第18話 お嬢様の妄想
私は、ハッとひらめきました。
そうだわ。
「セバスチャンが、帰らないといけない事態があったらどうかしら?」
「たとえば……」
「国を挙げての祝い事とか!?」
とても良い考えだと思ったのですが、
「そのような祝い事は、作るのが大変ですよ、お嬢様。」
即座にリタに言われてしまいました。
「それこそ、お嬢様の結婚式でしたら、大慌てでお帰りになるのではないですか?」
なぜか、含み笑いをしています。
――私の結婚式!!
白いベールを被り、お父様と共にバージンロードを微笑みながら歩く私。
そして、司祭様の前で待っているのは、黒いスーツに身を包んだセバスチャン。
あら、黒いスーツですと、いつもと同じ姿ですわ。
ここは、白いスーツを着てもらって……。
「お嬢様、いかがいたしましたか?」
はっ!いけない!
私としたことが、少々妄想してしまいましたわ。
それに、セバスチャンを呼び寄せるのに、セバスチャンが新郎では変ですわ。
フルフルと頭を振って、再び考えます。
ああ、何か、よい方法はないのかしら。
その時、一番長く勤めているメイドが、手を挙げました。
「お嬢様。たしか、セバスチャンは、王様のご紹介で執事になったと記憶しております」
「お嬢様のお父様なら何かご存知なのではないでしょうか?」
さすが、長年我が家に仕えてくれている方です。
その言葉には、妙に説得力がありました。
「そうですわね!確かに、お父様にご挨拶してから、お城から出たかもしれませんわね。」
そういえば、デビュタントのエスコートのことも聞きたかったのでした。
この機会に、聞いてみましょう。
私は、お父様の仕事の合間に、会いに行くことにしました。




