表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とある少女がネトゲをやりまくった件(くだり)  作者: 葉月 優奈
九話:とある少女が取り合いに参加する件
84/122

084

~~デモニース・ストレイナイツ森林~~


僕とロゼはフィールドエリア、ストレイナイツ森林をバイクで失踪中だ。

魔導バイクは、魔法の力で動くバイクだ。

エリアの広い『モルゲンロート』の中で、数少ない移動手段だ。


このクエストの名は『走れメッセンジャー』、つまりお使いクエストだ。

目的は、キュベリオンからバイエル公国を抜けてデモニースに向かう。

その途中で、三ヶ所のエリアを通過するわけだ。

だから、あちこち移動があった。


「なんでこんなクエストあるのよ」

「ここで伝説の果実『アキー』を手に入れないと、合成できなよね」

「『エンジェルフルーツポンチ』だっけ、めちゃくちゃうまそうじゃない」

「食うのが好きだな」

「当たり前よ、食べるのが二番目のストレス解消法よ……ただ」

ロゼが言葉を濁す。その言葉の先を僕は知っていた。


「早くリアルで食べられるといいな」

「ゲームの中では食べられるんだけどね。空腹感はないし」

「それはいいんじゃないか?眠さもないんだろ」

「うん、人間じゃないから」

皮肉っぽく言うロゼ。その顔はなんだか明るかった。


「でもアイテムを合成するってまた、ゲルプ?」

「そうだけど」

「できたら味見していい?」

「ダメ、アイテム価値が落ちるから」

「なによそれ、あたしが食べると価値が上がるのよ」

上がらない、上がらないと心の中でツッコミを入れた。


「問題はあと二つのクエストだな」

「ねえ、これが終わったら仙台に向かうの?」

「そうしたいんだけど、問題は金だな。

資金面が厳しいよな。でもいつまでもロゼをこのままにしておくわけにはいかないだろ」

「そう、よね」

後ろのバイクで走っているロゼが、少し寂しそうな顔を見せた。

彼女の目に、うっすら涙のようなものが溢れていた。


「何、泣いているんだ?」

「たいしたことないわよ、ちょっと眠くなっただけ」

「眠気はないんだろ」

「眠くなる時だってあるの、死ぬほど眠くなる時が」

「それは残念だ。寝落ちに気をつけろよ」

ロゼはそう言いながら、僕の後を必死に追いかけていた。

そんな僕たちの目の前には、ゴールであるデモニースの町並みが見えてきた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ