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最終話 乗り込みに行こう

「Pから手紙が届いてるわ」

畑仕事がひと段落し、縁側で休憩していると、可愛らしい花柄がプリントされた封筒がケイコから渡された。

開けると中には手紙が入っていたため読み上げた。



=================

お元気ですか?あれから2ヶ月ほどが経過しましたね。

私も母もあれから元気に生活をしています。

無事、引っ越しも終わりました。のどかですが車が不要な程の町で暮らしています。母との旅行も北海道と沖縄に1ヶ月ほど行きました。本当はもっと旅行にいく予定でしたが、体力も落ちて疲れちゃったようでした。


今回のトラブルを機に仲の悪かったお母さんとも旅行に行けたのは2人のおかげだと思っています。今でもたまにケンカはしますが元気がないよりはマシかなと思ってますので、これはこれでいいかもなと思ってます。旅行も落ち着いたので就職活動もしようと思っています。

慣れない土地での就職活動は心配ですが、3ヶ月近くの修行と経験で何とかなると思える強さを身につけられたと思ってますのでがんばります。

ケイコさんのような強い女の子になれるようこれからも頑張ります


PS.

引き続きお仕事の報酬、分割払い分の2万円をお支払いし続けていきます。よろしくお願いします。

=================



「ケイコはこれ・・・読まんのか?」


「いいわ・・・どうせお礼が書かれてるだけでしょ?」

そう言うとキッチンの奥へ行ってしまった。


「読んだら泣きそうになるからじゃろ?」

ボソッと独り言を言うと「何か言ったかしら?」とその独り言に反応して物の奥から牽制するかのような視線でこっちを見ながら、緑茶の入った湯呑みを運んできた。


目の前で、たまたま畑の脇にある公園とも言えないような広場で子供達がサッカーをしており、その様子を遠くから見守っている母親がいた。


「それにしても桃子がいなくて寂しいのぉ〜」


「あなたも弱くなったわね」


「お主のほうが楽しんでたような気がするがの」


「・・・まぁ、悪くはなかったわ」


「相変わらず素直じゃないのぉ」


「で・・・これからはどうするの?お仕事・・・」

今回の桃子のレスキューを終えた後、今後の進路をどうするかをずっと考えていたため、その回答をケイコから求められた。


「殺し屋は引退はするが・・・裏業界は引退しない」


「・・・と言うと?」


「これから請け負う仕事は殺しメインじゃないもの・・・護衛や探し物のみを請け負うことにするわい」


「・・・そう」

なんとなくそう答えるのがわかっていたかのような反応だった。コウジの回答に意外性を感じている様子もなかった。


「でも、今回で実力が衰えているのがわかってるでしょ?殺しがない依頼とはいえ、裏の仕事であることは変わらないわ。遅かれ早かれ、依頼中に死ぬかもしれないけどいいの?」


「ええも何もワシはこの仕事しか知らん・・・それにワシはある程度危ない仕事じゃないと刺激がなくてつまらん。実際、命の危険を感じた時も楽しくてしゃーなかったわ・・・今回のことで自分のことがよくわかったわい」

自分自身の趣味嗜好に対して呆れながらそう言った。


「ケイコ・・・ついてきてくれるかのぉ?」


「何を今更・・・あなたがそうしたいならそうすればいい。私はどうしたいとかないから」

その言葉を聞いて、「本当かのぉ?」と茶化すようにそう言うも無視された。


「あの子から振り込まれているお金・・・別口座に入れて貯めておくわよ?」


「ああ。タイミングの良い時にあの子に全額返しておいとくれ」


「それにしても何年間払うつもりなのかしらね・・・」


「その辺りも桃子に任せるわい・・・もはやどうでもええからのぉ」

そう関心のなさそうに答えた。


「・・・あの子、多分気づいてたわよ?」


「気づいてた?」


「ええ・・・私達が実の両親であることよ。きっかけは分からないけど」


「・・・何か根拠でもあるんか?」


「・・・ないわ」

キッパリと言われたことで少々面を食らっていた。


「ないって・・・お主らしくないのぉ。根拠もなくそう言うなんて」


「強いて言うなら・・・母親としての勘よ」

ケイコの口から母親としての自覚のある発言が出たことに驚いていた。


「ワシは父親としての自覚は全くないがのぉ・・・」


「それでいいと思うわ・・・あ、そうそう・・・」

会話の流れで思い出したかのように、奥から資料を取り出してきた。


「そういえば、Pが所属していたと言われている青花商事から謝罪が来てたわ」


「何・・・?どう言うことじゃ?」


「今回の殺しの依頼自体はどうやら本当にあったみたいね。ただ交渉役として入っていたRの会社がうまく機能しなくてトラブルが発生していたことにようやく気づいたみたいよ。大事になる前に揉み消したいんでしょ?」


「はぁー・・・」

ケイコの説明を聞いて思わずため息が出た。我が子を巻き添えにしたと思った会社から、保身のために形だけの謝罪しか寄越さない態度に呆れていた。


「このまま終わらせてもあれじゃし、やることもないし・・・暇つぶしがてらにその会社に乗り込むかのぉ」

多少イライラさせられながらも、家から離れるいい機会だと思い腰を上げた。


「相手にしてもしょうがないし無視しましょう・・・と言いたいところだけど、今回の件は私もイラっとしたから一緒に行くわ」

飲み終えた湯呑みをお盆に乗せ、キッチンに運んで行った。


「おお、桃子絡みでワシと意見が合うなんて珍しいのぉ」


「・・・じゃあさっさと乗り込みましょう。武器は持っていくの?」


「いやいや・・・あくまで話し合いの場じゃから」

無表情であるものの、明らかに殺気立っていた。


「・・・あの子の無念を晴らしてやるわ」


「やっぱりいなくなって寂しいんじゃろ?」


「・・・民間人のお母様を巻き込んだ罰を与えに行くだけよ」


「・・・ほんっとーに素直じゃないの〜」




続く

原作者の五日之 流ノ介

(イツカノ リュウノスケ)です。


最終話まで読んでいただきありがとうございます。

普段はゲーム脚本のお仕事をしていますが、小説を書いたのは今回が初めてでしたが、何とか最後まで書き切ることができました。


今回の「Old Hitman」こと、「コウジ」と「ケイコ」、そしてその子供の桃子との物語は一旦終わりになりますが、実は続編として書きたい物語がまだ沢山あります。

もしも、続編希望の声を少数でもいただけることになりましたら、その続きも書こうかと考えています。


ちなみに、続編を書くとなりますと、

親子3人で宝探しの依頼を受ける話や、

「コウジ」が過去に指導した弟子と3人で戦う話、

裏業界の人間達が集まる格闘大会、

「コウジ」と「ケイコ」が命を狙われるきっかけとなった反ゲリラ組織との全面対決などが、今のところ書きたい物語です。



また、「Old Hitman」以外にも書きたい小説が沢山あります。

以下は書きたい小説の案です。


【小説タイトル(仮)】

・しゃかしゃかぶんぶん‼︎(爽やか少年野球もの✖️頭脳バトル✖️どんでん返し有り)

・僕のお父さんなんか変⁈(ミステリアス✖️コメディ✖️ホームドラマ)

・Room Game(ミステリアス✖️頭脳物)

・Holy Knight/ホーリーナイト(ファンタジー✖️バトル✖️熱血✖️伏線/どんでん返し多数有り)...etc


これからも小説活動を継続していければと思っております。

そのためにも読者の方からの感想、コメントはとても励みにさせていただいておりますので、お時間のある時で構いませんのでどうか送っていただけると幸いです。


では、次の作品でまたお会い出来るのを楽しみにしております。

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