068
~~デモニース・グラ・ホール~~
ここは文明レベルの低いオーガの国だ。
いきなり最奥の穴に僕らが来ていた。
周りの人間は、相変わらず廃人が集まる。
装備はめちゃくちゃ豪華な猛者の集団の中に、僕が紛れていた。
この前来た時は、レッドドレイクに瞬殺された僕。
しかし、廃人たちがつくるブンデスグルペの強さは桁外れに強い。
弱体をうっているうちに、レッドドレイクの体力が半分ぐらいまで減っていた。
「こいつで、トドメっ」
誰かの魔法が決まると、レッドドレイクはそのまま地面にひれ伏せた。
ほぼ完勝だ、ロゼの両手槍が倒れたレッドドレイクを貫く。
「おしっ、倒した!」
「十五連勝」
口々に勝利を確信して言葉を漏らす、廃人プレイヤー。
そんな僕たちの目の前には、立派な宝箱が出てきた。
さすがにウルトラモンスターになると、見たことない色の宝箱が出るな。
「今度こそ出るといいね」
「『火竜鱗』狙いよ、絶対に出てっ!」
レッドドレイクのあたりは『火竜鱗』だ。デモゴルゴン装備に必要だ。
これが当たると、総額二億ゴルダ。つまり、一人1000万ゴルダを手に入れる。
金を稼ぐにはこれを狙うしかない。
ロゼの考えだけど、金を貯めて交渉のテーブルにつく作戦だ。
「ドキドキ」
疾風艦隊の盗賊が慎重に罠を解除した。
そしてようやく宝箱を開く。ログにアイテムの名前が出てきた。
「あ~あ」
一気に興奮が、ガッカリに変わった瞬間だ。
そのまま僕らはエリア移動した。




