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男に付いていくと、多くの商隊が留まる広場へと辿り着きます。すでに此処にいた殆どの商隊は出発してしまっているようで、広場はかなりガランとしていました。そんな中、彼らは箱形の馬車に向かいます。
「とりあえず、私の家族と護衛頭に面識を持っておいてもらいたい。」
そう言うと、その馬車の扉を開け中に入ります。青年も、その後について入ってゆきました。
中では、三人の少女、二人の少年と赤子を抱いた女性、そして腰に剣をさげ鎧を着た男が待っていました。
「父さん!」「お帰り~」「見つかったの?」「もしかしてその小さな人が?」「ねえ、どんな魔法が使えるの?」「まぁ! この街を出る前に見つかって良かったわ」「お待ちしていました。」
全員が口々に男と青年に声をかけます。
「まぁ、全員落ち着け。……ああ、そう言えば、名を言っていなかったな。私はサワテと言う。ここにいるのは私の家族と護衛頭の……。」
「ガズンと言う、よろしく。」
握手を求められ、カロンはその手を握り返します。
「はじめまして。カロンといいます」
サワテにねぎらいの言葉をかけ、二人に椅子を勧める女性。サワテに妻だと紹介されます。がっしりとした体つきをしたガズンは、カロンの年の若さが気になるようでした。
「……依頼書にあった護衛の対象はご家族ですか?」
「いや、違う。だが、私の家族にあなたの顔を知っていてもらう必要があったから、まず先にここに来てもらった。それから、形式上ではあるがガズンの下に入ってもらうのでね。」
椅子に座ったサワテは、カロンにも椅子に座るようにと言います。彼の子供達は興味津々でサワテの後ろからカロンを見つめ、サワテの妻は二人にお茶を入れに席を離れます。ガズンは出入り口に立ち、カロンの一挙一足に注意を払っていました。
「守っていただきたいのは私達の客人、ガラシヤ様とオルフェ様。本来であれば、客分として、それなりの待遇をしなくてはいけないのですが……実は、ガラシヤ様がそれを許して下さらないのです。自分たちの目的のためだけに私達に同行するのだから負担になるようなことは出来ないと。ガラシヤ様は、確かに大変腕の立つ剣士ですが、オルフェ様は、ご病気を患っておられて、全く動くことが出来ない状態なのです。彼を守りつつ、この隊の護衛として戦われるには、どうしても無理が出て来るでしょう。それに、お二人は、私達にとって大切な商品の取引相手でもあるのです。怪我をなされては私達の信用にも関わるんですよ。」
一気にここまで話し、サワテは用意されたお茶を口に含みます。




