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とある少女がネトゲをやりまくった件(くだり)  作者: 葉月 優奈
十話:とある少女がネットアイドルに嫉妬する件
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バイエル公爵の庭は空中庭園だ。そこでモンスターが現れることはない。

デンジャラスバッファロー、サタルカンドに出てくる巨大な牛のモンスター。

突進力が高く、まさに猪突猛進だ。ただ、眠りの魔法は効きやすい。

空中庭園に突如現れたロゼは、まさに猪突猛進で群衆をかき分けた。

いや、まっすぐ僕に向かって突進してきた。


バイスは「ああれえっ!」と、わざとらしい弱さを見せて僕から離れた。

背中を思い切りどつかれた僕は、そのまま地面に倒れこむ。

起き上がった時、ロゼはものすごく険しい顔を見せていた。

殺意を感じた僕は、腰を抜かしたまますぐにロゼを見た。


「ロゼ、これは違う!」なぜか僕は平謝り。

だけどロゼの視線は、僕に向いていない。

ファンらしき男性に抱かれたバイスに向いていた。


「あんた、何者なの?」

ロゼが腕を組んで、バイスを睨んでいた。


「あら、あなたは野蛮な廃人のロゼですこと。

なんと暴力的なのでしょう」

「うるさい、お兄ちゃんはあたしのなの!

勝手に取らないでよ、ブリッコ!泥棒猫!」

「猫を馬鹿にするですって、許さないわ」

ロゼを見ては、急に怖い表情になったバイス。

さっきまでのアイドルの笑顔はすっかり消えて、目がつり上がった。


「そこのデブ、この私が大好きな猫を侮辱するんじゃないわよ」

「あーっ、あたしはデブじゃないわよ。あんたの方こそデブじゃない!」

「私はデブじゃないわ、あんたのお腹のお肉が鎧に食い込んでいるのでは?」

「ひっどーい、そんなことないわよ!

あんただって、どうせリアルブスでしょ!」

ロゼとバイスがいきなり罵り合っていた。

腕を組んで睨むロゼ、それから威圧するような険しい顔のバイス。


中央でしゃがんだ僕はオロオロするしかなかった。

「二人共、やめて」僕が仲裁する。

「うるさい、お兄ちゃんは黙ってて!」

「あなたのお兄ちゃんじゃないわ、私のお兄様よ!」

「なんですって、あたしのよ!」

「だからあんたを消せば良かったのよ、ロゼ!」

「黙りなさい、バイス。前々からあなたがきにくわないのよ。

何がネットアイドルよ、バカじゃないの?」

結局僕の言葉で、喧嘩がますますヒートアップだ。

二人の喧嘩は収拾する見込みはなさそうだ。


「バイス、やめておけ」

成り行きを見守っていた群衆の一人が声を出した。

それを聞いて、バイスが声の主を見つけて駆け寄った。

その主は、僕も見覚えのある人物だ。

水色のローブを着た賢者で、名前の文字が赤い。


「エリゴス……あいつがぁ」

「ここはGMである私が裁定をしよう」

そう言いながら出てきたのが、水色のローブのエリゴスだ。

見た装備は水色のローブ。これは、最強賢者装備のトリトン装備だ。

彼が不敵な笑みを浮かべて、バイスの頭を優しく撫でていた。



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