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一気にここまで話し、サワテは用意されたお茶を口に含みます。
「その二人の護衛である、と言うことを周りに気づかれないように……というのは?」
「……隊の一員として扱うようにと言われまして……ですが、そう言われて『分かりました、そうさせていただきます』などと、言える訳が無いじゃないですか。兎に角、護衛を付けることを頼み倒して……やっと取り付けた条件だったのですよ、あれが。」
「『魔法を複数使えること』と『秘密厳守』?」
「……ええ。それと、あの『鑑定』も、です。ガラシヤ様が言われるには、『あれだけ付与された魔力が弱くなると、魔力を集める力が弱い者には分からないだろう。力を計る目安になる』と言うことでして……」
暗に、これの効力が全て分かる者でなければ雇うな、と言うことか、とカロンは理解しました。始めに自分を見たときのサワテの表情と効力を全て当てたときの表情を思い出し、どれだけの人数がその鑑定で落ちたのか、想像するだけで苦笑が漏れ、同時にサワテの焦りと絶望が想像できました。
「あなた、そろそろあのお二人にこちらの方を紹介なさっては? 出発は、今日の十の鐘が鳴る頃としていたではありませんか。九つの鐘が鳴ってずいぶん経ちますし、あまり時間がないと思いますよ。」
「お、おおぉ、そうだったか。ありがとう、ファム。では、一緒に来ていただこう。ガズン、君も一緒に来てくれ。」
「分かりました」
「あ、はい。お茶、ごちそうさまでした。」
カロンは、慌てて注がれていたお茶を飲み干し、サワテの後を追いかけます。目的の馬車に行くまでの間、サワテは他の護衛や使用人達にカロンを簡単に紹介して行きます。
かなりの早足で進んでいくサワテの心が安堵と喜びが、カロンには手に取るように分かります。そうして、一つの馬車の前で、三人は足を止めました。
「この馬車は、鍋などの金物を乗せた馬車です。出来るだけ盗賊達に狙われにくいモノをガラシヤ様にお願いしたのです。」
カロンにそう告げると、馬車の中に呼びかけます。
21時に、別連載の形でこの物語の魔法設定を公開します。




