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とある少女がネトゲをやりまくった件(くだり)  作者: 葉月 優奈
二話:とある少女が競売所で悩む件
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024

バイエルの塔前にいる冒険者は入れ替わる。

クリアすれば、塔から出てくる。

またバイエルの塔で、お金稼ぎや攻略をする冒険者がやって来る。


それでも僕たちの目の前には、ロートが申し訳なさそうな顔で立っていた。

ロートが大きなバスケットを持って現れたのは、少し目立つ。

バスケットに入っていたのは果実だ。

色とりどりの果実は、見たことないものばかりだ。


「ロート?どうしたの?」

「あのね、これ。あげる」

「ロート、それって?」

「うん、この前菜園でとれた果実だよ」

ロートの趣味は家庭菜園だ。

前の家から、菜園をロートが一人で管理していた。


「それが?」

「あげるよ、リーダー」ロートが僕に差し出した。


菜園はログイン縛りがある。24時間おきにログインしないと枯れたりするからだ。

しかもそれを長いやつだと、リアルで一ヶ月毎日欠かさずやらないといけない。

よって、菜園をやらない人もかなり多い。僕もその一人だ。


ロートは、家を買った時からずっと丹念に水やりをやっているのを見ていた。

これはいわばロートのものだ。僕は畑に一切関わっていない。


「それはロートが育てたんだろう。ロートのものだ」

「違う……本当は、ロートが家を望まなかったら問題なかったんだ」

「ロート……」

「一億ゴルダも……ロートのせいなんだ」

「違うよ」僕はしゃがみこんでロートの頭を撫でた。


「僕は本当にお金の価値に興味がないんだ。

クエストでこんな大金を使うとは思わなかったから」

「それなのに……ごめん」

「気にするなよ、僕らは家族じゃないか。リアルよりも家族だ」

「リーダー……」

「ああ、僕たちは強い絆で結ばれている」

「それでも、リーダーには家のお礼をしないとです!」

「そっか……ありがとう、ロート」

僕はバスケットの果実を受け取った。

その価値はわからなかったが、ロートの気持ちだけでうれしかった。

隣では、ロゼがじっとロートのバスケットの中身を見ていた。

その視線を見たのか、ロートがロゼに顔を向けた。ニコニコ笑いながら。


「ロート……」

「ロゼさん、リーダーをよろしくです」

「え、ああ、うん」

「……好きなんでしょ」

ロゼはロートに言われて、顔を真っ赤にした。


「えへへっ、ロートも好きだよ。リーダー」

「なんの話をしているんだ?」

「内緒です」ロートは僕から離れるように可愛くジャンプした。


「じゃあ、ロートは落ないといけないからまた」

「ああ、またな」僕とロートは互いに

ロートはそのまま僕たちの方に離れて走っていく。

そんなとき、隣のロゼの表情が変わった。


「顔、赤くないか?」

「ば、ば、バカじゃないの?あんたが好きなわけ無いでしょ!」

「あ、おう」なぜか怒っていたロゼに、僕は戸惑ってしまう。

そんなロゼが、僕の持っているバスケットを指さした。


「ねえ、その黄色い果実って……まさか」

「どうした?」

「これは、『ゴールデンフルーツ』。超高額な素材よ。

一個1000万はくだらないわ!それが三個も!」

ロゼは、バスケットの中にある黄色の果実を見て驚愕していた。

ロゼがそのことに気がついたときは、ロートは既にこのエリアから移動していた。



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