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~~デモニース・ストレイナイツ森林~~
僕とロゼはフィールドエリア、ストレイナイツ森林をバイクで失踪中だ。
魔導バイクは、魔法の力で動くバイクだ。
エリアの広い『モルゲンロート』の中で、数少ない移動手段だ。
このクエストの名は『走れメッセンジャー』、つまりお使いクエストだ。
目的は、キュベリオンからバイエル公国を抜けてデモニースに向かう。
その途中で、三ヶ所のエリアを通過するわけだ。
だから、あちこち移動があった。
「なんでこんなクエストあるのよ」
「ここで伝説の果実『アキー』を手に入れないと、合成できなよね」
「『エンジェルフルーツポンチ』だっけ、めちゃくちゃうまそうじゃない」
「食うのが好きだな」
「当たり前よ、食べるのが二番目のストレス解消法よ……ただ」
ロゼが言葉を濁す。その言葉の先を僕は知っていた。
「早くリアルで食べられるといいな」
「ゲームの中では食べられるんだけどね。空腹感はないし」
「それはいいんじゃないか?眠さもないんだろ」
「うん、人間じゃないから」
皮肉っぽく言うロゼ。その顔はなんだか明るかった。
「でもアイテムを合成するってまた、ゲルプ?」
「そうだけど」
「できたら味見していい?」
「ダメ、アイテム価値が落ちるから」
「なによそれ、あたしが食べると価値が上がるのよ」
上がらない、上がらないと心の中でツッコミを入れた。
「問題はあと二つのクエストだな」
「ねえ、これが終わったら仙台に向かうの?」
「そうしたいんだけど、問題は金だな。
資金面が厳しいよな。でもいつまでもロゼをこのままにしておくわけにはいかないだろ」
「そう、よね」
後ろのバイクで走っているロゼが、少し寂しそうな顔を見せた。
彼女の目に、うっすら涙のようなものが溢れていた。
「何、泣いているんだ?」
「たいしたことないわよ、ちょっと眠くなっただけ」
「眠気はないんだろ」
「眠くなる時だってあるの、死ぬほど眠くなる時が」
「それは残念だ。寝落ちに気をつけろよ」
ロゼはそう言いながら、僕の後を必死に追いかけていた。
そんな僕たちの目の前には、ゴールであるデモニースの町並みが見えてきた。




