幕間:4
「ン・ン・ン……ここがバレたよう……ですねぇ? あの街のほうで、ここへ侵攻する動きがあるようですヨ……? どうやら明日にも来るようです」
薄暗い洋館の一室で、仮面の道化師――クロウ・ロ・フォビアが呟いた。
「†余りにも濃密な痕跡†」
「まあ、わかりやすいわよね。これだけあからさまだと」
この館や、牢獄に残した黒の魔力の痕跡。いずれもわかりやすく、自分たち『カルテット』へ結びつけるには十分な証拠だ。元々、隠す気などさらさらないのである。
「それで、侵攻の目的はやっぱり私たちかしら? この前の攻撃の報復?」
「それもあるかもしれないが……一番はアレだろ、剣聖サン」
ダーツのクリケット・ゲームを楽しみつつ疑問を呈すイーグル・アイに、共にダーツをプレイしている首元と袖口に羽があしらわれた上着を着た男が答えた。
グース・ペンネ。『カルテット』の最後の一人。
……そして以前、ラディスと接触していた人物である。
「ああ、そうだったわね。それがあったわ……ミュオソティス君も来るのかしら?」
「ン・ン・ン……当然、でしょうねぇ」
「†余興の一欠片†」
「ふふふ、そうね。沢山の人が居た方が余興は面白くなるものね……はいグース、貴方の番」
「……これ俺に勝ち目ないだろ」
「そんなこと無いわ。ブルが開けば可能性はあるわよ」
「はぁ……んでクソピエロ、何か対策は?」
グースがスローラインに立ちながらクロウに呼びかける。
「そうですねぇ、来るとわかっている以上、こちらもなにもしないわけにも……いかないですねぇ? とりあえず、周辺に罠を張っておきましょうか」
「†道化の花は心を惑わす†」
「ええ、勿論ボクが担当しましょう」
「館内のどこに誰を配置するかも軽く考えないとな……ああ、くそっ!」
「あら残念」
「くそ、やめだやめだ、勝てやしねぇ。おいクソピエロ、俺は西階段のあたりを担当しとく。あの辺の構造は俺に合ってるからな」
「I see……よろしく頼みますよ」
グースはボードに刺さったダーツをそのままにして、部屋を去っていく。
「あら……ねえルフ、どう? ダーツ、一緒にやらない?」
「†拒否†」
「もう、冷たいわね……」
ルフとイーグル・アイも続いて部屋を出ていった。
「フフフ……明日が楽しみ……ですねぇ? フフフフフ……」
――ただ一人、部屋に残ったクロウの手には、一本の刀が握られていた。





