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花ノ鳥 儚キ鳥 背負ウ鳥  作者: 秋の鶯
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第四章 キセキ視点 見通す

ウメの正体に『最初から』気付いていたのは、きっと私だけだと思う。きっと、他の巫女も宮司も知らないだろう。ウメはかなり正確に化けているから、霊感を持つ人で合っても、気付かないと思う。

私には見えてしまった。ウメの体から発せられる、微弱な霊気を。しかもその霊気は『邪気じゃき』ではなく、『正気せいき』である事も分かった。

もしウメから邪気が漂っていたら、速攻で追い出すか、抵抗するなら退治もしていた。

この村にちょっかいを出す妖怪や悪霊は珍しくない。この村には、妖怪や悪霊を、体質で呼び寄せてしまう人だって住んでいる。

でももちろん、この村に迷い込んで来る人も少なくない。だから、常に迷い込んで来る存在を見極めている。

ウメの場合は、化けるのが上手かった事もあって、私にしか分からなかったみたい。実際、巫女や宮司にも分からないほど、邪気を抑え込んで人間に化ける妖怪だっている。

でもそんな輩は、村を取り囲む『結界』によって、すぐに探知される。『結界』が反応した様子を感じ取れば、村に侵入しようとする輩がどれほど強いのかも分かる。

ウメの場合も、一応反応はした。でも結界の存在に気付いて、その場から立ち去る場合もある。それに、反応した様子が微弱だった事から、ただ単に迷い込んだだけだろうと、私は思っていた。

まさか倒れているだなんて分からなかったから、今回はサカネイさんに感謝しなければいけない。

ウメも、結界の存在には気付いていたらしい。でも体力の限界で、その場に倒れ込むしかできなかった。


「ウメさんが一体どうゆう存在なのかも、出会った時分かったの

 貴女から漂っていた、花の甘い香り。私にしか感じ取れなかった、蜜の香りが


 貴女は、花を操る精霊さんね」



「・・・大正解です

 さすが、この国のお偉いさん方が一目置くのも、納得できます」


「勝手に置かれているだけですよ。むしろ私に関わると、見ず知らずの人も巻き込んでしまうから、複雑

 なんですけどね」


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