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ANOTHER REALITY  作者: マンドラゴラ
休章 もう一つの軌道
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番外編20 乱入者

 あの事件から四ヶ月後、何処か深い森の奥でロゼは一人で生きていた。自分を殺してくれる者を見つける為、日々森の中を彷徨い続けた。帰り道の途中、ロゼは未だ見た事の無い魔物と遭遇する。自分を殺してくれる者だと期待して、ロゼは戦いに臨むが、すぐに見つけた弱点に嘆く。が、油断してる所に魔物から予想外の攻撃にロゼは窮地に追い込まれる。この後起こる自分の未来を想像して、おもむろに眼を瞑るロゼだが……。

「そおおおおおいッ!!」


 気合いのこもった声と共に、横から何かが通り過ぎた。


「ギュルルルルルルル!!」


 ダンゴムシの魔物は痛がるように顔を横に振りながら、後ろに下がった。

 それを確認してから、私は乱入者を確かめる為、右に視線をずらした。

 私より少し高そうな背、灰をそのまま髪にしたような色。顔は見れなかったけど、見た感じ私と同い年か年上の少年に思えた。


「き、君は……?」


 私は恐る恐るその乱入者に声をかけた。ダンゴムシの魔物を攻撃したからといって、私の味方かどうか分からない。少年の返答で判断しよう。


「悪いが、この剣借りるぜ」


 振り向かずに少年はそう返答した。

 ……味方か敵か判断しにくい答えだった。


(ま、まあ……“エンジェルレイジ”を借りるって言ったし……敵ではないかな……?)


 とりあえずそう判断した私に構わず少年は、


「この間に……」


 あろう事か、敵がいる前で無防備にケータイをいじくっていた。


(い、一体何してるのこの人!?)


 私はその行動に度肝を抜かれた。

 敵が状態異常やアイテムなどで身動きが出来ないだとか、近くにいないだとかなら分かるけど、まだ倒れてもいない敵の眼の前にいるにも拘わらずケータイを操作するなんて、一体少年の心はどう言う構造をしているのだろうか?


「あった」


 私の心境を知らずに、少年は何かを見つけたように言い、


「ふむ……これにするか」


 やっとケータイを閉じ、魔物を見た。

 もう、ダンゴムシは少年へ迫っていた。


「ギュルルルルルルルルルル!!」


 怒っているのか、そのスピードは今までよりも速かった。


(よ、避けてっ!)


 そう思ったが、少年は“エンジェルレイジ”を地面と平行になるように構えたまま、その場を動かなかった。


(攻撃をするつもりなんだろうか?)


 あの突進を真っ向から受け止める事を、少年は出来るのだろうか。

 私が思案している間に、ダンゴムシの魔物はどんどん近づいている。20m、10m、5m……。


(あぶないっ!!)


「<ソードソニック>」


 私が眼を塞ぎかきたその瞬間、少年とダンゴムシの魔物の間に、高速の突きが閃いた。


(あれは……<ソードソニック>?)


 一瞬のうちに剣突きを七連続繰り出すあの剣技は、正しく剣スキルの一つである<ソードソニック>だ。あれを修得するにはかなり剣スキルを上げなければならない筈だ。


(という事は……彼は相当な実力者?)


 各スキルを上げる為にはスキルポイントと言うものを必要とし、それは各スキル毎に方法は違ってくるが、剣スキルの場合、剣スキルで敵を攻撃したり、倒したり、何かを壊したりすれば上昇する仕組みになっていて、それなりのスキルを修得いていれば、自ずとLvも上がっていく。だから、<ソードソニック>を修得しているならかなりのLvになっている筈だ。


(だけど……)


 私はその予想に違和感を感じた。

 それを深く考える前に、私はダンゴムシの頭上にあるHPバーを確認した。紅いゲージはさっきの攻撃により半分以上なくなり、今のダンゴムシのHPは残り二割になっていた。


(私の<フレイムランサー>一回で倒せる)


 私は何時でも魔法スキルを詠唱出来るように心構えた。

 ダンゴムシのHPを二割まで減らした少年は、石像のように固まっていた。

 当然だ。剣スキルを発動したのだから、その後に硬直時間が訪れるのはこのゲーム世界のルールだ。

 少年は知ってか知らずか、硬直時間の事を考えずに強力なスキルを発動してしまった。

 だから、少年よりもダンゴムシの方が早く動き出した。

 ダンゴムシが食事を邪魔した少年に向かって歯を向ける。

 私にとっても、少年に邪魔されたようなものだ。


(だからと言って、このまま何もしない訳にはいかない)

 

 私はダンゴムシの顔に掌を向けて、


「<フレイムランサー>」


 少年の後ろから魔法スキルを詠唱した。

 その言葉に呼応するように、突き出した掌の前に赤い魔法陣が出現した。時計回りに回る魔法陣から炎の槍が放出される。

 狙い違わず、炎の槍は魔物の顔に突き刺さった。

 

「ギュルルルルルルルルルルルルルルルルルル!!」


 一際大きい断末魔を叫びながら、その巨体は倒れた。

 いい加減慣れつつある魔物の肉が焼ける臭いに若干顔をしかめながら、私は魔物の頭上にあるものを確認した。

 HPバーはゼロになっていた。

 

 <フレムリン>

 炎魔法スキルの一つ。対象の周りから炎を出現し、包み込んで身を焦がす。周りから炎が襲い掛かるので、無傷で避けるのが困難である。一割の確率で敵に『火傷(一定時間毎にダメージを受ける。時間が経つほど、受けるダメージは大きくなる)』の状態異常を与える。属性は炎。待機時間は1,7秒。


 <追伸>

 ここから本編の内容に再び入ります。視点はロゼのままです。

 てか、あらすじ長っ……。

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