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裁判編③

 十二月より準備をし、正月明け早々に訴状を提出し、初の口頭弁論は二月末に決まった。私はこの間に相手もしくは相手の弁護士から和解の申し出があるかもしれないと淡い期待があったがそんな事もなかった。まさか完全に違法なのに争う気なのか、そもそもこの段階での和解は一般的じゃないのかと素人なりに調べたり人生初の裁判にむけ各所で調べものに勤しんだ期間であった。

 この間でまた私が行政嫌いになる出来事があった。訴状を提出した際に期日の予約をしていたが相手の都合もあるので期日が決定したら郵送にて通知が来るという話であった。それが予約期日の一週間前になっても届かなかったのだ。相手との予定が合わないのかとも思ったが、そもそもこの時点で一か月も経っているのでそんな事もないだろう。相手からの返事が無いのかとも思ったが、それならそう連絡をするべきだろうとも思った。いよいよ期日の三日前の時点で裁判所に連絡を入れる。

「すみません、○○という件で訴状を提出した者で、三日後に期日予定なのですが通達が来なくて連絡しました」

「あっ、では担当をお調べしますね」

 ここで担当者などを伝えられればもっと効率よく繋がるのだろうが、こちらには何も無いのである。

「お待たせしました。○○の件ですね、提出時の予定通り三日後の十時からです」

「ああ、予定通りで大丈夫なんですね。ちなみに通達があると聞いていたのですが、まだ届いてないのですがソレが無くても伺って大丈夫ですか?」

「届いていないんですか?それはお調べしておきます。通達物は無くても大丈夫ですので訴状などをお持ちになって来てくださいね」

 期日を確認できた事への感謝を伝えて電話を切ったが、結局、通達は当日にも届かなかった。裁判所に赴いた際「すみません、送っていませんでした」と言われ私の行政嫌いを更に深いものにしたのであった。

 さてさて初裁判の当日である。「あっ、映画やニュースでよく見る部屋だ」と誰もが思う法廷に入室し、初回の口頭弁論が始まった。ちなみに相手は誰もいなかった。

「では始めます」

 ここで相手からの「答弁書」を渡された。前日にFAXで裁判所に送られてきていたようだ。そこにあったのはとてもシンプルに「原告の請求を棄却する」「理由は追って主張する」のみであった。

 ここで裁判未経験の読者様に説明するが、裁判に欠席をすると「欠席裁判」となり相手側の主張に反論をしないという主張になります。ただ第1回目の口頭弁論は答弁書という書類を提出したら欠席でも大丈夫ののである。ほかにも例外はありますが、これはちゃんとした決まり事です。

 ただ一月から二月末の一か月以上の期間があったにも関わらず、「理由は言わんが原告の主張は否定するわ」の内容で通ってしまうのはいかがなものかと私は思う。確かに「証拠が間に合わない」などの理由で反論が簡素化することはあるだろうが、これはあまりにも簡素すぎるし書類の名の通りの「答弁」が成立しているのか疑問である。

「…では、この内容で問題はないですか?」

 裁判官より訴状の内容についての確認が済み、深堀りの質問がきた。

「…この請求内容は高額過ぎませんか?」

 少し予想外の質問であった。私はこういう時の質問は主張の真偽であったり、事柄に対して原告・被告・裁判官での意識のすり合わせの様な質問が来ると思っていたからである。

「色々と調べたのですが、類似した事例が無かったもので私の希望と主張する不当行為の罰金刑の額から出しました」

 不当行為で主張したのは「給与未払い」「求人票の詐称」「給与明細や労働条件通知書などの未発行」などがあり、どれも罰金刑ならば三十万円ほどの罰金である。また、労働基準監督署での対応なども含め出した手間賃も含めた金額である。もちろん多分に盛った金額である。

「もちろん相手より納得できる主張があれば金額の変更は考えていますが、答弁書の内容がコレですので今はこの金額でお願いします」

「そうですか」

 この後、細々とした質問があり「もう少し詳しく訴状にて説明をお願いしますね」と軽いお小言を頂いた。勘弁してくれこっちは素人なんだぞと思ったが、次に作る書類への改善点として有難く頂戴しておく。

「次は四月末になります」

 そうして私は何の進展もないまま二か月を待たされる事になるのであった。

 





「お役所仕事」とは言いますが。私はこれを「時間は掛かり融通は利かないが、確かに処理が行われる正常性の高い仕事」だとこれまで思っておりましたが、現代の「お役所仕事」とは昨今のマイナ関係しかり、役職者の不祥事しかり「時間も掛かり融通は利かない、杜撰にやっても大丈夫な仕事」なる偏見が生まれております。

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