表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
六章 異世界とは古き民が居る世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

581/598

13話 天然混じりの恐怖のドジっ子.4



 斧を手放した女が、その場で頭を抱えてる内に、下に降りて円堂を問い詰める。


「おい円堂、あの女……何?」


「何ってこの国の女帝よっ! 早く縄を解いてくれないとっ、巻き添えを食うじゃ無いっ!」


「はあっ? あんなのが女帝な訳無いだろ」


「ほんわかした茶髪の子なんでしょっ! この国の女帝っ、エルララルラ・ポーノグリトス・ノブストン以外に居ないわよっ!」


 一人で来る時点で、女帝じゃ無いだろう。

 だって国のトップだぜ? そんな奴が護衛も無しに、敵陣真っ只中に来る訳無いじゃん。


「それが本当なら……ノブストンの女帝は馬鹿なのか? 何で、護衛も無しに来るんだ?」


「護衛なんて付けたらっ、死んじゃうじゃないのっ! 早く縄を解きなさいよっ!」


「護衛を付けたら……死ぬ? ぺぺルーノ、俺に分る様に説明しろ」


 円堂は若干テンパってるから、話にならんし煩過ぎる。と言う事で、もう一人の捕虜であるぺぺルーノに、話を聞こう。


「だだだめですわっ! 早く逃げませんとっ、巻き込まれて死にますわっ!!」


「お前もかよ。何、あの女相当ヤバいのか?」


「ヤバいですわっ! アレに比べたら……っ、翼竜と一対一で戦う方が、マシですのよっ!」


 翼竜とのタイマンが、マシ? 


「翼竜って、ワイバーンだよな? そんなんとタイマンした方が……マシかぁ」


「兎に角っ! 少しでも離れたいからっ、縄解いて解放しなさいよっ!」


「……門開けてみるか」


「何でよっ!?」


「私達を見殺しにする気っ!?」


 だってなぁ、ボス自ら来てんのに、挨拶しない訳には、いかないだろ?


『うるちゃんの声が聞こえたっ。うるちゃーんっ、そこに居るんですかーっ』


「ほらっ、呼んでるぞ、うるちゃん」


「っ、絶対に開かないでっ。近付かれたらっ、貴方だって危ないんだからっ」


「へぇーっ……そんじゃあ上から、声をかけてみましょうかね。開けるのはそれ次第だな」


「開けないでっ!」


 そんな言葉を無視しつつ、梯子を登って簡易小屋へと戻り、小窓から下を確認。


『うるちゃんの声が、聞こえたと思ったのに。誰かーっ、開けて下さーいっ』


 門を開けたら、お目当てのうるちゃんとやらが、震えて座っていますよ。


「さて黒姫……アレ、女帝だってさ」


「話し声を聞いておったが、あの女子が女帝なのかや? 馬鹿力を有した、奇妙な小娘にしか見えぬがのぅ」


「それ同意な。あの馬鹿力で殴られて、俺が耐えれると思うか?」


「下の二人が殴られれば、破裂する威力ぢゃろうが、御主ならば"耐えられよう"て」


「破裂って……怖いんですけど」


 円堂やペペルーノが、怖がる筈だわ。


『門を壊しちゃいますよーっ』


 斧の時と同じ事言ってんじゃん。

 あの馬鹿力で殴られたら、門どころか、円堂とペペルーノも一緒に、粉々になるぞ。


「面倒だなぁ。ちょい行って来るから、何かあれば、対処宜しくな」


「任せておるのぢゃぁ」


「ほっと、よっこいせっ……ふぅ」


 小窓から外に出て、門の上に着地成功。

 丸太をまんま使ってるから、そこそこの足場になってて、助かるわ。


「ほらーっ、叩いちゃいますよーっ」


「おーい、お嬢ちゃんやーい」


「? 今、誰かの声が……?」


 うん、何で上を見ないんだい? 前後左右確認したら、上下も見るものだろう。


「下だぞーい」


「下? 小人さんですかーっ?」


「後ろだぞーい」


「後ろ? 誰も居ない? 透明人間さんですかーっ? 何の御用ですかーっ」


「上だぞーい」


「上? お空から?」


 うんうん、首都側を向いたまま上を見ても、綺麗な青空が、見えるだけだぞ。

 

「ボソッ(皿くれ女より……地雷な気がするわぁ)」


「誰も居ない……幻聴でしょうか?」


「そのまま回れーっ、右っ!!」


「えっ? まわっ、まわあああっ!?」


 上を向いたまま、何故か左向きにぐるっと回って、地面に倒れる不思議っ子。

 丁度良いから、このまま聞こうか。


「痛いですぅ……シクシクっ」


「お嬢ちゃんのお名前は?」


「誰ですかーっ。私の名前は、エルララルラ・ポーノグリトス・ノブストンですよーっ」


「年齢は?」


「十歳ですーっ」


「趣味は何ですか?」


「人形作りとーっ、お散歩ですーっ」


「友達は何人居ますか?」


「友っ……うぅっ、居ないですよーっ」


 何この女帝……聞いたら全部答えるとか、思った通りの、皿くれ以上にヤバい奴。しかも、何で十歳で女帝してんの?


「うるちゃんを返してぇーっ」


「うるちゃんは、貴女の友達ですか?」


「うるちゃんは、私の友達ですよーっ」


「お前今さっき、友達居ないって言ったやん」


 いかんいかん。あの不思議っ子に耐え切れず、普通にツッコミを入れてしまった。


「さっきから、誰ですかーっ」


「いや気付けよっ。上に居るだろうに」


「上? 誰ですかーっ!?」


 何その驚き様……お前絶対人見知りだろ。と、心の中で思うだけにしよう。

 相手は十歳の小娘だし、例えミルンより背が高く、例え見事なルックスでも、ドゥシャさんに比べたら、まだまだ未熟。


「甘いわっ! 十年後にまた来るが良いっ!!」


「急に何ですかーっ!?」


「えっ!?」


「えっ!?」


「「……えっ!?」」


 良しっ、俺の誘導術は、衰えていないな。


「変態……貴方もしかしてっ、うるちゃんが言っていた、変態さんですかーっ!?」

 

「誰が変態だゴラァッ!?」


「ひぃっ、変態退散っ!」


 女はそう言うと、橋の床をバギィッと握り締め、俺目掛けての────大暴投。

 うん……俺一切動いて居ないのに、バビュンと言う音だけが、横を通り過ぎて行くの。


「可笑しいなぁ……数メートルを、ここまで外すコントロールって、早々無いぞ?」


「当たれえええーっ! えいっ! えーいっ!」


「えっとぉ……頑張れーっ!」


「頑張りますーっ!」


 何を頑張るんだ? そして俺は、何を応援したのだろうか……分からん。それにこのまま、橋の一部を捥ぎ捥ぎされると、いつか壊れそうで、不味い気がする。


「ほいストップっ!!」


「っ……何で当たらないんですかーっ」


「お前下、下見てみ。橋の"石を抉り取る"とか、足下危ないだろうに」


「……やっちゃったあああっ。あっ────」


「ほら、また転けちゃうぞ────ぶっ!?」


 俺ならば、あの女の馬鹿力に耐えれると、黒姫は間違い無く言っていた。

 耐えられる。

 そう、効かないでは無く、耐えられると。


 転けた女の引っ掛けた石が、勢い良く飛び跳ね、そのまま俺の腹部へ、ジャストミート。


「ぉぉぉぉぉぉっ、糞痛ってえええっ!?」


「うぅ、痛いですよーっ」


「何だ今のっ……狙ってやったのかっ?」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ