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此の香り
私は過去の記憶を回想をしている、そう多分だけれども此れが世間では走馬灯と呼ばれる物なのかも知れないなあ
結局の所私の人生と言うもは本当に何だったのだろうか、今と成ってはある意味空虚な存在だったかもしれないなあ
そう20代の時に大きな民族的な対立が起きて其の後に神の名の元で民族を治める国家が出来て争いは無くなり平和に成った筈なのに
先程、確か「別天津神共和国連邦」が出来た後に数年も経ったら嘗て内戦状態で有った筈の周辺国が力を付けて軍事侵攻をして、そして別天津神共和国連邦は壊滅状態に成ったんだっけな
まあそんな暗くて苦い過去の事は今は別に良いか、もう此の辛くて希望と言う物が持てない世界で暮らすと言う事をしなくて穏やかに死ぬ事が出来るんだから
だからこそ私は此の最後の時を静かに迎えるとしようか、だけれども周辺の潮の香以外に懐かしいコーヒーの匂いを嗅ぐ事が出来た
もしかすると此の洞窟には私以外の人間が入ると言う事なのかも知れないなあ、だけども私はおなかが好き過ぎて動く事が出来ないで居るの
だからこそ私はコーヒーの匂いを嗅ぐしかなかった




