第三話 薄暮
この世に運命じみた再会などありえない。生き別れの兄弟が知らないうちに再会するとか、そんな喜劇や悲劇はフィクションの世界でしか成り立たない。
もしあるとすればそれは誰かの策略の上で起こる予定された再会である。
(『運命―気まぐれな神の遊技―』三星社出版 皆月朔夜)
重いハードカバーの本を開き、そこに記された文字を一つ一つ辿っていくその作業は、記憶という名のパズルのピースを一つ一つつなぎ合わせることに似ていると思った。文字と文字は組み合わされ一つの文章となり、さらには一つの物語を作り出す。人の人生が物語なら、両者はよく似ているではないか。
ただし、この作者がそんなことを同じ事を考えていると思うと、せっかくの読書も気分を害するものとなる。いや、そもそもこの作者の本を読むこと自体不機嫌きわまりないものなのだ。
ならばなぜ本を読むのかと言われると、だからこそだと答えるだろう。
彼と自分の傷はよく似たものであり、まるで先に述べた二つの事柄のようだ。しかし似た二つのものはけっして同じではない。平行線がどんなに近くを通ろうとも、隣り合わせの両者はけっして交わることはない。そして彼と自分もけっして交わることはない。似た傷を持つからこそ、そのわずかな違いやずれが修復のしようがない深い溝となる。
もともと自分たちに修復するような仲などなかった。知り合いの知り合いというありふれた関係。それが切っても切れない縁となったのはなぜだろう。彼か、自分か、それとも彼女の責なのか。しかしその答えは必要ない。ただ彼と自分を繋ぐのは罪と血、そして憎しみなのだ。それだけがわかればそれでいい。
「叔父さん、ちょっといい?」
ノックの音と共に耳に届いたのは同居する甥の声だった。
「ああ、何だ?」
答えを聞いて扉の向こうから現れた甥は、どこか心配そうな不安そうな顔をしていた。
「叔父さん、本当に明日学校に来るの?」
「ああ、行く。」
迷いなく答える意地の返事に甥は戸惑いを隠せなかった。本当は来て欲しくない。そんな想いが心のどこかに存在する限りその不安が消えることはない。
普通の家庭にあるはずの叔父と甥の関係は、自分たちとは少し違うと考えていた。叔父が自分を見る目は叔父が甥を見る目だけではない。愛情と憎しみの混ざった名の付けようがない感情。その目に映るのは自分だけではなくそれに重なる誰か。最愛の人、もしくはこの世で一番憎い相手。愛する人の血を引き、憎い彼に似た顔をした自分を、叔父が育ててきた理由はただ一つだ。
叔父にとって自分はただの甥ではない。彼女の子、そして彼の子。愛と憎しみの結晶。決してそれ以上にもそれ以下にもなりはしない。
「蒼衣、お前は何も心配しなくていい」
俺に任せておけばいいと、叔父は言った。それは蒼衣の意志も願いもくみ取らない、自分の思いだけを心に描き、他者すらも巻き込むゆがんだ望み。
復讐。何も生み出すことはない破壊行為。残るのは絶望。激しさの後には戦場跡のような荒野が広がる。そこに立つ者は誰もいない。ただ風が残り香を吹き飛ばし、魂なき器は白い骨と化し、塵となる。そこには記憶する者すらおらず、全ては過去へと消え去る。やがて未来という名の町がそこに建ち、骸の上で新たな命が生まれる。
破壊の後には創造がある。神の意志などなくとも人は壊し、また創る。その存在が消え去るその日まで――。
(『破壊と創造の協奏曲』三星出版 皆月朔夜)
中学生の参観日となると微妙なものだ。小学校の頃には来ていた父兄も、中学に入ると来なくなる者も多い。ましてや二年生となると、その数はさらに減る。
暁斗の父・朔夜は子育てに関してはほとんど放任主義だが、こういった学校行事には必ずと言っていいほど参加している。
しかし若すぎる父親というものはどこでも目立つものだ。本当に血が繋がってるのかと疑われたことも一度ではない。最初の頃はいちいち反論していた暁斗だが、成長するにつれ聞き流すようになった。他人の言うことなど気にするなと言う父の言葉に従ったのだ。実際、その方が楽なのだと理解した。
父子家庭というだけでも世間は注目する。それがさらに若すぎる父親となるとそれは「異常」だ。人は普通と異なるものを見つけると、ほとんどの場合同じ行動を取る。廃するか、崇めるかだ。暁斗の家庭の場合、父・朔夜が名の知れた小説家だったのと、彼自身の人格のおかげでどちらにも属することはなかった。しかし注目だけは避けられない。だが、いちいち相手をしても疲れるだけだ。適当に聞き流すか二度と目を向けられないほどたたきのめすのが賢い選択だ。
朔夜は前者だった。自分が世間で言う「異常」に属していることを理解しながらも、「普通」に囚われない彼は、他人が語る普通論に耳を貸すことはなかった。
「普通であることは幸せなのかもしれない。しかしその普通を得ることが難しい人間もこの世にはいる。普通とは時代が定めた流れに身を任せることだ。
普通であることが悪いわけではない。だが自分が普通であるからといって、異常を廃することは赦されない。それは普通ではなく自分勝手だ。
本来この世界に普通など存在しない。すべてに通じる普通などあるはずがないからだ」 かつて朔夜が暁斗に言った言葉だ。
暁斗は父の言葉にほとんど従っている。彼が言う持論は独特で、しかし善悪を感じさせないものだった。その持論のほとんどを、朔夜は若い内に習得していた。
十六で父となった朔夜は人よりも早く大人になる必要があった。だから他の同世代の大人とは異なる雰囲気をもつ。
そんな父を暁斗は時にあきれ、時に尊敬してきた。
それが世の中で言う「異常」であったとしても、父の言う言葉は正しく聞こえたのだ。
参観日の朝となると、普段はない緊張感が教室に満ちている。それが何度目となろうとも、いつもとは少し違う一日に、皆が様々な心持ちで挑むのだ。
この日ばかりは忘れ物が少なく、身なりを整える生徒が多い。教師としてはいつもそれくらいやってほしいと思っているだろうが、生徒はそんなこと気にはしない。
身体がガチガチになるくらいの緊張ではなく、買ったばかりの本を初めて開くときのような緊張感。それを楽しみと感じる者もいれば、面倒くさいと感じる者もいる。感じ方は人それぞれだ。
暁斗は特別なことを感じることはないが、忙しい父がわざわざ自分のためだけに来てくれることに応えねばという想いがあった。実際彼が家を出るとき、父は徹夜明けで完成したばかりの原稿を前に屍と化していた。本当に来られるのかと心配したが、本人はそれでも行く気であるらしい。
「なぁ、暁斗。お前んとこの父さんは来るんだよな。うちはバーゲンがあるから来ないって言うんだぜ。可愛い息子とバーゲン、どっちが大切なんだよ」
ぶつくさ文句を言う友人を前に、暁斗は「はあ」と適当な答えを返していた。その横から友人その二こと島村が頼んでもいないのに辛辣な答えを変える。
「お前の保護者の行動に賛成する。なぜなら、愚息の失態を記憶に刻んでしまうか、それとも家計のためにバーゲンで一つでも安く買い物をするかと言われれば、僕は間違いなく後者を選ぶだろう。君の保護者は実に有意義な時間の使い方を知っている」
「おいこら、失態って何だ。俺が何か恥をかかせるようなことをするとでも思ってるのか?」
「思っているのではない。これは決定事項だ。これまでのことから言うと、君は過去数回の授業参観に於いて、授業参観だからと無駄に張り切り、誤った答えを堂々と黒板に書く、歌詞を間違えていることに気付かず一人歌い続ける、教科書の音読で『杜撰』を『しゃせん』と読む、一人目立とうと意気込んでまったく似合わない格好をしてきて親に恥をかかせる」「待って! もういいから、お願いだからやめて下さい!」
半分本気で泣きかけの桃園を、島村は蔑むかのように見下ろす。
「これはまだほんの一部だ。そして参観日の失敗など君の人生の失敗に比べれば微々たるものだ。話し始めれば一日では終わらない」
「話さなくていいから! 一生話さなくてもいいから! お願いだからやめて下さい。というか忘れて下さい!」
島村は桃園をいじることが趣味ではないかとうすうす感じていたことを、だんだんと確信に変えていく暁斗だった。
そんな中、教室中の他の誰とも違う空気をまとっている者がいた。常磐蒼衣だ。彼は頬杖をつき、ぼんやりと窓の外を見ていた。その顔には、どこか影がある。
「常磐、どうした?」
その様子が気になり、暁斗は声をかけた。
「ううん、何でもないよ」
そう言う蒼衣だが、やはり顔色は冴えない。どこか不安そうな顔だ。
その言葉をそのまま受け取れない暁斗だったが、もう一度口を開く前に始業の鐘がなってしまった。
蒼衣は視線を教壇に向け、そのまま口を閉ざしてしまった。暁斗は仕方なく、自分も身体を教壇の方へ向けた。
鐘の音と共に入ってきた担任は、参観日についての説明をしてから通常のショートホームルームを始める。
蒼衣の様子が気になっていたが、教師の話が終わる頃には忘れてしまった。
それが良かったのかどうかはわからない。しかし覚えていたところで何も変わらなかったことは確かだ。
予定は何も変わらぬままその時を迎える。役者の自覚もなく、ただ静かに。
授業参観は一日の最後の授業に行われた。その方が保護者にとっても教師にとってもやりやすいからだ。
授業の後には保護者と担任の懇談会が予定されているのだが、参加するかどうかは保護者側の自由だ。もし一人も参加しなかったらどうするのだと意地悪な想像をしているのは、皆月暁斗の父・朔夜だった。
編集担当に急かされ(脅され)書き上げた原稿を担当に渡した後は、家を出るまで眠り続けていた。それでも徹夜明けの頭はうまく機能せず、本日十数回目のあくびが出る。
朔夜自身、学生の頃こういった学校行事というものに無頓着だった。両親は忙しい人だったし、朔夜も学芸会や運動会といった行事を楽しめる性格でもなかった。生来そういった行事にのめり込める性格ではなかったらしく、参加はするが楽しもうという意欲は零に等しかった。だから両親に来てもらいたいとも思わなかったので、既に小学生の頃には両親の姿は学校にはなかった。両親も仕事に忙殺されていたので、息子の遠慮は正直ありがたかった。
だから朔夜の家にはそういった行事の写真が少ない。というより写真自体が少ない。家族旅行もほとんど行かなかったし、子どもの成長記録を残すことに情熱を燃やす保護者もいなかった。
中学に入る頃には不登校となっていた息子の写真など数えるほどしかなかった。何せ入学式や卒業式にも顔を見せなかった両親だ。もっとも、朔夜自身もそれを望まなかったから恨み言などあるはずもない。
だから正直、両親のあの時の行動には驚いた。この二人にも親らしい感情があったのか、それとも世間体を気にすることがあったのか、それは結局のところわかっていない。物心ついたときから放任主義を通していた両親の思わぬ行動に、朔夜も驚いた。
だから付き合ってみることにした。たとえ理由は何であれ、この二人がおそらくこの先もすることはないだろう親らしいことだったから、人生に一度の親孝行と思い付き合うことにした。
結局、そのことが逆に彼らを苦しめることになったのではないかと今でも思う。口や態度にはほとんど表さなかった彼らだが、きっと周囲からいろいろと言われたのだろう。仕事にも支障が出たかもしれない。しかし彼らが息子を責めることは一度もなかった。
それは朔夜にとってありがたくもあり、申し訳もなかった。最低の親不孝かもしれない。だが彼らには何の非もない。あの時は誰もああなるとは考えてもいなかったのだから。朔夜自身もだ。
誰が悪いのかと言われれば自分だとはっきり言えるだろう。しかし彼を真っ向から非難してくれる人間はただ一人だけだった。あの人でさえ朔夜を責めることはなかった。恨み言の一つや二つ言ってもらった方が楽だったのかもしれない。いっそのこと、殺されるべきだったのかもしれない。きっと自分はあの時それを受け入れただろう。なのに、あの人はそうしなかった。ただ罪の証を刻み込んで、自分は手の届かない場所へと行ってしまった。自分には謝罪も償いの機会も与えられなかったのだ。
朔夜が自分の息子の学校行事に必ず出席するのは、彼が暁斗の親であるという再認識でもあった。それだけは決して捨てはしないと心に誓った。
それがあの人に対する何になるのかはわからない。償いか、それとも断罪か、あの人は答えさえ残さなかった。
今日で何度目になるだろう参観日。それは今までと変わらず始まり、変わらず終わると思っていた。
この時までは――――。
結論で言えば、参観日自体は予定通り、問題もなく終わった。
授業は数学と国語で、数学の時間は暁斗の顔が特に冴えなかったとか、それは特別なことでもなくて、例年通りの形で始まり、そして終わりを迎えた。
だから、本当の非日常はこれからだった。何かが終われば、次には何かの始まりがやって来る。しかし、暁斗も朔夜もこんなにも早く始まりがやってくるとは思っていなかった。そして、初めてその終わりが見えなかった。
授業が終わり、参観していた父兄達は懇談会に行く者もいれば、そのまま子供と一緒に帰る者もいた。参観日のホームルームなんていつもの半分もない。教師側も保護者の事を考え、早めに切り上げる。
暁斗はホームルームが終わると、すぐに父の姿を探した。学校という空間になじまない彼の父は、目立つことを気にしないがわざわざ目立とうともしない。要らぬ好奇心を向けられるよりは向けられない方が良いに決まっている。
だから教室には入ってこない。廊下から見ているのが常だ。そしてこの日もやはり彼の姿は廊下にあった。それでも目立つことには変わりはないのだが……。
背が高く容姿も整っているし、何より他の父兄に比べ若い。珍しく髪には串が入れられているらしく、少し長めの髪は艶やかでさらさらしている。朔夜は参観日でもスーツを着てこない、というより堅苦しい格好を嫌うのでスーツを着ること自体稀だ。この日の服装も濃いめの灰色のワイシャツにネクタイもせず、上から紺色のコートを着ている。
決してきちっとした格好ではないにも関わらず、壁にもたれぼんやりとしているその姿はファッション誌の一部分のように決まっていた、暁斗は本当に血が繋がってるのかと疑わずにはいられないのだった。
朔夜は息子に気付き軽く手を挙げた。
「おう、もう帰っていいのか?」
「うん。今日はこれで終わり。部活も休みだしな」
今日の夕食はどうしようかとか、そんな事を話しているとやはり帰宅する友人達が声を掛けてきた。
「暁斗、また明日な。おじさんもまた」
「それじゃあ皆月。朔夜さんも。そして一応別れを告げてやろう馬鹿菌。さらばだ、二度と顔を見せるな。というかこの世に別れを告げろ」
「もう装置を越えて菌そのもの!? というか永遠の別れかよ!」
この二人のコントは周囲に誰がいようとも行われるようだ。桃園の大声に馴れていない父兄が何事かとざわついているが、気付いていないのは本人だけのようだ。島村はわかっていてやっている確信犯だ。
「盆には線香をあげてやる。だから心配せずに旅立つといい」
「するって! 線香よりも優しさをちょうだい!」
二人はわめきながら、というより桃園が一方的にわめきながら帰って行くのを暁斗は見送った。
そろそろ自分たちも帰ろうかとしていた暁斗の前に、まだ友人とは言えるほど親しくはない転校生がやって来た。
「皆月君、今帰るところ?」
「ああ、常磐もこれから帰るところ?」
「うん、叔父さんが先生と話をしてるからそれが終わったら」
「そっか。そうだ、これ俺の父親」
「これとは何だ。父親をこれ呼ばわりするな」
息子の紹介に不満を見せていた朔夜だが、蒼衣の顔を見たとたん、息を呑んだ。
「親父、こいつがこの間言ってた転校生。常磐蒼衣っていうんだ。驚いたか?親父に似てるだろ?」
暁斗の紹介を訊くと、朔夜の表情は凍り付いた。
「常磐……蒼衣?」
その名前が朔夜の頭の中を何度も重複した。よく知っている名前。あの人と同じ名字。それが意味するところは―――。
父の様子を変に感じた暁斗だが、朔夜は隣にいる息子の方を見てはいなかった。その視線は目の前にいる転校生ただ一人に向けられていた。
一方の蒼衣も朔夜の顔を見つめ返した。
しばらくの沈黙を破り、蒼衣が口を開いた。
「初めまして、常磐蒼衣です。叔父から話は聞いてます。正直会ったら何を話そうか迷ってましたが、結局何を言ったらいいのかわかりませんでした。でも、こうして会ってみて、あの話が叔父の作り話ではないことがはっきりしました」
疑問符をいくつも頭の上に並べている暁斗を素通りして、二人の間には立ちきれぬ何かがあった。
「君は―――」
「蒼衣、先に会うなと言っただろう」
朔夜が何かを言おうとしたとき、一人の出現によって言葉の続きは断ち切られた。
そこに現れたのは一人の男だった。朔夜と同様、この場には似つかわしくない若い男性。朔夜とは違いベージュのスーツを着た身なりの良い男だった。年は朔夜と同じか少し上ぐらいだろう。この場にいるのだから誰かの父兄ということだが、父親にしては若すぎる。誰かの年の離れた兄なのだろうかと暁斗は考えたが、どうやらそれは違うようだ。
「叔父さん」
その男をそう呼んだのは蒼衣だった。
なるほど叔父か、それなら若いのも納得だと思っていた暁斗だったが、隣に立つ彼の父はそんなのんきな考えを出すことなどできはしなかった。
そこにいたのは、彼の顔見知りだった。しかし決して会いたいとは思わない人物。どこかあの人に似た面影を持つ彼。二度と会うことはないと思っていたが、こんな場所で会うとは思わなかった。
いや、それよりも、この男が叔父だというのなら、やはりこの子は―――。
「久しぶりだな。もう十四年ぶりになるだろうか」
困惑する朔夜を前に、男は満足そうな笑みで言った。
「お前が姉さんを殺して以来か」
この場には似つかわしくない単語が男の口から飛び出た。
―――『殺した』?
暁斗の中をその単語が飛び交う。父が誰を殺したと?
混乱する暁斗を置き去りにし、男はさらに言う。
「蒼衣、この男がお前たちの母親を殺した奴だ」
何を言っているのか意味がわからない。暁斗はその場でただ一人、違う世界に迷い込んだような錯覚をした。
男の言葉が外国語のように伝わらない。しかし呪いのように脳に刻まれていく。
これ以上は聞きたくない。
しかし暁斗の心中など知らぬかのように、呪詛は続いた。
「自分そっくりの息子に会えた気分はどうだ?」
『お前だけは赦さない』
あの日と同じ憎悪にまみれた顔が、そこにあった。
まるであの日に戻ったかのように―――――。