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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
六章 異世界とは古き民が居る世界

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間話 ミユンの休暇.1



 パパが帰って来るまで、あと一週間。粉骨砕身の気概でもって、セーフアースの開拓を進めてるけど、偶には息抜きも必要なの。


「と言う事で、遊びに来ましたっ」


 ドバンッと扉を開けると、「……急に来るのは、止めてくれぬか?」ヘラクレスが凄いお顔で、こっちを見て来た。


「婚約御披露目パーティー以来なの」


「うむ。あの時は、世話になったな。お陰でゆっくりと、休めたのである」


「別に良いの。遠くにミウは居たけど、メオは予定通り、鉱床の確認中?」


「そうであるぞ。帝国の山岳地帯にて、ミスリル鉱床を、探っているである」


 ミスリルを見付けてくれれば、色々な武具が作れるし、楽しみです。


 ここは、農耕都市ハーベストラヴァー。

 ヘラクレスが治める、元帝国領であり、ジアストールが丸々収まる広さの、広大な大地。

 

「パッと見ただけでも分かる程、人が増えてるの。もちゅもちゅ、ずずっ」


 執務室から外を眺めて、のんびりと焼菓子を摘みながら、お茶を飲む。

 気分転換には、丁度良いの。


「そうであるな。陛下の許可を頂き、他領では畑を持てぬ者達が、少しずつ来ているのである。それでもまだまだ、人手は足らぬがな」


「ヘラクレスの領地は、広過ぎるからね。伯になるんだから、貴族の派閥を作って、小分けに管理させないの?」


「ふむ……それも考えては、いるのであるが。まともな貴族が来るとは、到底思えぬのだ」


 ジアストール王国の貴族は、腹黒くてお馬鹿な貴族が、地味に多いもんね。

 

「御披露目会に居た、暗部関係の貴族の庶子なら、沢山居そうだけど?」


「家督を継げぬ者達であるな」


「そうなの。上手くその地区を治めた者には、あの女王へ、騎士爵ないし、男爵位の推薦をすると言う"餌"で、簡単に釣れると思うの」


「ふむ、推薦であるか」


 この北の大地は、ジアストールにとって、結構重要な場所だし、そこを治めるヘラクレスの推薦を、女王は無視出来ないの。

 それにこ、のヘラクレス。元村長なだけあって、人を見る目はそこそこ持ってる。


「そうしないと、欲に塗れた馬鹿な貴族達が、勝手に侵入して来て、好き放題しそうなの」


「ぬぅ……ファンガーデンにも、来ておったな」


「そうなの。お馬鹿は、何処にでも沸きます」


 潰しても潰しても、少し時間が経つだけで、また現れると言う、学習しないお馬鹿なの。

 貴族関係の人達は、それこそ廃嫡されていない限り、消す事が出来ないから、厄介っ。


「他領の貴族から、甘い言葉が綴られた、お馬鹿なお手紙って、来てたりしないの?」


「手紙の管理は、ミウに任せておるのでな。陛下からの手紙以外、見た事が無いのである」


「それなら安心っ」


 ミウがお手紙を確認するなら、犬人持前の嗅覚でもって、敵か味方を判断するの。

 敵に容赦はするな。

 ドゥシャの教えだから、変なお手紙を送って来た貴族には、それ相応の対応をする筈。


 コンコンッ────『ヘラクレス様。陛下からの御手紙を、お持ちしました』


「むっ? 入っても良いぞ」


 噂をすれば、ミウが来たの。

 ミルンお姉ちゃんより、歳下なのに、メイド服が板に付いた、しっかり者っ。


「失礼しますっ。やっぱりミユンの匂いだった。ヘラクレス様、どうぞ」


「うむ、拝見するのである」


 お手紙をヘラクレスに渡したミウは、私の隣に座って来て、焼菓子をもぐもぐし始めた。

 メイドなのに、良いの?


「急に来るなんて、どうしたのミユン?」


 サクサクッ。


「セーフアース開拓の合間の、ちょっとした気分転換なの。休みは大事っ」


 もちゅもちゅ。


「ふーん。ミユンが離れたら、大変じゃない?」


 サクサクッ。


「ドールが指揮をとって、ピュアを働かせているから、大丈夫っ」


 もちゅもちゅ。


 成程なの。ヘラクレスがお手紙読み終わるまでの、ちょっとした小休憩っぽいの。


「それで、ヘラクレスっ。その女王からのお手紙には、何て書いてあるの?」


「……むぅぅぅっ」


「ヘラクレス様? そんな難しい顔をされて、どうされたのですか?」


 ヘラクレスの眉間に、深い皺が寄って、お手紙を読み進める程に、凄い汗を掻いてるの。

 ぬるてか筋肉は、見たく無いっ。


「ヘラクレス?」


「うっ、うむぅっ……大変な事態になった」


「緊急ですか?」


「緊急……では無いのであるが……」


 緊急じゃ無いのに、大変な事態?


「貴族絡み?」


「貴族絡みと言えば、そうであるな」


「変な貴族が、絡んで来るんですか?」


「そう……なる可能性がある」


 貴族絡みで、緊急じゃ無いけど、大変な事態ほ筈なのに、あくまでも可能性。

 意味が分からないの。


「要領を得ないの。ハッキリ言ってっ」


「うむ……陛下より、早急に見合いをしろとの、命令なのだ。貴族の御令嬢が、もう間も無く、到着するらしいっ……」


「「……えっ?」」


 ミウと反応が被っちゃった。それはどうでも良いとして、何? お見合い? 誰が?


「へっ、ヘラクレス様っ。陛下のちょっとした冗談ですよねっ? ですよねっ?」


「……冗談では、無い様なのだっ」


 それを聞いたミウの目が、獲物を狩る犬人のソレに変わり、尻尾が逆立った。

 ガチギレミウなの。


「ちょっと陛下を、捻り潰して来ますっ」


「待つのだミウっ! 今の御主であれば、城の兵達を突破出来ようがっ、流石に影殿達には、手も足も出まいっ」


「あの方々ならば、陛下を捻り潰す程度なら、許してくれるかとっ」


 今のミウを止めれるのは、仲の良いメオか、ドゥシャぐいだろうから、ヘラクレス頑張っ。


「ヘラクレスがお見合いとか……パパが居たら、絶対面白がるのになぁ」



 次回は四月十日、朝七時半更新予定っ!

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