070
~~サタルカンド・スージス砂丘~~
再びここに来ていた、砂丘はリアルと違い昼間なので太陽が昇っていた。
ギラギラと照りつける太陽は、かなり暑そうだ。
見ているこっちまで汗をかく。
そんな僕とロゼは、ゲルプが釣りをしている後ろに待機していた。
意外かもしれないが、ゲルプは釣りスキルが高い。
まあ、ゲーム歴は三年だからみんな何かしらスキルは高い。
「でも、リアルで聞くなんてやるわね」
「生実さん……いやいやゲルプは、いろいろ上げているからね。普段から合成ばかりだし」
近くの岩場には、嫌味な釣り人も釣りをしていた。
そんな釣り人から少し離れた場所がゲルプさん。
よく見ると、青いズボンと青いジャケットだ。
「残念だけど私のスキルレベル76で、釣れるかわからないですぅ。
推奨は80からなので」
「いえいえ、釣れる可能性があるだけでもありがたいです」
「なので応援をしてくださいねぇ」
ゲルプが僕とロゼに応援を頼んだ。
「応援って?」
「釣る時に『漁師の舞』というスキルを使うんですぅ。
実は歌手のスキルでありますよ。
レベル1でも使えますし。これを使うと、パーティメンバーの釣りスキルレベルが上がりますよぉ」
「わかったわ」
そんなわけで、ゲルプの周りで歌手になった僕は、魚のような踊りをしながら歌う。
「ダサっ!」我ながら、この踊りに何の意味があるかわからない。
「お兄ちゃん頑張って」
応援するロゼは半笑いだ。まあ、ロゼにやらせるわけにはいかないからな。
渋々僕は『漁師の舞』を踊ろう。
両手を魚のヒレのようにゆらゆらさせて、泳いでいるような仕草。
その横で釣りをするゲルプ。
やがて、ゲルプの竿がしなった。
「ヒットした、しかも……」
「いきなりのぬし『マツヤ』!」
竿がしなって、ゲルプの体が海に吸い寄せられた。
「あたしも援護する」
ロゼがゲルプの体を支えて、必死に持ちこたえた。
ミシミシと釣竿がしなる。手には重さがしっかりとあった。
「重いっ!」
ゲルプが叫ぶ。竿が、今にも折れそうにしなっていた。
僕は踊りながら、祈るしかない。
踊りの手を止めたら、一時的に上げたゲルプのスキルが下がって逃がしてしまう。
「一気に引き上げるよ」
「うん」ゲルプとロゼが呼吸を整えて、一気に竿から引き上げた。
そして……
「釣れた!」
そこには巨大な一匹の青い魚がかかっていた。
紛れもなくそれは伝説の魚、『マツヤ』だった。
「やったよ、お兄ちゃん!」
「釣れましたぁ」
ロゼとゲルプは僕の目の前で、飛び上がって喜んでいた。




