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拡張版・終わりなき川  作者: 田中(1.2.3.4.5.6.7.8.10.12.14.15.16.17.18.20)バカ(2.3.9)、師匠(7.9.11.13.20)
第4章
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真珠

教会の傍らにある暗い森の中に煉瓦造りの小屋がある。暖炉が炊かれた部屋にはテーブルを挟んでソファが向かい合っており、それらに座った魔女と従者が話し合っている――


「彼女はもう霊として生きるしかないわ」

「…なんでそんなことになったんですか?」

「自身を操る線をって自由になりたいからよ」

「わかってますよ。彼女は因果を断つ契約をあなたと交わした。妖女の仲間入りです」

「ならばそれでいいじゃない」

「よくない。よくないですよ」

「何が不満なのかしら?」

「彼女をあなたは救えたはずです」

「いいえ。そのはずはない」

「彼女があなた方の仲間入りをする必要はなかった」

「必要はあったわ。彼女から求めたのだもの」

「死人も同然に黄昏を彷徨うのが彼女の意志でだとも言うのですか?」

「逆に問うわ。彷徨うのをやめないのはなぜかしら?」

「諦めがつかないからでしょう?」

「違う。日の中で諦念を極め全てを諦めている。彼女にあるのは一つの意志よ。天からの呼声に答えているだけ」

「むなしいじゃないですか……」

「彼女は直に次第に幸せになれるわ」

「我が弟は一人の少女と結ばれていたんですよ? なのに彼女は死ぬはめになったのか」

「小鳥達は眠らないわ。夜の前に日は全てを圧し潰すけれどだから誰も眠れないのよ。なぜかしら?」

「知りませんよ、戯言は大概にしてください」

「そうね。じゃあね。川の話をしましょう。終わりなき川の話を」

「その話は聞きました!」

「……。怒鳴ることはないじゃない」

「あなたのような人間は嫌いです」

「あらあら。喧嘩腰だこと」

「でもあなたのことは尊敬しています」

「わかってるわ、それはね」

「わかってますよね? 私だって自身がおかしいって思ってますよ。私達を養ってもらっていましたが、文句はいいたい。見限られただけで文句を言ってはいけないのですか?」

「私はまだ見ているわ。見限っていない」

「見ているなら救ってください」

「見限ってるならばあの世に送ってる。あなたには、あの子の話をしたら殺すとはいったけれどね」

「なぜほっとくのですか?」

「あの娘は教室に何かを置き忘れたのよ。魂に変わる何かを。だから教室に取り付いているの」

「私の弟は今どこにいますか?」

「川に向かっているわ」

「私の弟に何をさせているのですか?」

「何もさせてないわ」

「見捨てる気ですか?!」

「私はあなたの弟さんに何もするのもさせてないわ。何もするなをさせているわ」

「あなたは彼に何をしたのですか?」

「仕事を与えただけよ。私はでも…周りを見ろといったわ」

「なぜそのようなことをしたのですか?」

「爆ぜたのは仕方がないわ。彼女は針をさしたように彼は全身で感じていたわ」

「何を言っているのです?」

「彼女は押し入れに閉じ込めた。彼は外を見なくなった。まるでもぐらの結婚式よ。少女の方としては葬式かしら?」

「ですから何が言いたいのですか?」

「天国に声は届かないわ。鉄が冷えきっている。芥子のにおいは眠りを呼び覚ます」

「もっと分かりやすく話してください」

「終わらなき川の話をしましょう。川は終わりなく流れていく」

「聞きました! たぶんあなたの言っていることはわかってますよ。混乱させないでください!」

「落ち着きたいなら私を信じて。私を信じて落ち着きなさい」

「落ち着けません!」

「何が不満かしら?」

「私が言いたい文句とは、あなたが勝手にことをすすめることです。何をしたいのですか?」

「天に至るのよ」


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