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ロゼが闘技場に倒れると、歓声が湧き上がった。
バイスのアカウントが、ズイーバーなので周りはズイーバーの味方。
アウエーの闘技場は湧き上がった。
闘技場の中心では、ロゼが倒れていた。
「ロゼっ!」
「ううっ、ごめんなさい。お兄ちゃん」
僕が抱き上げると、ロゼが力なく頷いた。
痛みがあるらしく脇腹のあたりに、手でさすっていた。
ロゼのアバターは僕と違う、痛覚がゲームの中にある。
「勝負は私の勝ちだな」僕らの前に、ズイーバーが立ちふさがる。
「そうだな」
「約束通りロゼのアカウントをこちらで……」
「その前にズイーバー」
僕はじっとズイーバーの方を見上げていた。
「なんだ?」
「妹の非礼は詫びよう」僕は素直に頭を下げた。
「分かれば良い。では早速ロゼを……」
「でも君がやったことは許せない、バイス。だから……」
僕は立ち上がって、ズイーバーを指さした。
「盗んだものをかけて、もう一度戦いを挑む」
僕の言葉に、ズイーバーの眉が動いた。




