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とある少女がネトゲをやりまくった件(くだり)  作者: 葉月 優奈
六話:とある少女が祭りに参加する件
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~~キュベリオン・学術都市街~~


夕方、僕はゲームにログインしていた。

リアルで、何もできないで退屈していたロゼの散歩をさせないといけない。

ロゼが退屈だとやかましく騒いだからだ。

まるで、新手のペットを飼っているかのような気分だ。


キュベリオンの学術都市街に来ていた。

学術都市、そこはキュベリオンの研究する研究所が立ち並ぶ。

国立大学も研究所も、普段は厳かで知的な場所もハロウィンの雰囲気で賑わっていた。

普段はプレイヤーがあまりいないエリアも、イベントで訪れるとなれは人も増える。


もちろん、ハロウィン限定クエストをクリアするためだ。

そういえばロゼが取りついたあたりから、ハロウィンイベントやっていたんだよな。

あまり気にしなかったけれど。


「早く~、ハロウィンじゃん」

「元気だな、ロゼ。だいたい廃人なんだから、何度もクリアしただろ」

「そうね、ハロウィンクエストのアイテムは二十種類全てもらったわ」

ロゼはやっぱり胸を張っていた。


「今回も菓子集めか?」

「そうでしょ、子供探してお菓子をあげるとカボチャもらえるの。

たまに違うアイテムももらえるけど」

「合成成功確率アップの祝福とか?」

「そうねえ、あとはお菓子とか。まあだいたいハズレだけどね」


僕の隣を歩くロゼが急に立ち止まった。

それは、研究所前に佇む小さな男の子のそばに来ていた。


「ここだっけ?」

「この子よ」ロゼに言われて、早速話しかけた。

『お菓子をくれなきゃいたずらするぞ』NPCに話しかけると、お決まりのセリフ。

「はいはい、じゃあお菓子ね。ブラウ」

「ああ、手持ちがあるぞ」

僕はNPCの男の子に、ゲルプさんが作ったクッキーを手渡した。

ゲルプさんがいつもおすそ分けしてくれた、クッキーだ。


『ありがとう』

NPCの女の子は笑顔になって、ポケットから取り出した。


「これ、あげるね」

そう言いながら、僕は小さなカボチャをもらった。


「ちゃんとカボチャじゃない」

「ロゼはやらないのか?」

「あんただって、揃っているでしょ。

このクエスト、二年連続で同じものの使い回しだし」

「欲しいものはだいたい手に入れたかな。

それに、あそこにお菓子を売っているお店もいるのに」

「商売熱心ね、ぼったくりだけど」

ロゼは呆れた顔で、少し離れた通りで売り子をしているNPCを睨むように見ていた。


「だいたい、ここんところ同じイベントの使い回しが多いのよ」

「でも、最初の方は違ったんだぞ。ハロウィン」

「あったわね、おばけカボチャを倒すやつでしょ」

ロゼも同意してくれた、少しだけ嬉しい。

それに、その頃の記憶がロゼにあるのか。


「だけど、見たくないものを見たわ」

「どうした?」

「ハッピーハロウィン」

その言葉は僕らに向けたものだ。

通りのNPCと同化した女がいた。

シスター服にティーカップの耳長女、ゴモリが優雅に歩いてきた。


「ゴモリ、相変わらず出てくるな」

「お久しぶりです、どうでした?前回の最強のクエストは?」

「クリアしたわよ、これであたしたちの最強が証明できたわ」

「それはよかった」

「よくないわ、こっちは死にかけたんだから」

ロゼが腰に手を当てて、怒りを顕にした。

それをロゼは、ティーカップに口を当てて眺めるように見ていた。


「それは大変でした」

「全くよ、死んだらどう責任を取るつもりなの?」

「死が不幸とは限らないです」

「なによ……それ」

「さて、最近ちょっと忙しくなったので今回のクエストは手抜きさせていただきますよ」

「いいわよ、どんなモンスターでもかかってきなさい」

ロゼはやる気だ、隣で見ていても鼻息が荒い。

なんだかゴモリのペースに巻き込まれているようだ。


「今日はハロウィン、収穫を祝う祭りの日だよ。

もちろん、君らにはそれを楽しんでもらう嗜好を考えているさ」

「まさか、カボチャ集め?」

「正解」ゴモリはどこか嬉しそうにロゼを指さした。

そんなロゼは、どこか嫌そうな顔を見せていた。


「カボチャ集めたって……」

「ですが……不満が出ると思うので、今回は初の試みをしてみましょう」

「初の……」

「試み?」僕とロゼは不思議な顔を見せていた。

「ええ」そんな顔を、やっぱり満足そうにゴモリが眺めていた。



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