↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
七章 異世界とは魔人達の居る世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

721/721

19話 神話の中の怪物達.3


 睨み合うアルテラとT-OG。その間に挟まって、二人からの視線を浴びるのは、我。

 もの凄く居心地が悪い。

 T-OGに動けと言ったのは我じゃが、臨戦態勢になれとは言っておらぬし、なんかもう、面倒臭くなってきたのじゃ。


「たかだか人に作られたガラクタが、女神であるこの私に向かって、得体の知れない物を向けてくるだなんて……万死に値するわよ」


「笑。当時の神々ですら、当機を消滅させる事叶わず。片腹痛いとは正にこの事かと」


「そう……そんなに神の一撃を受けたいのね」


 アルテラは、自らの首に巻いた羽衣に手をかけると、それをシュッと振り下ろした。

 そこに現れたのは──桃色のレイピア。

 それこそが、アルテラの神器。


「待つのじゃアルテラ! 貴様っ、ここで神の力を使うてはっ、この"大陸が沈む"のじゃ!」


「大丈夫よ。転生神が干渉する様だし、大陸は沈まないわ。まぁ……半分は無事でしょ」


 此奴っ、気付いておらぬのかや!


「南には流が居るのじゃぞ! 彼奴に関係する者にまで被害が及べばっ、流がキレおるのじゃ! 過去の戦を忘れたか!」


 流は魔神にして、世界樹の守護者。そして、哲也には成し得なかった、神の門を開くスキルを有しておる。


「彼奴が怒り、神を敵だと認識してしまえば、神域へ突撃をかまして暴れ回るのじゃ」


「……チッ、過去の大戦を遥かに凌ぐ、馬鹿みたいな被害が出る訳ね」


「左様じゃ。しかも彼奴は、哲也以上に精霊に好かれておる。大陸が沈む以上の混沌が、世界を覆う事になるのじゃぞ」


 精霊神は、哲也を庇って消滅した。精霊達は悲しみながらも、精霊神の想いに応え、神と争う事を避けたのじゃ。


「またあの時と同じく、守護者に刃を向けたならば、精霊達は怒り狂うじゃろうの」


 ただでさえファンガーデンでは、上位精霊が獣族に化けて暮らしておるし、地の精霊であるミユン、水の精霊であるピュアと、元素精霊が二人も居るのじゃ。


「大陸一つならば、神であるお主らには痛手ではなかろうが、世界の破壊は望んでおるまい」


「……分かったわ。今回は魔龍である、黒姫の顔を立ててあげる。一つ貸しだからね」


「不服。ですが、被害が想定を超えると判断。外部兵装、黒の剣を解除致します」


 ここまで言って、ようやくなのじゃぁ。転生神の奴め、神の力の解放を許すとは、歳をとり過ぎてボケたのかや。


「それはそれとして、さっきニャンブルが言っていたメイちゃって、誰なのかしらねぇ」


「ぐぅっ……んっ?」


 アルテラは気付いておらぬのかや? 逃した筈のもちが、足音を消しながらゆっくりと、アルテラの背後に迫っておるのじゃが。


「何か誤解している様だけど、私は調査に来ただけなのよ。ステータスが見えない者が居たとしても、争う気はな──『うにゃ!』痛い痛いっ、誰よ背中にっ!?」


「にゃゔゔゔっ! 引っ掻くにゃーよ!」


「ちょっ、何で私の神器で守れないのよ!?」


 もちの奴は、防御貫通スキルを持っておる。魔龍の我の鱗ですら、易々と傷を付ける、ある意味で厄介なスキルじゃ。


「ガリガリにゃ! ガリガリにゃっ……この布貰うのにゃ! メイちゃに似合いそうにゃ!」


「あっ!?」


 しかしまさか、神にも効くとはのぅ。


「こらっ! 私の神器返しなさいよ!」


「嫌にゃーよ。これはもう、もちの物にゃ」


 おやっ? アルテラの神気が下がりおった。こやつまさか……神気の力の大半を、神器に入れておるのかや。


「アルテラお主……学ばぬのぅ。以前にも流に神器を奪われて、泣いておったじゃろうに」


「うっ、煩いわねって、あのニャンブルどこに行ったのよ! 見失ったじゃない!」


「神の眼を使えば、見つけられるじゃろ?」


「わっ、分かってるわそんな事!」


 アルテラめ、相当焦っておるのぅ。そんなに焦っておると「隙だらけなのにゃ!」と、またもちが飛び掛かって、他の神器も奪われ……ておるのぅ。今度は簪なのじゃ。


「ぐっ、このおっ!」


「にゃっ、にゃっ、うにゃっ」


「笑笑笑笑笑。ニャンブルが神を翻弄しております。面白動画として、永久保存致します」


「二つ目の神器で、相当衰えおったのぅ」


 もちはアレじゃな。流とはまた違った意味での神特攻で、間違いないのじゃ。人と猫人の混血とは、こうも特異な者なのかや。


「となるとミルンも、何か能力があるのかも知れぬのぅ。人と犬人の混血じゃし……」


「メイちゃに渡すのにゃああああああっ!」


「こらあっ! 待ちなさああああああいっ!」


 二人がそのまま、行ってしまった。


「……殺伐とした雰囲気が、一気に消えたのぅ」


「問。魔龍、宜しいでしょうか」


「我に質問かや? 一体何じゃ?」


 古代兵器であるT-OGが、魔龍たる我に質問など、何を知りたいのかのぅ。ドールの姉妹機じゃし、ここは何でも答えてやるのじゃ。


「疑問。あの二人を追わなくとも、宜しいのでしょうか。恐らくあのニャ……もちは、地下五階に向かったと推測されますが」


「……あっ!?」


 もちの行った先には、凛宮司が居るのじゃ!


「って、お主も追わぬか!」


「答。先程、黒の剣を発動した為、燃料不足にて行動不能。浮くだけで精一杯です」


「そんなもん使うでないわあっ!?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。