第14話 変わる日常
今日は、朝から雨です。
雨の日というのは、なんだか気持ちが暗くなりがちですわ。
私は、サッパリした飲み物が欲しくなりました。
「セバスチャン、今日の紅茶は、ミントティーにしてほしいわ」
――返事がありません。
あら、私としたことが、誰もいないのに話していましたわ。
いつも、当たり前のように隣にいるセバスチャン。
そこにいるか確かめるなんて、今までしたことがありませんでした。
「セバスチャン?」
「セバスチャン!!」
私が、大声を出すと、急いでメイドがやってきました。
「遅くなって申し訳ありません、お嬢様」
「今日から、しばらくの間、わたくしがセバスチャンの代わりをすることになりました。」
それは、聞いていませんでした。
「そんな……。なぜ?セバスチャンは、どこへ行ってしまったの?」
「お嬢様……。私も何も知らないのです。」
「ただ、今日からしばらく、私がお嬢様のお世話をするように、と言われて参りました。」
「しばらくって、どのくらいなのかしら?」
メイドは、首を横に振った。
「……それは、わかりません」
セバスチャンがいない。
それだけのことなのに、私はひどく心細くなりました。
こんな、急にいなくなってしまうなんて、セバスチャンもひどい。
もし、昨日の紅茶のことを気にしているなら、私はぜんぜん、怒っていないのに。
私が、暗い顔をしていると、メイドが心配そうに覗きこんできました。
「お嬢様……。私ではいけないでしょうか?」
――いけない。
せっかく、新しく来てくれたのに、これでは嫌な気持ちになってしまいます。
私は、精一杯の笑顔を作りました。
「これから、しばらくの間よろしくね。」




