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~~バイエル公国・魔映写室~~
――この画像は、きっと少し古い過去の画像だ。
ちょっと古ぼけてぼんやりとしていて、ちょっと視点が低い。
正確には地面から近い。
前に僕の少年時代が出てきた、路上のシーンと同じだ。
それは一つの駅が見えた。
(駅……仙台駅)
見えたのは仙台駅と書かれた大きな駅だ。
仙台駅の前を歩いているようで、もう一人の姿も見えた。
見たところスカートらしきものが見えたので、女性と推測できる。
残念ながら顔が見えない。
だけど、その視線が徐々に上がろうとすると不意に目の前が水で覆われた。
視界が一気に曇った。
「真衣……泣かないの」
「だって、永遠の別れなんでしょ……二度と」
「そんなことないわ」
そう言いながら、目の前が晴れてきた。
同時に一人の女性の顔が見えた。優しそうな女性の顔だ。
長い髪で、綺麗な顔立ちの大人の女性。
「ママ……うん」
「これからママがずっと一緒だから、いつまでも一緒だから。
もう蒼一のことは忘れなさい、パパはいないの」
「蒼一……パパ……」
「真衣、あなたは小さいわ。だからいくらでもやり直せるの。
あなたはなんの失敗もしていないのだから、だから泣かないで」
「ママっ」
その視点は、しゃがんだママにしがみついた。
やっぱりそこで視点が水で曇る。
そして、その画像は終わった――




