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《近々コミカライズ発売予定》道にスライムが捨てられていたから連れて帰りました  作者: イコ


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ご近所ダンジョンさん 13

『こんなものか?』


 意識を手放した私を誰かの声によって呼ばれます。


「あなたは?」


『ここで終わっていいのじゃな? 貴様の相棒は、今も貴様を守るために戦っておるのに終わりでええんじゃな?』


「私はここまで頑張りましたよ。自分の全てを賭けて挑みました。もう休んでも」


『残念じゃ。貴様なら、我の元に辿り着けると思っておったのに』


「何を言って?」


『見るがいい。貴様を守ろうと必死に戦う小さき者を』


 真っ黒だった視界が開けて、白オーガに囲まれて倒れる私を守るため、ミズモチさんは一人で戦ってくれています。

 傷を負って、殴られて、それでも倒れることなく、その身を削っても私を守ってくれていた。


『貴様が最後までたどり着いたなら、後はないかもしれない。だが、今はその時ではない。起きよ! ヒデオ!』


 そっと、私の唇に白鬼乙女さんがキスをしてくれました。

 

「はっ!」


 体を起こすと、そこに白鬼乙女さんはいません。


 ただ、体の傷は治っていて、鬼切丸さんを握る力も戻っています。


「あなたが見守ってくれているんですね。わかりました。必ずたどり着いてみせます」


 白オーガ将軍を倒したからと言っても、全ての敵を倒したわけではありません。

 レベルアップ音が頭に響いていますが、戦闘中で気を緩めるわけにはいかないのに、強い敵を倒すために意識を失っていました。


 そんな私をミズモチさんが傷だらけで守ってくれていました。


「ミズモチさん。すいません。お待たせしました。《聖》なる力よ。ミズモチさんと私の傷を全て治してください」


 傷ついた私たち狙う白オーガに私は結界を張って壁を作りミズモチさんを抱きしめて傷を治します。


「ミズモチさん。ありがとうございます。もう大丈夫です。私たちは二人で一人です。あなただけに無理をかけてしまってすいません」

「ヴュい! ご・しゅ・ジン・サマ。マカセテ!」


 ミズモチさんが笑ってくれているように感じます。


 気合いを入れ直すしかありませんね。

 白鬼乙女さんに心配をかけて、ミズモチさんがその身を犠牲にして、私を生かしてくれています。


 1000体の白オーガたちは半分を切っています。


 全てを倒して白鬼乙女さんに会いに行きます。


 ふと、私が立ち上がると、一体の白オーガが隣にいる白オーガを殺して魔石を飲み込み始めました。

 すると白オーガ将軍が誕生して、さらに白オーガ将軍の魔石を数体分取り込んだいきます。


 互いに共食いするように魔物たちが魔物を取り込んでいきました。

 この光景を私は黄鬼さんで見たことがあります。

 止める間もなく巨大な鬼が誕生しました。


 三体の巨大な白オーガ大将軍。


 刀、槍、弓を持つ三体の大将軍は鎧を纏って、私の前に立ちはだかります。


「さすがはご近所ダンジョンさんですね。なんでもありというわけですか?! その場で進化するなんて卑怯すぎませんか?」


 明らかに先ほど倒した白オーガ将軍よりも強いです。


 危機察知さん、ブラックの上があるなんて始めて知りましたよ。


 目の前に記された危機察知信号は、金です。


 はは、強すぎてバグってしまったのでしょうか?


「ミズモチさん。ここを踏ん張れば、白鬼乙女さんです。絶対に負けませんからね」

「ヴュい! ご・しゅ・ジン・サマ。マカセテ!」


 レベルが上がって、ミズモチさんが少しだけ長く話せるようになりました。


 ふふ、可愛いです。


 こんなにも危険な状態であるはずなのに、ミズモチさんの声を聞くだけで私の気持ちは静かな湖畔のように穏やかになれるのです。


「最初から、やっぱりあなたが私のパートナーでよかったと何度思ったのかわかりません。行きましょう。ミズモチさん。最強の鬼に挑みます」


 私は結界を張って弓大将軍からの攻撃を完全に意識することをやめました。


 彼らはチームとして私と戦うことを選ばれました。


 ですが、私とミズモチさんは二人で一人です。

 

 チームであり、相棒であり、気持ちを一つにしてきました。


「ミズモチさん」

「ヴャい!」


 もう念話さんで言葉を交わし合う必要もありません。

 名を呼ぶだけでしたいことがわかります。


 巨大な毒氷ドラゴンが生み出されて、槍大将軍を惹きつけてくれます。


 私がまず最初に倒すのは、あなたです。


「刀大将軍さん。私が刀を持っている以上。あなたにだけは絶対に負けない」


 正眼に構えられた刀に対して、私は下段に構えます。


 東郷師匠と相対した時よりも遥に強者の雰囲気を出しております。

 

「フゥー、流水のように」


 これは柳流の夢幻ではありません。


 東郷流剣術流水。


 今の私にならできるはずです。


「ミズモチさん。今度は倒れません。三体を倒します」

「ヴュい! ご・しゅ・ジン・サマ。ガンバッテ!」

「はい! あなたが応援してくれるなら、私は負けません」


 ええ。そうです。


 ミズモチさんを、白鬼乙女さんを、そしてカオリさんを……。


 私には家族がいるんです。


 大黒柱は簡単に折れていい柱ではいけないんです。


「家族を支えるのが大黒柱でしょうが!!! 流水!!!」

「うおーーーーーー!!!」


 刀大将軍が、反応して私の動きについてきます。

 先ほどのように倒すことはできません。


 ですが、武器の性能を舐めないでいただきたい。


 白鬼乙女さんがくれた鬼切丸さんは、あなたの剣を真っ二つにする。


 刀ごと、私は刀大将軍を真っ二つにする。


 その流れに乗って、弓大将軍に襲いかかる。


 だが、弓大将軍の矢が結界を破壊して、私の鉢がねを吹き飛ばしました。


 もしも数センチ下を通っていれば、左腕は吹き飛んでいたでしょう。


 だけど、今の私は止まりません!


 弓大将軍の胴を薙いで真っ二つにします。


 しかし、振り返った先では、槍大将軍が毒氷ドラゴンを退けて、刀大将軍の魔石を飲み込んでいる姿が見えました。


「GYAAAAAAAA!!!!!」


 大量の魔力が溢れ出して、六つの手と三つの顔を持つ阿修羅像のような姿へと変貌を遂げました。


「まだ進化するのですか?!」


 レベルアップ音〜♪


 不意に私の脳内にレベルアップ音が鳴り響きます。


 2度目のレベルアップ? レベル30になりました。

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