囲われた集落
「…おっ、見えてきた」
「今度のところは道から近くて良かったね」
広い平原を割るように伸びている道のすぐそばに少し大きな集落があった。もはや村と言っても過言ではない大きさだった。
その集落へと少年と少女は向かっていった。
そこは集落とはいえども、少し要塞のようになっており、先が尖った木材で集落をぐるっと囲んでおり、何かから集落を守っているように見える。
入口というようなものが一つしか見当たらなかったので、二人がそこを通ろうとした時だった。
「止まれっ!」
突然聞こえてきた声に、二人はピタリと足を止めた。
そしてどこから声がしてきたのかとキョロキョロする。
「上だ。こちらを見ろ」
入口の上に、見張り台のようなものがあり、そこにいた男を見つけた。
高さ3メートルぐらいの位置にいる男を見つけた。
「あんなところにいて怖くないのかな」
「慣れてるんだろ」
「あそっか」
そんな二人の会話なんて聞こえるはずも無く、見張り台の男は声を張り上げて言う。
「君たちはまだ若いようだが、この集落には何をしに来た?」
「一晩だけ泊めてもらえないかと思って来ました」
「俺たち、旅してるんです」
「旅人?」
怪訝そうな顔でそう言うと、見張り台の男は筒状の物に口をつけて何かを言っていた。
少年と少女は顔を合わせて首を傾げた。
そして見張り台の男がこちらを向き直し、『そこで待つように』と言って姿を消した。
少しして見張り台の男が下まで降りてきたらしく、女性と一緒に二人を出迎えた。
女性は二人の前に歩み出て少しだけ頭を下げる。
「先程はご無礼を。これも警備のためだ。許して欲しい」
「警備って?」
「最近、盗賊と呼ばれる盗人集団がこのへんに多数出没していたのだ。それを警戒していたんだが、君たちはどうやら見た目が全然違うみたいだから、歓迎させてもらった」
「君たちぐらいなら、俺一人でも捕まえられそうだしな」
見張りの男はそう言うと、力こぶを作って自慢の筋肉をソイヤッと見せつけた。
「でも私たちの方が強いですよ?」
「「えっ?」」
見張りの男と少年が驚いたのはほとんど同時だった。
「なんて、冗談です」
「だよな。ビックリしたよ」
「俺もビックリしたわー。ややこしいこと言うなよ」
「ごめんごめん。ちょっと言ってみたくて」
少女はテヘヘと頭をかいた。
会話が途切れたのを見た女性が口を開く。
「さて、こんなところで立ち話もなんだし、集落を案内しよう。とは言ってもそこまで大きくはないけどね」
その言葉に少年と少女が言い返す。
「「うちの集落よりはデカい」」
1ヶ月ぶりの更新です。
遅れてすみませんでした。
短くてごめんなさい。




