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闘技場は、再戦に対して半分の反応が入り乱れた。
一つは、バイスのファンによるズイーバーの応援だ。
もう一つは、戦えという判断だ。
それを取り仕切っていたゴモリとエリゴスが、互いに見ていた。
前にはズイーバーが、ハンマー片手に僕の前に仁王立ち。
「いいんじゃない、お兄様……いえブラウなら負けることもないし」
「さすが話がわかるな、我が妹よ」
「えっ、なによ」ロゼは不満そうな顔を見せるが、僕は両手を広げてズイーバーを歓迎した。
そのズイーバーが、ロゼを睨んでいた。
「その代わり、負けたら二度とそいつと会えないし、バイスを唯一の妹と認めること」
「ああ、構わない。僕が勝ったらロゼもエンジェルフルーツポンチも返してもらおう」
「エリゴス、というわけで第二ラウンドをやりたいがいいか?」
「やれやれ」エリゴスは首を横に振った。
周りの歓声は、第二戦の歓声へと変わっていく。
「仕方ない……よかろう」
「そうこなくてはね」
余裕の笑みを浮かべたズイーバーは、ミョミルハンマーを両手に掲げた。
そして、一番の歓声が湧き上がった。




