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不穏

 ここはアキバの中心地からはちょっと遠い、街のはずれ。


 この辺りにはひなびた家屋や宿屋があるのみで、毎朝開かれる小じんまりとした朝市のほかには、特に見るべきものもない。

 今朝もほんの少し前までは店が出ており、そこそこ人も集まっていたのだが、すっかり明るくなったこの時間には、その賑わいももうとっくに収まっている。

 早朝から働いていた〈大地人〉達が店をたたむ姿がまだちらほらと見られるものの、すでに人影はまばらで、わずかな人の話し声以外には小鳥のさえずりが聞こえるだけだ。



 そんな平穏な朝の静寂(しじま)を打ち破るかのように、突如、通りに怒声が響いた。


「だからよっ、こりゃあ、一体どういうこったってオレは言いてぇんだよっ!」


 どうやらその大声は、先程まで朝市の店が並んでいた通りに面した、古ぼけた宿屋の中から飛び出してきたようだ。

 すぐ近くで店を片付けていた商人が驚いて飛び上がり、付近の建物の窓からは、一体何事かと幾人かが顔を覗かせた。


「あぁ、もう、でかい声出すなよぉ、ミッちゃん。要するにアレだろ。俺たちが受けたクエストを、どこぞのパーティーが横取りしてったっつう話だろ」


 狭く、埃っぽいその宿屋の一室で、粗末な机を挟んで二人の男がやり合っている。机の上には何やら契約書らしき文章が書かれた二枚の紙片。


 騒ぎの元凶は「それ」らしかった。


 大声で怒鳴っていたのは〈守護戦士〉特有の、鉄色に光る厳つい甲冑を身にまとった大男だ。短く針のように尖った赤髪から、ゆらっと湯気でも上げそうな形相で立ち上がって身を乗り出し、机上の紙片を片手で押さえつけている。


 そのミッちゃんことミナカタは、何事においても平均的な〈ヒューマン〉には珍しい、大柄の熊を彷彿とさせるがっしりした身体をいからせ、目の前の、椅子に腰掛ける男へ更に詰め寄る。

「イワよぉ、わかっててよくそんなに呑気にしていられるな。いいか、このクエストにはオレ達がこの先、この世界でやっていけるかどうかの命運が懸かってるんだぜ」


 ミナカタの目前で浅く椅子に座り、えんじ色をした肉厚のロングコートをまとった背をもたれかけているイワと呼ばれた青年は、ミナカタとは対照的な細身な身体に、捉えどころのなさそうな飄々とした雰囲気を漂わせた〈ハーフアルヴ〉の〈盗剣士〉、イワサカだ。


 頭の後ろに組んだ指先で、ざっくりと束ねられた派手な朱色の毛先を弄びつつ、彼は向けられた怒りの矛先をのらりくらりと躱すように答える。

「んなこたぁ言われなくてもわかってるよ。でもよぉ、じゃあこれから二人でダンジョンに乗り込むって訳にはいかねえだろ。とりあえず、買い物行ってるみんなが帰ってきてから相談しようや」


 言い合っていながらも、互いに愛称で呼び交わす様子に二人の親密さが窺えるが、それもそのはず、彼らはもともと同じ大学の、同じサークルに所属する仲間同士だったのだ。



 二十年の歴史を誇る老舗MMORPG〈エルダー・テイル〉。

 彼らはかつて、そのゲームのプレーヤーであり、ゲームの中で仲間内で結成した零細ギルド〈ミッドナイト・オウル〉のメンバーだった。そのメンバーのほぼ全員が、現実世界では同じ大学に通い、たった数人の小さなサークル「歴史研究会」に所属していた。


 ひとことに歴史研究といっても非常に範囲が広いが、彼らの興味関心が向いていたのは専ら、古今東西の戦略・戦術に関してだった。

 様々な兵法書、あるいは戦争、合戦の経緯などを研究する、というのが一応の活動趣旨ではあるのだが、そこは所詮、同好会レベル。適当に集まっては、戦術色の濃いシミュレーションゲームやボードゲーム、MMORPGなどをやり込んで楽しむのが常だった。


 そんな彼らゆえに、数あるゲームの中でも、より戦術性の高い〈エルダー・テイル〉に関心が向くのは当然の成り行きだったといえるだろう。

 三ヶ月ほど前に誘い合って〈エルダー・テイル〉に登録し、互いに協力し合いながらクエスト攻略、ダンジョン踏破などを楽しんでいたのだが……


 あの五月初めの運命の日。


 システムとしては十二番目の、しかし彼らにとっては初めての体験となる拡張パック導入を、今か今かと待ちわびる一行に降かかったのは、新システム導入を喜ぶ歓喜と期待などではなく、なんぴとたりとも拒むことを許されぬ異世界への招待、〈大災害〉だった。




「たっだいまー! ありゃ、どったの? 二人とも怖い顔して」

 元気よく入ってきたのは、好奇心を隠せぬように黄金(こがね)色の大きな目をクリクリさせた栗毛色の猫顔娘、イチキだ。

 

 険悪になりつつあった空気を吹き払ってくれたことに、ミナカタとイワサカは心持ちほっとした表情を浮かべながら、戻ってきた仲間に向かって声を掛ける。


「ん、おう、お帰り」

「イチキっち、スー(ねえ)、お疲れー」


「ただいま帰りました」

 続けて入ってきたのは、切れ長の目元に透き通るような空色の瞳が涼しげな、イチキとは正反対に落ち着いて大人びた佇まいをもつ女性だった。

 そのスー(ねえ)ことスセリもまた、鋭い眼差しで室内のただならぬ様子を見とめると、やや乱れた浅葱色の長い髪を整えながら無遠慮に言う。

「あら、ホントに怖い顔ね。ま、ミナカタはもともとだけど」


「ほっとけ」


 そっぽを向いて、吐き捨てるように言葉を返すミナカタを眺め、イチキは楽しげに笑う。

「にゃははは」


 回りくどい言い方を嫌う二人が、こんな風なやり取りをするのはいつものことであった。



 スセリとイチキもまた、元サークルのメンバーであり、今はギルド〈ミッドナイト・オウル〉の仲間だ。


 スセリは、普段はギルドマスターとして皆をまとめ、いざ戦闘となれば〈神祇官〉としてパーティーの状態に気を配る、文字通りギルドの要となる存在だ。

 〈狐尾族〉特有の、そこはかとない色気を含んだ所作に加え、生徒会長あたりが似合いそうな、リーダー然とした態度で凛と指示を与えられれば、ギルドメンバーでなくとも、そそと従ってしまうのではなかろうか。

 〈神祇官〉が好む白い狩衣風の和装に、鈍く光るやはり白い胸当てが、なお一層、彼女の怜悧な立ち振舞いを際立たせている。


 対してイチキは、「元気」が服を着て歩いているような少女だ。

 彼女は〈猫人族〉の〈妖術師〉。黒をベースにツートンカラーにまとめたソーサラーローブが、顔を覆う明るい茶色の猫っ毛と対になってよく映えている。

 自他ともに認める、好奇心の旺盛さと自由気ままな行動が信条のイチキにとって、「猫になれる」〈エルダー・テイル〉というゲームは、我が意を得たりといったところであっただろう。そんな彼女ゆえ、本当に猫の姿になって生きている今の状況を――元の世界に戻れないという、いかんともし難い現実はさておき――それなりに楽しんでいるようだった。



「で、私達が留守の間に何かあった?」

「どうもこうもねぇ。スー姉、コイツを見てくれ」

 尋ねるスセリの目の前に、ミナカタは片手で抑えていた紙をぐいと押し出した。


「えっと。クエスト請負書の写しね。こっちが私達が受けたもので、あら、どういうことかしら。同じクエストの請負書が二つ……。もう一つの方は別のパーティーが受けたことになっているわね」

 二枚の請負書の写しを机の上に並べ、怪訝そうに見比べているスセリ。

 そこにはそれぞれ、クエストの名称や内容、受注日などのほか、受注順を示す通し番号も書かれていた。


「へぇ~、不思議ぃ。そんなことってあるの??」

 その傍らから、イチキはひょいと顔を出して覗き込むと、両の猫耳をぴくぴくと器用に動かしながらミナカタを見上げた。


 ミナカタは甲冑をガチャリといわせながら腕を組むと、一同を見渡した。

「いや、この手のタイプにゃ普通はねぇはずだ。このクエストは一度クリアされたらリポップすんのはひと月後だろ。もし複数のパーティーが同時に受けられたとしたら、それこそ大騒ぎになっちまうじゃねえか」


「それもそうよね。最悪、先を争ってパーティー同士の争いになるでしょうね。もしかしたら、〈大災害〉が原因のバグか何かかしら」

 スセリも同じように腕を組むと、思案するように片手を顎にやり、考え込んだ。


 この事態がまだよく飲み込めず、しかして有効な方策も思いつかないまま、一同は目の前に並べられた二枚の紙を見詰めてふうむと黙り込んだ。

 重苦しい雰囲気が場に漂う。


 と、その時。


「それならギルド会館で聞いてみればいい」


「うおっ! トシ!! いつからそこに!?」

 背後からの突然の声に、ミナカタは思わず飛び上がった。


 皆から少し離れた奥の壁に、押し黙って腕を組み、もたれかかっていた小柄な青年、トシが唐突に口を開いたのだった。


「最初からいた」


「マジか……相変わらず気配消すの上手いよな。〈暗殺者〉ってのは天職だぜ」

 ミナカタは目を白黒させて、関心したような呆れたような口調で言った。


 濃紫の髪と、黒を基調とした地味な装束のせいもあり、皆にはトシの姿が、完全に部屋の薄闇に同化しているかのように見えた。


「そうか?」

 影を含んだ深紅の瞳を一瞬キラリとさせながらも、トシはそっけなく返した。



 言葉少なげな〈狼牙族〉の〈暗殺者〉トシもまた、ギルドのメンバーである。

 集団から一歩距離を置くその姿勢は現実世界にいた頃から変わらず、それが彼のポリシーなのか、単に人付き合いが苦手なだけなのかはわからないが、時折みせる、その場の雰囲気に流されぬ態度からくる鋭い洞察力は皆も一目置くところである。



「そうにゃぁ。トシちんはねぇ、いつでも臨戦体制なんだよぉ。誰かさんみたくユルユルダラダラしてないんだから」

 イチキはそう言いながら、ズボンのポケットに両手を突っ込んで、気だるそうに椅子に腰掛けているイワサカをちらっと見やった。


 視線に気づいたイワサカが、片方の眉をくいと引き上げてイチキを見返えし、口先を尖らせて拗ねたように呟く。

「オレっちのことかよ」

「にゃはは」

 すかさず反応するイワサカに、嬉しそうな顔を向けるイチキ。


 スセリは、そんなイチキとイワサカのじゃれ合いにも構わず、話を先に進めていく。

「トシの言う通りね。ねぇ、ミナカタ。そもそもこの写しって、あなたが会館から貰ってきたんじゃなくって? その時に…」

「いや、こいつはたまたま気が付いた知り合いが取ってきてくれたんだ。だからオレは会館には行ってねぇ」

「そうなの。じゃあ、街に出てるあの子達に頼んでみましょう」


 そう言うとスセリは、しなやかな手つきでシステムメニューをすっと操作し、まだ買い物から戻ってきていない、残りのメンバーに念話で呼びかける。

 『もしもし、イタル?』



 『はーい、こちらイタル。もうすぐ買い物終わるからじき戻るよ。

  え、何だって?

  うんうん、そんなことが!?

  わかった。寄ってみるよ。

  オーケー、了解ー』


 念話の相手、イタルは、街の中心部にほど近い、いくつかの出店が立ち並ぶメインストリートを歩いているところだった。

 きゅっと帯を結び腕をむき出しにした消炭色の道着と、引き締まって均整のとれた体躯が、熟練した格闘家を思い起こさせるが、灰褐色のやや癖のある無造作な髪型にわずかに少年っぽさも感じ取れる。



 アキバの街のメインストリート。この近辺は〈エルダー・テイル〉がゲームであった頃にはもっと賑やかだった。

〈大地人〉が経営する店の数は今もあまり変わらないが、以前はその数を大きく上回るほど〈冒険者〉の出す店がところ狭しと軒を並べていた。

 自慢の商品を売り込む〈冒険者〉の職人達と、既製品とは比べ物にならない質の高い品物を求めて集まる〈冒険者〉の客達。自らの技術の成果を声高に宣伝する者や、これから向かう冒険に心躍らせ、高揚した顔を浮かべる者など、東日本最大のプレーヤータウンである、アキバの街のメインストリートに恥じない賑わいを常にみせていたものである。


 それが今はどうだろう。


 〈大災害〉から約ひと月がたった今でも、人通りは盛況だった頃の十分の一もなく、以前のようなにぎわいは望むべくもない。

 〈大地人〉の店の横にポッカリと空いた場所は、かつて〈冒険者〉達の店々があったところだ。

 街にたむろする人々の目にも、希望の色を見い出すのは難しい。無気力に路地に座り込んでいる者、〈大地人〉に難癖をつけて掴みかかっている者、初心者と思しき〈冒険者〉を杖で小突きながら連れ歩いている者、それを横目で見ながら無関心に通り過ぎる者など……



 イタルは念話に答えながらも、その内容のみならず、変わり果ててしまった街の様子にも思うところがあるのか、周りに目を遣りながら色黒の実直そうな顔をしかめて険しい表情を見せていた。



「何かあったの?」


 そんなイタルの横を並んで歩いていた穏やかな面立ちの女性が、イタルの深刻そうな顔つきに気付き、吸い込まれそうな藍色の大きな瞳で心配そうに覗き込んできた。

 首を傾けながら、その拍子にさらりと下に流れた菜の花色の長い髪を、ほっそりとした指先で、つんと尖った耳の後ろにゆったりとかき上げている。


「うん、スー姉からの念話だったんだけど、実はね、オレ達が受けた例のクエストでトラブル発生みたいなんだ。だから帰りにギルド会館に寄ってみてくれってさ」

「トラブル?」

「ああ。だからミトシ、悪いけどもうちょっと付き合ってくれ」

「ううん、全然、全然。でも、やだなぁ。ただでさえ、この世界で初めてのダンジョン探検でちょっとドキドキなのに、トラブルだなんて……」


 明るい髪色と対照的な、落ち着いた深緑のマントにゆるりと風をはらませて、肩にちょこんと乗せた召喚獣〈カーバンクル〉の小さな頭を撫でながら歩くミトシ。それに答えて、ミトシが首に巻いている同じく深緑色のスカーフを、口に咥えてクイクイと引っ張る〈カーバンクル〉。

 そんな主従の仕草に、傍らのイタルは険しかった表情をゆるめて優しい眼差しを向ける。



 〈狼牙族〉で〈武闘家〉の青年、イタル、そして〈エルフ〉で〈召喚術師〉の女性、ミトシ。

 もうひと組の買い出し班の二人ももちろん、ギルドの仲間だ。

 そして二人は、()大学のクラスメートでもあった。

 イタルが声を掛けたのがきっかけで、ともに「歴史研究会」に入部した。だが、結果的にそれが元でミトシをこの世界に引きずり込んでしまったことに、イタルは少なからず責任を感じ気遣っているようだ。しかし、彼を非難する態度などおくびにも出さず常に明るく振る舞う彼女に、逆にイタルのほうが慰められているのかもしれない。



「あ、あたしもドキドキしてるですー」


 不意に、小さな買い物袋を抱えた小柄な女の子が、陽に艶やかに光る銀色のおさげ髪を揺らして、前を歩く二人に遅れまいと追いすがりながら声を上げた。


「あはは、サッちゃんももう三十レベルを超えてるんだし、一人前の冒険者じゃないか」

 振り返って後ろ向きに歩きながら、二人の後をちょこちょことついて来る少女に、イタルは大仰な身振りで答えた。


「そうよぉ、ヒールのタイミングもバッチリ合ってきてるし、なにより実のお姉さんが一緒なんだから、心配することなんて何もないわよー」

 ミトシもまた肩越しに少女に顔を向けて、半ば自分を励ますかのように言い聞かせた。



 残る最後のギルドメンバー、サッちゃんことサクヤ。彼女だけはサークルの部員ではなかった。スセリの三つ年下の妹であり、現実世界では高校生であった。

 夜中に何やらブツブツと聞こえる話し声につられ、姉の部屋をそっと覗いたのが〈エルダー・テイル〉との最初の出会いだった。

 勉強に差し障るからと止める姉に無理を言って登録をし、ギルドの中でまだなり手のいなかった〈施療神官〉、姿形がかわいからと〈ドワーフ〉を選んだ。



 朱鷺色の縁取りのある白いローブをまとった、まだあどけなさの残るおさげ頭のサクヤに、イタルはミトシに続けて声を掛ける。

「そうだよ。スー姉がいれば何があっても大丈夫さ。今までだって誰も一度も死んだことなかったろ?」

「でも、でもぉ、今まではゲームだったから……本物のモンスターさんがグワァーって来るのはちょっと……」


 すでに経験したらしい恐怖体験を思い出して震えるサクヤに、


「そうよねぇ。確かに、等身大のモンスターと戦うのは私もちょっとまだ慣れないかなぁ。たくさんのスケルトンとかゾンビだとかに囲まれちゃったらトラウマになっちゃうかも……」

 と、俯き加減で顎に手を添え、思い悩むように眉間に皺を寄せるミトシ。


「そ、そうですよね。ミトシさんもやっぱり怖いですよね。できればあたしはお留守番っていうわけには……?」

 同胞を見つけた嬉しさにサクヤは思わず身を乗り出すが、直後、おずおずと上目遣いに、ローブの縁取りに合わせたかのような薄紅色の瞳を潤ませてイタルを仰ぎ見た。


「んー、でも、こんな世界に閉じ込められちゃったから余計、レベル上げは大事だと思うし、それに今のアキバは物騒だから、一人でいたら人攫いとか来ちゃうかもしれないぞ」

「ひゃぁ~、それもちょっと……」


 本気で怖がるサクヤに、ミトシが助け舟を出す。

「こら! イタくんも脅かさないの!」

「あはは、悪い悪い」


 いたずらっ子のような顔で笑うイタルに、サクヤは思わず頬をふくらませる。

「もおぉー」


 年下の少女の子供っぽい仕草に、イタルは思わず目を細めた。


 が、少し間をおいてからイタルは笑顔を収め、目元を引き締めた真剣な顔を二人に向け言う。

「でもな、真面目な話、世界がこんなになってから、もうそろそろひと月になるだろ。元の世界に戻る方法も全然わかんないし、この先このままでいられるかもわかんない。

 平均で四十レベルそこそこのオレ達だけど、だからこそちょっと背伸びしてでも今回のクエストを受けようって決めたんじゃないか。

 何しろ、あのダンジョンをクリアすれば、当分装備には困らないほどのお宝アイテムが手に入るんだしね」


「うんうん、街の外じゃPKなんかも出るらしいし、強くなんなきゃね! よしっ頑張ろっと」

 ミトシはふんっと息を吐き、気合を入れるように両の拳を握った。


「ミトシさん、無理してないですか?」

 顔色を窺うように覗きこむサクヤに、


「う、ううん、そ、そんなことないわよ。あ、ほら、もうギルド会館に着いたわよ!」

慌てて答えながら、ミトシは目の前にそびえ立つ荘厳な建物を指差した。

 閲覧、ありがとうございます。

 ログ・ホライズンTRPG用に作ったキャラクターをベースに、ひとりロールプレイしてみた自己満作品です。

 お見苦しい点はご容赦くださいませ。

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