第一話
『さて、一話目が始まるわけだけど・・・なんでそう不機嫌そうなのかしら?』
「なんでって、どうしてボクらがここにいるわけ?」
『いえねぇ、面白そうなことしてるって聞いたもので作者に声をかけたら「前書きに出てくれるんだね!!ありがとう!!」って言ってどこかに行っちゃったのよ』
「前書きに書くことがなかったんなら書かなきゃいいのに」
『でも、作者は変なところで生真面目だから埋められるところがあれば埋めときたくなるのよ。自己紹介文も適当なことが書いてあったわ』
「・・・」
その日、俺こと、神崎悠は昔からの付き合いのある十狩月華の家へとむかった。
十狩 月華という名前の俺の友人を紹介しよう。若干、24歳にしてその業界では天才プログラマとして活躍している。現在存在している有名どころの機密情報は彼のプログラムに守られているといっても過言ではないといわれているくらいだ。彼は在宅での仕事で特定の会社に所属しているわけではないので企業にしてみれば彼に涙をのんでお金を払っていることになるのだろう。会社が涙を流す理由はお金よりも機密情報が赤の他人に守られていることだろうな…。
ちなみに男だ。昔(主に中学、高校時代)にはこの名前でいろいろとからかわれたらしい。…からかったやつがどうなったのかについては何も言わないでおこう。
結婚もしていない、恋人もいないという月華は昔から一人で住んでる家に今も一人で住んで仕事をしている。噂によるとすでに一生を遊んで暮らせるだけの収入があるらしいが本人は今も仕事をしている。
玄関の前に立ってインターホンを押す。待つこと数十秒、扉が開かれる。いまどきカメラ付きのインターホンじゃないというのはかなり無用心だと思うが、彼は一向に気にしていない。大学に入ったころからしているイヤーカフスについた石が揺れる。そして彼は俺を見て開口一番にこういった。
「おい、その隣にいる子供は何だ」
そう、ネクタイを締めてスーツを着た出勤前のサラリーマンの姿をした俺の横には高校の制服のような物を着た少女が不安げに立っていた。はじめに言っておこう、俺は別に犯罪を働いたわけではないもう一度言っておこう、俺は別に犯罪を働いたわけではない。
「お前、そんな子供にまで手を出したのか?」
「そんなことを言わないでくれ。俺にはもうお前しか頼れないんだ。だいたい、俺が、一度も犯罪を起こしたこと、がないのはお前だって、知ってるだろう?」
「それと、これは、別だっ。俺に、厄介ごとを持ち込むな、といったはずだよなぁ、悠。」
何度でも言っておこう、俺は別に犯罪を働いたわけではない。月華が、何度もやったみたいに言うがこれまでにそんな事は一度もない。戸を即行で閉めようとされたのを阻止しながら俺は体を玄関の中にねじりこませる。少女も中に入れて会社に行ってから説明する、とだけ伝えて、今度は俺を出さないようにと閉められた扉を無理やり開けて外に出た。
「ちなみにそいつの名前はユウだ、安心しろ、俺は逃げん!!」
月華が何かを言っているがそんなことを気にしている暇はない。なぜなら電車に乗れなくなってしまうからだ。ここからだと駅まではだいたい15分ほどかかる。今から行けばぎりぎりかもしれないが、どうにか間に合うだろう。
逃げんとは言ったが厄介な人間を、厄介なことを拾ってしまったら月華に押し付ける。それが、俺が学んだことだ。あいつに任せればたいていのことは片付けてくれる。うん、これで万事解決。
◆◇◆◇◆◇◆
「えーと、ユウ?」
1人残された月華はとりあえず少女とコミュニケーションをとろうと試みるが少女は首をかしげ、その場から動こうとしない。染めているのかわからないがきれいな茶髪を二つに縛り、軽くウェーブのかかった髪の毛をしている。
月華が歩くとついてくる。月華が止まると止まる。
しばらく声をかけてみたりしたのだが、こちらから声をかけると反応はあるのだが向こうから声をかけてくることはない。とりあえずトイレの場所だけを教えておいて、リビングまでついてこさせ、テレビをつけてその前に座らせる。月華はお茶の入ったボトルとコップをを少女の横において仕事部屋へと向かい、仕事を始めた。キーボードをたたく音がしばらく続く。
「とりあえず戻ってきたら一度絞める。」
ああ、でも逃げるだろうから何がしか手を打っておいた方がよさそうだなぁ。悠の動きはすでに読んでいた月華。怒りのこもった呟きを発して家を出る準備をする。その思いが届いたのか同時刻電車に乗り込んだ悠は寒気を感じたとか。
月華は、ユウをつれて家を出た。
「ボクら、後書きにもいるけど、いいの?」
『逃げた作者には聞けないし、いいんじゃないかしら?』
「メモはあるんだよね、「君たちが名乗らない限り何を話してもいい」って」
『まずは作者に代わって謝罪かしら』
「そうだね。週一更新とか言ってたのに今週二度目の更新になりました。作者曰く週二更新にするそうです。
これからは土日に一回と、水木に一回にするそうです
最低でもそのどちらか一回は更新するらしいですので、来週を待っていた人には謝罪を、ということで」
『何でも、理由は一週間が思いのほか長かった、だそうよ。
あと作者がパソコン使うのは夜中なので木曜更新のつもりでいたら日付が変わってたなんてこともあるみたいだから気をつけて』
「わけわかんないね・・・」
『じゃあ、今回はここまでね。
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