2話 この子誰の子元気な子.4
恐かったのぢゃ恐かったのぢゃ何なのぢゃあの魔王は。
我が会った事のある魔王の誰よりも恐い魔王なのぢゃぶるぶる。
あと少しで柔らかいお肉が食べれたモノをぢゃましおって、力が戻ったら仕返ししてやるのぢゃぷんぷん!!
「がぽがぽぽ、ももぢゃ!!」
うむ、水の中ぢゃと喋りづらいのぅ。
それにしても、昨日食べたお肉は美味かったのぢゃ。誰かおったがこっそり獲物を獲ってやったのぢゃふははは。
「ぷぱぱぱ」
ゴキュルルルルルッ。
お腹が減ったのぅ…でも上がるとあの魔王がおるしどうしたものか。いや、恐れてはいけないのぢゃ。我は恐れるよりも恐れられる龍なのぢゃから…こっそり上がるのぢゃ。
次は怒られ無いように確認してから食べるのぢゃ。これなら魔王も手を出さまいて、名案なのぢゃ我賢い!!
そーと湖から顔を出してみて…居ないのぢゃ良し良しこっそりと、こっそりと、のぢゃ!? 誰なのぢゃムキムキなのぢゃ恐いのぢゃのぢゃぁああああああああ!!
何とか潜れたのぢゃ…白い歯が見える笑顔でムキムキ向かって来たのぢゃ恐いのぢゃ魔王より恐いのぢゃムキムキなのぢゃ。
うむ、もうちょっと潜っとくのぢゃ!!
※
「ふむ、アレが流君が言っていた子供かね!」
さすが筋肉村長。俺が威圧使って追い払った角っ子幼女を笑顔と筋肉だけで追い詰めたな。
「そうだ。移住希望者の中には居なかった角っ子だからなんとか保護してあげたいんだ」
そう、別に獲って喰おうって訳じゃ無い。
なんでケモ耳っ子を食べようとしたのか、何処から来たのか等聞きたい事があるだけだ。
何かのぢゃのぢゃと言葉が拙いから本当にまだ子供なのだろう。膝蹴りかました俺が言うのはなんだが。
「にしても、村長の言った通り湖から出て来たな。なんで出てくるって分かったんだ?」
俺が走って村長に報告したら、同じ場所で待ってたら出てくるであろう!! と言われたので伏せて待ってたらこっそりと辺りを伺う様に出て来たからびっくりしたぞ。
「なに、簡単な事だぞ流君。獣族は一度狩場と決めたらその場所で獲物が狩れるまで粘る習性があるからな、中々違う場所に行かんのだ!!」
なんだよケモ耳博士かよ筋肉なのに。
でも逃しちゃったけど、どうするんだ?
出て来る気配無いし。
「ならばここで肉を焼いて宴会をすれば良い! 騒げば気になり出て来るであろう!!」
天の岩戸か!? 引き篭もり神様出す為に宴かまして皆んなでワイワイなんて…良いなそれ。ケモ耳達も増えたし、食料も豊富にあるから歓迎会だな村長。
「うむ、それで良いと思うぞふははは!!」
なら準備だ宴会だミルンの笑顔を見れるぞ!