしょう。

 と言うよりも『良いことが起こる』と言う言い方は卑怯でしたね。

 これは私からのお願いです。

 どうか貴方のマイワールドに、この果実の実を植えてあげてください。

 貴方ですから話しますが、この世界に数本ある世界樹ですが、その世界樹の樹齢も一万年は裕に超えた樹々ばかりですが、特に古い世界樹は樹齢を3万年を迎えようとしており、もはや年老いて朽ちるばかりです。

 まあ後千年は世界樹としての機能は維持出来るとは思いますが、出来れば貴方のマイワールドで、その世界樹が最後にその枝に実らせた『世界樹の実』の種子を、若木に成るまで成長させて、新しくこの世界の『調整者』として植え直してやりたいのです。

 無論、その世界樹が新しい『調整者』としてこの世界の大地に植え直されるまでは、その若木から生み出される物全ては、貴方が自由にして下さっても構いません。

 どうか、この世界樹の種子の育て役になって下さい。」と生命神レムニールから頼まれていたのだ。



 まあ今回、以前から私が行おうとしていた事と、本屋の主人から提示された条件とが合致したので、この様な事になったのであった。




 しかし途方もなく私の魔力が吸われ続けている。


 普段、私の体に蓄積されている魔力がごっそりと持って行かれて尚、マイワールドの地中に埋めた世界樹の種子から芽吹く様子は無い。



『まだ、僕の魔力を寄越せって言うのかよ・・・ 』と悪態を吐きながらも、体の奥底から絞り出す様に地中に埋めた世界樹の実に向かって魔力を注ぎ続けるする。


『あっ・・・ そろそろヤバイかも?・・・ 』と思い始めた頃、世界樹の種子を埋めた地面から、ひょっこりと小さな芽が出たかと思うと、物凄い勢いでその芽が成長し始めた。


 その様子は、そう前の世界で読んだ『絵本』に出て来る少年が植えた豆の木が成長する場面のワンシーンを見ているような気分であった。




 芽吹いたばかりの若木の幹が、あっという間に私が両手で抱えるほどの太さになったかと思うと、更にずんずんとずんずんとその太さも増し、また若木は上へ上へと伸びていく。 

 

 そして尚も世界樹の若木は私から魔力を絞り取って行く。


『これはもう私と世界樹との我慢比べだな・・・』と頭の中で思うと、私の魔力量がもう限界近くまで来ていた。


 そこで私は取って置きを使う事にする。


 空間収納から伝説のエルクサーを取り出すと、それを一気に喉の奥に流し込んだ。


 私が空間収納から取り出したのがエリクサーの瓶だと気付いた髭面の壮年男性は、顔を引き攣らせて私に何かを言おうとしていたが、今はそれどころじゃない。


 私の底を突きかけた魔力が、エリクサーのおかげで再び満タンに戻ったが、またもやもの凄い勢いで、世界樹の若木は私の魔力を吸い上げる。


 そして世界樹の成長が落ち着いたと同時に、私の魔力も底を突き、もうフラフラで立っている事も出来なくなり、地面に腰を落としてしまった。




「結構大きくなったなぁ〜 もう魔力がガス欠寸前で僕は倒れそうだよ・・・ 」と独り言をこぼした。


 すると不思議な事に、世界樹の若木から一本の枝がするすると伸びてきて、私の目の前に差し出される。


 そして、若木が伸ばした枝の先には、私が先程地中に埋めた世界樹の実と比べると大きさは小ぶりではあるが、確かに世界樹の実が実っていた。


 そしてなんとなくだが、この世界樹の若木が言っている事が判る気がする。


「これを食べろっていうことかな?」と世界樹の若木に問い掛けると、風もないのに世界樹の若木がザワザワと音を立てて揺れる。



 その様子を本屋の主人と髭面の壮年男性は、ただただ呆然とした表情で見ていた。


 そして私が一息ついた頃、背後から思わぬ声が聞こえてきた。



「お客様、ソフィーはお客様にお願いします。

 その木の実を私に1つ下さい。」

「・・・・?」

「ソフィーはもう一度言います。

 お客様、その木の実を1つソフィーに下さい。」

「え〜っと、ソフィーさん? そんなにストレートに『下さい』と言われても、この世界樹の若木がもう一つ実を持っているかどうかも分からないし、そんなに簡単に世界樹の実を見も知らず、しかも初対面の人に渡す事なんて出来ないよ。」

「なぜですか? 先程ソフィーは貴方と出会い、そして会話もしました。

 ですから『見ず知らずの者』ではありません。」



 普通であれオートマタが世界樹の実を欲しがることなど考えられないのだが、『どうもこのソフィーと言うオートマタは普通のオートマターとは出来が違う様だ』と思いながら、ソフィーのガラスでできたアイスブルーの瞳をじっと見つめていると、ソフィーの背後から1人の女神が姿を表した。




「お初にお目にかかりますアスト様、私は運命神メニタールと言います。

 出来ればコノ世界樹の若木の実を、1つこのオートマタに授けては頂けないでしょうか?」

「はじめまして運命神メニタール様、貴女のお話はアノ方達からもお聞きした事がありす。『何かの大きな出来事の分岐点に姿を表せて、人々に信託を与え、人々を善き運命へと誘う。』と言われる女神様ですよね?』

「はい、私はお母様・・・ いえ、主神レアフィジーネ様の意向に沿った世界を創る為に、私が必要だと思った時に、必要な相手に、その時に最前な選択肢を提示しているに過ぎません。

 その後にどの様な選択をして、どの様な行動を起こすかは、その者の自由です。」

「と言う事は、この後の僕の行動1つで、今後のコノ世界に大きな影響が出るかどうか?の分岐点が『今』だと言う事で間違いないと言うことですね?」

「はい、そういう事になります。」

「分かりました。

それで『何がどうなってどうなるか?』って事は教えては貰えないんですよね?」

「はい、これは主神レアフィジーネが定めたルールですので」

「最後に一つだけ良いですか?」

「はい。」

「それで、僕は今『人生の分岐点』に立っているのでょうか? それとも『この世界の分岐点』に立っているのでしょうか? それとも僕の目の前に立っているオートマタのソフィーの『分岐点』でしょうか?」

「残念な事に、私はアスト様の問いにお答えする事が出来ません。」


 私はふと、この運命神メニタールとオートマタのソフィーとが、なんとなく『似たもの同士』なのではないかと言う気がしてきた。


「困ったなぁ〜 」と腕組みして悩んでいると、運命神メニタールが片膝を地面に着いて頭を下げ、


「アスト様、どうかどうかご一考下さいますよう。 深くお願い申し上げます。」と運命神メニタールにお願いされてしまった。」


 実は断ろうと思っていたのだが、この世界樹の若木は生命神レムニールから預かった若木だし、誕生したばかりの世界中の若木に無理をさせたくはなくて、断ろうと思っていたのだが、目の前の運命神メニタールが頭を下げる姿を見たらそんな事は言っていられない気もした。


「でも僕もほぼ全ての魔力を世界樹の若木にゴッソリと持って行かれちゃったし、それにメタニール様も見ていたとは思いますが、この世界樹の若木が僕にくれた果実も、レムニール様から預かった果実と比べてもかなり小さかったですし・・・ 」

「もう一度この子に魔力を注いで頂ければ、あともう一つぐらいなら小さな実を作る事は出来ると思います。

 ですからどうか・・・・ 」

「まあ、もう一度僕の魔力を注いだら出来るんだろうけれど・・・ 」

「何か貴方が渋る様な理由でも?・・・」

「う〜ん・・・ 第一に、今この場には僕と運命神メニタール様以外に、本屋の店主と、髭面の男性の方が居ますよね? もし何かの拍子に『お前あの時オートマターに世界樹の果実を渡したろ? だったら俺にも寄越せ!」と際限無く要求されても困るし、

 次に、僕の魔力自体がかなりギリギリで、取って置きだった生命神レムニール様から頂いたエリクサーももう無いので、魔力を回復させる手段も有りませんし、今回、僕のマイワールドに本屋の主人と髭面の男性を招き入れたのだって、僕が『ファースト著・亜空間魔法中級編』以降の魔術書を手に入れる対価としてだし、そもそも髭面の男性は本来ならこのマイワールドには招いてはいませんし、このオートマターのソフィーも何故か僕の許可も無く勝手にココに入って来ているし、まあ運命神メニタール様がココにソフィーを連れて来たんだろうけれど、僕はそんな理由でお断りさせて頂こうと思います。

 第一、今回の事でこの方達から脅迫を受ける様には成りたくは無いですし。」と、今思っている事を正直に運命神メニタールに話した。


『まあ最悪、ニマとロラ、そしてララにお願いすれば本屋の店主と髭面の壮年男性の事はどうにか出来るとは思っているが、それでもダメな時は生命神レムニールか?主神レアフィジーネさんにでも泣き付いて見ようか?』と考えていたが、


 私の思考を読んだのか?片膝を突いて私の顔を見上げていた運命神メニタールがすっと立ち上がり、私の頬をその華奢で綺麗な両手で挟むと、私の唇にメニタールの唇が重なり、何かが私の中に入って来た。



「これで貴方の魔力は完全に元に戻ったはずです。

 貴方に加護を与えるのは、私があの方々に怒られてしまいますので、私の『ファーストキス』を対価として貴方に捧げます。

 貴方が以前居た世界では『女性の初めて』はとても貴重な物だと聞きました。

 ですので、私のファーストキスと私の魔力を対価として貴方に捧げます。」と潤んだ瞳で私を見つめ、少し頬を染めながらメニタールがそういった瞬間、


 私のマイワールドが激震したそう。


 まさに震度5から震度6くらいの激しい揺れがマイワールド内を襲い、立っている事も困難で、世界樹の若木も大いに揺さぶられ、せっかく枝に生い茂った葉もワサワサと頭上に降って来た。


 本来ならこのマイワールド内で地震が発生する事は無い。


 しかも未だユラユラと少し揺れている。


 多分、あの人達が天界から私のマイルームの中を覗き見していたのだろう。

 そしてメニタールが突然私にキスして来た瞬間を見た3人が、驚いて騒いだ結果がこの激震なのだろうと・・・  


 そしてその余波は未だに私のマイルームは揺ら揺らと微震が続いていた。



 

「私がアスト様のファーストキスを頂いてしまったので、あのお三方が怒っちゃったのでしょうか?」と更にメニタールがあの3人を煽る物だから、再び私のマイワールドを激震が襲う。

 

 そして次の瞬間、私のマイワールドに突如としてニマとララとロラの3人が姿を表した。。。。


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