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極道の義兄ができました  作者: リラックス夢土


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第28話 敵を誘き出す方法はデート?



「今回、凛子が俺を事務所に訪ねてきたことは予定に入っていなかったことだ。つまり急遽、吾郎丸が凛子の予定を変えた」



 正確には私のお願いで吾郎丸さんは予定を変更したんだけど確かに事前に予定された行動ではない。



「なのに、凛子は襲撃された。可能性があるのは吾郎丸が予定変更を襲撃犯に教えたかもしくは襲撃犯が最初から凛子たちを尾行していたかだ」



 襲撃犯が私を最初から尾行していたなら吾郎丸さんがスパイという疑いは晴れる。

 吾郎丸さんはスパイタイプに思えないから私としては襲撃犯に尾行されていた方に一票入れたい。



「そうね。そのどちらかでしょうけど。吾郎丸がスパイじゃなかったら敵は事前にリンリンの行動を見張ってたことになるわ。そうするとリンリンのバイト先や行動の情報が別のスパイから敵に流れたことになるわね」



 おっと、さらに別のスパイがいる可能性ありか。

 その可能性の方が高い気がするけどそれが誰かと言われると分からないわね。



 私のバイト先の情報は三人の義兄たちは知っている。

 知らなければ義兄たちがバイト先に勢揃いするわけないんだから。


 でも義兄たちが私を襲う理由はない。

 ではそれ以外の私の情報を手に入れられる誰かがスパイということになるのかもしれないが天飛さんたちがどの範囲まで私の情報を組のヤクザさんたちに共有していたのかは私では分からない。



 天昇火風光会の組織の人間なんて誰が誰だか知らないもんね。

 暁刀さんみたいな傘下にいる組を合わせたら構成員なんてどれくらいいるか見当つかないし。



 天昇火風光会は関東最大の極道組織だと聞いた。構成員もかなり多いはず。

 その中の一人が裏切ったとしても分かるはずがない。



「今の段階では吾郎丸以外の奴がスパイだったとしたら絞り切れない。だがスパイがいる限り凛子に危険が及ぶ可能性は大きい」


「でも、タカ兄。タカ兄が狙われた可能性はないの?」



 そうよ、暁刀さんの言う通りだわ。

 天昇火風光会の若頭の天飛さんと間違えて私が襲われた可能性だってあるじゃない。



 ヤクザの若頭なんてやっていれば命を狙われることもあるはずだ。

 にわか仕立てで会長の義娘になった私を狙うより天飛さんが狙われる方が自然だろう。



「その可能性もあるが……俺は凛子たちが使っているような車で事務所には行かない。普通に考えて俺があの車から降りて来るとは考えないだろう」



 ふむ。私が使用した普通の車は天飛さんが利用することはないということか。

 それなら狙われたのはやっぱり私なのかな……?



「う~ん、なんかじれったいわね。こうなったらこちらから敵を炙り出すのはどう?」


「炙り出すってどうするんだ? 暁刀」


「どちらにせよ、狙われた可能性があるのは、タカ兄かリンリンでしょ? それなら二人で行動してれば必ず敵はまた襲って来るわ。そこを捕まえるのよ!」



 え? 天飛さんと一緒にいて敵を誘き出すってこと?



「確かにその方が手っ取り早いな。その場で取り押さえられれば犯人が雨海藤組の人間だったら絶対的な証拠になる。証拠があれば雨海藤組を叩く大義名分になるしな」



 ええ!? もう一度襲わせてそれを証拠に雨海藤組を潰すつもりなの?

 ヤクザさんの抗争なんてやって欲しくないんですけど!



 そこまで思って私はふと吾郎丸さんの笑顔を思い出す。



 犯人が捕まらないと吾郎丸さんのスパイ疑惑は晴れないよね。

 吾郎丸さんがスパイじゃないことは信じてるけど。


 それに雨海藤組をどうにかしないと私と一緒にいる吾郎丸さんがまた私を庇ってケガをするかもしれない。

 ペットの犬がケガをするのを見るのはもう嫌だ。


 雨海藤組がもし犯人でも抗争までせずに済む方法もあるはず。

 まずは襲撃犯とスパイが誰かを突き止めるのが先決。それが分かった時点で抗争にならない方法で穏便に天飛さんに解決してもらえるように頼んでみよう。



「だが凛子を俺のシノギで連れ回すのは賛成できないな」


「あら、ようはタカ兄とリンリンが二人になる状況を作ればいいんだから、二人でデートすればいいじゃない」



 は? デート? 天飛さんと私が……?

 えええええええぇぇーーッ!! なんてこと言うんですか! 暁刀さん!!



「凛子とデートだと?」


「タカ兄だってリンリンのこと気に入ってるんでしょ? デートしたくないの?」


「……俺たちは義兄妹だ」


「義理だから結婚しても問題ないんじゃない。リンリンのこと本当に義妹としか思ってないの?」


「…………」



 暁刀さんの問いかけに答える天飛さんの声は聞こえない。

 とりあえずこの場はこれ以上、二人の会話は聞かない方がいい気がする。

 

 天飛さんが私に抱く想いを聞きたいような聞きたくないような。

 そんな気持ちになった私はそっとその場を離れて自分の部屋へと戻る。



 どうしよう。犯人捕まえるためには天飛さんとデートするしかないのかな。

 でも天飛さんにその気もないのにデートさせるのも悪い気がするし。敵を誘き出す手段だとしても。


 まあ、暁刀さんが言い出したことだけど。

 天飛さんは私のこと義妹としか思ってないのかな。それとも少しは異性として見てる……?


 私は天飛さんのこと義兄としか思っていないの……?

 天飛さんの笑顔見るとドキドキするのに……?


 う~ん、自分の気持ちが分からないよ~



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