貴方はヒーロー?
小説初心者なので書き方のアドバイスとかあれば言ってください。
あとはSCPの設定をちょいと弄ってるところがあります。そういうの苦手な人には申し訳ないです。
塀輪市の一部では、謎の怪物が目撃されたという噂が流れている...。ある者が言うには四足歩行の血まみれの化け物。他の者が言うには全身真っ白で人を襲う大男。そしてそれらと交戦する謎の男。それはまさにヒーローというべきだろう!彼は今夜もきっと人知れず戦いを続けるのだ...。
塀輪市の都市伝説一覧はこちら!↓
鼻先につきそうなほど顔に近づけられたスマホに、どうにも胡散臭い話がつらつらと書き連ねられている。
「ってことなんで、私ここに取材行ってきます!」
スマホの持ち主の新人は俺に向かって言い切った。まだ入社して半年しか経っていないのに、何度もどこかも分からないマイナー地方の都市伝説を見つけては、そこに向かわせろと迫る。
「恵西くん...だからそんなもの...この前も似たような...」
「お願いします!どうしても向かいたいんです!」
毎日毎日同じような問答を繰り返していると、さすがに疲れてくるというものだ。もう行かせてやって満足させるのが一番手っ取り早いかもしれない。
「つっ...はぁ......もういい、行ってきな」
途端、彼女の顔に笑みが広がった。ありがとうございます!と言い放つと、彼女はデスクへ飛んでいく。そしてこじんまりとしたバッグを取り出し、引き出しからいろいろ詰め込み始める。
やる気があるのはいいことだ。しかし交通費だけこちらが支払わされ、収入はゼロ。なんてわけにはいかない。
「でも条件がある」
部署を出ようとした彼女を引き留めた。
「そのネタの記事で収益が出なかったら、記事はもう書かせないから」
「...!」
まぁこれで彼女も全力でネタ集めに走ってくれるだろう。この際オカルトなんて関係なくてもなんでもいい。
「ふっふ、大丈夫です!私を誰だと思ってるんですか!」
彼女は右の親指で彼女自身を指す。
「私は恵西東!西と東に恵まれた女です!!」
薄茶色の髪をなびかせ、彼女は行ってしまった。引き出しさえも開けっ放しにして。
引き出しの中には二枚の写真が眠っている。彼女の、行方不明になってしまった両親のものだ。
〜塀輪市〜
そこそこ田舎で山に囲まれた普通の市。名前ははるか昔から市が高い山によって周りから隔離されており、それが塀に囲まれているようだと形容されたことに由来する。現在山にはトンネルが掘られ、他の市からのアクセスは格段に良くなった。
「イタタタタ、さすがに6時間座りっぱなしはきついなぁ」
大急ぎでカバンにメモ帳と一眼カメラ、お気に入りのアクセを詰め、電車で揺られて30分。さらにそこからバスで6時間。私が塀輪市に着く頃には時刻は夕暮れ時を過ぎようとしており、ホテルのチェックインの時刻が迫っていた。
「やっば、遅れちゃう!」
人気のないバス停を離れ、家屋の立ち並ぶ道をはっはっと息を漏らしながら走る。真っ白になっていく頭の中で、一つの疑問が渦巻いていた。
「本当に...この市で?」
この市には来たのは初めてだ。しかし、前々から知っていた。
ーここが、私の両親が行方不明になった土地らしい。
デスクの引き出しに入れてきた2人の写真を思い出す。
両親は科学者であった。仕事柄私より先に家を出ることが多く、毎朝父が私の頭を撫で、母が私を抱きしめるのが恒例となっていた。しかし、18年前のある日を境に両親は行方不明となってしまった。
その日から今まで、私はずっと2人が帰ってくる日を待っている。
「絶対お父さんとお母さんの情報を掴んでやる...!」
今回ここに来ることができたのは奇跡といってもいい。今回までのその試みは全て"運悪く"失敗していたのだ。私を妨害する何者かの存在を疑うほどに。
運よく訪れられた今回こそ、必ず両親の情報を掴むのだ。もう18年前のことだが、それでも私はあがく。もちろん、両親のために。
ハッと我に返り、息が上がってしまっていたことに気付く。足を止め、地面に向いていた視線を上げた。特に変わった様子はない...かと思われたが、一つ、違和感に気付く。
「あれ...さっきこんなに長かったっけ?」
左右のブロック塀が正面へまっすぐ、延々と、地平線に向かって続いている。スマホを取り出し地図アプリを起動しようと試みたが、スマホ自体起動する様子がない。何やらまずいことが起こっている。私の本能がそう告げる。
後ろから、蛍光灯が明滅する独特な低音が響いた。一体何かと振り返る。チカチカ不規則に点滅する街灯の下に、照らされて白く光る何かが一つある。それは街灯の下でじっと座り込んでいた。
「...」
それは人の様に思えたが、人にしては異様に長く、白く、痩せている。それの正体には一つ、心当たりがあった。
(人を襲う白い大男...)
それが不気味にしゃくりあげる声が路地に響く。だんだんと、指先が冷たくなっていく。
張り詰めた空気に冷や汗が流れた。それが顔を伝うのすら感じることができず、ただその白い人間を見つめることしかできない。
それに頭髪と思しきものは見当たらず、浮き出た背骨は痛々しさまで感じさせる。
突如として、それがもたげていた頭を持ち上げた。響いていた泣き声が止まる。少し時間を空け、それはこちらを振り返った。
「うっ...!?」
酷く歪み、悲しみに暮れた顔がそこにはあった。肌も瞳も真っ白で、口の周りは赤く染まっている。形容するのであれば「怪物」となってしまうような酷い顔であった。
怪物は顔を見られた途端立ち上がり、膝ほどまである長い腕を持ち上げ顔を手で覆った。そして支離滅裂な言葉を叫び始める。
(なになになに!?)
状況を飲み込もうとしている間にも、白い怪物は声量を上げていく。固まっていた足を何とか動かし、勇気をもって後ろに踏み込んだ。
しかし。
「きゃっ!?」
突如、体だけが前へ投げ出された。私の前にカランカランと音を立てて何かが踊り出る。
「アルミ缶...」
街灯によって作られた私の影に新たな影が重なった。後ろを見ずとも、あの怪物がすぐそこまで迫っていることは明白だ。背後から迫る死を、静かに感じ取った。
(お父さん…お母さん…)
バキッ!
と、枝を踏み折ってしまったような音が響く。それと共に固く、軽い何かが落ちるような音がした。恐る恐る目を開け、隣を見やる。
「っ…!?」
そこには白い怪物が倒れていた。首が180°回転し、その恐ろしい顔を天へ向けている。死んでいるのだろうか?
そして私はそれの直ぐ側に人が立っていることに気付く。目線で足を伝い、その半身を捉える。
サイトに書かれていたことがまたフラッシュバックした。
~それらと戦う謎の男...ヒーローと呼ぶにふさわしい~
フラッシュバックした文章の中から情報がピックアップされ、それが繋がり、自然と口から言葉が漏れてしまう。
ーーー貴方が...ヒーロー?
恵西東
20歳/女
髪色/髪型・薄茶色/ボブ
目の色・茶
服装・スーツ
職・記者
SCP-096 メタタイトル 「シャイガイ」
Euclid
顔見たやつ絶対殺すマン。追跡速度はマッハを超える。




