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とある少女がネトゲをやりまくった件(くだり)  作者: 葉月 優奈
九話:とある少女が取り合いに参加する件
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~~バイエル公国・英雄の広場~~


ゲーム内、ここはいつもどおり人の往来が激しい。

人口密度は、ゲーム全エリアの中でもトップクラスだ。

最もバージョンアップで、だいぶエリア落ちは緩和されたが。

それでもこの英雄の広場には人が集まっていた。


そんな僕は、ロゼと一緒に英雄の広場にあるマルシェに来ていた。

マルシェはNPCがフリーマーケットをしていた。

近隣エリアの『シュタットツェントイム』とはまた違ったものが売っていた。

さらに、プレイヤーもここでフリーマーケットができる場所なのだ。

僕と強制パーティのロゼはゲーム内のカフェにいた。


「で、結局連絡がつかないわけ」

「うん、伯父さんの家に電話したけど連絡が取れない。

なにげに自宅の電話番号ってのが痛い、携帯ならわかるんだけど」

「あたしが喋れれば済むんだけど」

「それは無理だな。まあ仙台というのは間違いなさそう。

市外局番を調べてわかった」

パソコン前で、僕は親父からもらったメモ帳を見ていた。


「ロゼは何かわからないのか?」

「わからないわ、ごめんなさい」

「あとは直接行くしかないのかな?」

「もしかしたら、伯父さんは仕事しているのかも」

「仕事?」

「うん。仕事……でも教師はあのあとやめているから」

「待って、教師って?」

「あらあら、なにか作戦会議?それともアイドルの出待ち?」

そう言いながら、出てきたのがゴモリだ。

いつもどおりの白い服が、よく目立つ。本当にこの人は神出鬼没なGMだ。


「アイドルって?」

「ネットアイドル、バイスよ、バイス!」

「ああ、オランジュが言っていたな」

「そう。ここでこれからアイドルバイスが、ログインするからみんな広場に集まっているの」

ゴモリの言葉の言うとおり、今日は普段に増して英雄の広場に人が多い。


「噂のネットアイドルか、興味ないな」

「ね~、ネットアイドルって媚を売っていてなんか嫌い」

「俺は好きだけどな」

そう言いながら、歩いているひとりの男がやってきた。

その男は派手なスーツに、『バイスLOVE』とかかれたハチマキをしていた。


「オランジュ、どうした?」

「今日は久しぶりに『ばいにゃ』が出てくるからな」

「『ばいにゃ』?」

「バイス様のニックネームだぞっ!」

「オランジュ、受験勉強はいいのか?」

「ああ、ばいにゃが出てくる日はお休みだ、塾も休みにした。

そろそろばいにゃが出てくるから俺は行くぜ」

いいのか、それでと思いながらもオランジュが楽しそうだからあえて同意しておく。

そのままオランジュは、広場の方に走って去っていった。


「お兄ちゃん、あたしがアイドルになったら応援してくれる?」

「それはない。太っているからな」

「むー、もう知らないっ!」

ロゼが不満そうな顔を見せていると、ゴモリがなぜかニヤニヤしていた。


「女心が理解できないな、ブラウくんは」

「ゴモリこそ、アイドル談義をしに来たのか?」

「いえ、新しいクエストを持ってきたのですよ。

これが必要なければ、構いませんが」

「やる、さっさとクエストを渡せ」

僕の言葉に、やはりニヤニヤ笑うゴモリだった。



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