81伯爵家、手伝い初日は
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道中、大きな問題もなく無事にカトリーヌの家にたどり着く。
トリスには伝えていたが、少々大勢で押しかけてしまう形なったがカトリーヌは快く歓迎をしてくれる。
しかし、ダニエルがいることに驚きが隠せなかったようで目を見開いている。
「ダニーが領地経営の手伝いしてくれることになったんだ」
「ダニエル様が……よろしくお願いします」
驚きはしたものの、ディオやトリスが任せられると判断しているのだからカトリーヌは信じられないわけがないと疑いもせずにダニエルに頭を下げた。
ディオは問題はないようだと判断して、トリスたちこの家の監視をしていた人たちに労いの言葉をかける。
「トリス、ありがとね。監視者のみんなも、処遇は決まったからもう暫くお願いするね」
「ディオ様のお役に立てたのなら光栄です」
「身に余るお言葉感謝いたします」
それぞれがディオに返事を返しディオはそれを笑顔で受け止めると後で話はゆっくりと聞くと言って、カトリーヌの方を優先させた。
この家のことは信頼出来る人たちが監視、管理をしていたのだから不安になるようなことはないのだから、急いで話を聞く必要もない。そう判断してのことだ。
「カトリー、もうすぐお母さん帰ってこれるよ。グレイ伯爵とは入れ違いになっちゃうけどさ」
「お母さまが――」
「うん。体調の方も落ち着いてるからね」
ディオは明るい口調でカトリーに伝える。
リサが帰ってくることに嬉しそうな表情を見せてカトリーは喜んでいたが、グレイ伯爵についてはあまり興味がなさそうだった。
それがこの家の家族の距離感なのだろう。
「もし必要ならお医者さんもおくから」
「すぐに手配は出来るからね」
「ありがとうございます」
ディオたちはひと休憩をすると、それぞれの役割を果たすために分かれる。
トリスは全体の統括から全体のサポート役になり、家の中をあちこち走り回っている。
カトリーヌの世話についてはフランが大部分をすることになった。整理整頓といった片付けを除けばフランの方が侍女スキルは高いためだ。
シドは全体の指示役であり、ダニエルの指導をするためにほとんどダニエルのそばにいる。
そのため、ディオについてはアルドに任せることにした。
そのアルドは嫌そうな顔をしたものの、やることがないため自分に与えられた役目を頑張ることにしたが、あまりしっかり出来るとは思っていない。ディオのことを引き止めれるとも思っていないからで、シドもそれは分かっている。
そして、この場の最高責任者となるディオはアルド同様やることがないらしいが、退屈しのぎとか言ってアルドを連れて使用人たちに声をかけて雑談をして回っている。
何人かと会話をすると休憩といってメモを取るために部屋に戻って寝るの繰り返しで、退屈しのぎとは言うものの何か考えがあるようだ。
夜になると習慣なのかシドたちは全員ディオのために用意された部屋に集まり、その日にあったことをディオに報告したり今後の予定を考える。
初日はシドがダニエルと確認したグリヴェールの領地経営か1番の課題で、赤字を出すのが難しい領地があと数年で完全に傾くということでダニエルはフラヴィオのことを才能がないと評価した。
早急な対応が求められるの打開策としてダニエルはシドに相談して1つの提案をする。
「なので、パーチメント家の商会を誘致しようかと思います。問題のないここの使用人はそこで働いて貰えますし、安定した金額は確保できるはずですから」
ダニエルがフランにお伺いをたてると、フランは事後報告で問題ないという。
「マイナスになったら公爵家に請求書が送られるだけだから」
「……請求、ですか」
フランはさらっととんでもないことを言っているのだが、パーチメントなので誰も突っ込むことはしない。
ようは赤字にならなければいいのだ。
それから、リサの帰還前に清掃業者を入れて掃除した方がいいとフランがいいディオはシドを清掃業者を手配するように指示を出す。
「あとは何かある?」
「ディオ様、カトリーさんを連れて買い物に出てもよろしいでしょうか」
偽カトリーヌことベアトリーチェの娘シーダに、ほとんどのものを取られているカトリーヌに必要なものを買いに行きたいのだと言う。
大切なもの以外は気持ち的にもシーダに取られた服を着るのは嫌だろう。
ディオは了承。それにリサとのせっかく再会だからと笑った。
「おめかししてお出迎もいいかもね。費用は両方ともこっちの負担にしちゃって構わないからね」
「わかりました」
「あ、でも行くならフランも一緒にね」
トリスだけでは少々センスに不安が残る。なのでディオはファッションにそこそこ詳しいフランも連れて行くようにと伝える。
「他には……なさそうだね」
シドたちを見回したディオは、これ以上の意見はなさそうだと集まりを解散すると眠りについた。
「シド、ディオのこと任されても不安なんだけど」
「ディオも子供じゃないから問題ないはずだ」
「せめて、目を見て言ってくれる?」
そんな会話があったとかなかったとか。




