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とある少女がネトゲをやりまくった件(くだり)  作者: 葉月 優奈
九話:とある少女が取り合いに参加する件
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ゲルプの部屋のドアを開けると、煙が上がっていた。

合成というのは、魔法の力でアイテムを作り出すというものだ。


言ってしまえば、魔法の一種なのだ。

特殊な食材を用いて作る以上、普通の料理とわけが違う。

なにせ、魔力が込められたエンジェルフルーツポンチなのだ。

普通の食べ物ではない。攻撃魔法と、弱体魔法の精度が跳ね上がる食べ物なのだ。

それでも合成で煙が上がることはないが。


やがて煙が晴れるとそこには、ゲルプが床にしゃがみこんでいた。

だけど部屋が荒らされていた。そして、家の窓には一人の怪盗。

真っ黒……というよりピンク色の派手なタイツを着ていた。

長い髪が、窓から吹く風に揺れた。


「女?」

「お前は何者だ?」

「いただくわ、あなたたちにこれは渡せない!」

僕の言葉に、ピンクタイツの人物がエンジェルフルーツポンチを持っていた。

綺麗にデコレーションされたフルーツポンチを、美味しそうに見ていた。


「ううっ、うまそう」隣のロゼがヨダレを垂らしていた。

「ブラウ、魔法を!」

「ここだと対人魔法は使えない。弱体も然り」

ヴァイオレットが叫ぶが、僕は唇を噛み締めるしかない。

シティとホームエリアでは、攻撃や弱体魔法は使えない。

もちろん攻撃もできない、マジック・クロニクルはPK(プレイヤーキラー)ができない。


「私はロゼを助けたい。だからお前たちをこれ以上進めさせない」

「どういう意味だ?」

「ロゼは気づいたはずだ」

女怪盗が一言言うと、アイテムを既に使っていた。

手に持った黄緑色の石、帰宅石(ホームストーン)が光を放つ。


手を伸ばしたオランジュだが、怪盗は転送されていった。

それは、一瞬のことで余りにも突然の出来事だった。

だけど、僕のそばにいたロゼは落ち込んだ顔を見せていた。


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