012
三十分後、ロゼは疲れの色が濃くなった。
二人がかりでようやくとれた伐採ポイントも、一人ではまるで歯が立たない。
だけどロゼは、がむしゃらに諦めずに走っていた。
それでも淡々とグリュンは、集中を切らさずに伐採ポイントをとっていく。
完全に独占状態だった。
ロゼはそれを全力で追いかけるが、間に合わない。
「なんで取れないのよ!」
パーティ会話に、ロゼの愚痴チャットがたくさん残った。
疲れた顔で、必死に森の中を駆けずり回っていた。
「戻った」
「ブラウ、どうして……」
「ロゼ、いろいろ考えていたんだよ。離席しないと見えないこともあるからな。
ちょっとこっちに来い、作戦がある」
「えっ、今あたしは……くうっ、取られた!」
またしてもグリュンに先を越されて、悔しそうな顔を見せたロゼ。
それを見ながら、僕はロゼを呼び寄せた。そのまま耳打ちをしていた。
「なんなのよ?」
「いいか、よく聞け。この『伐採ポイント』には法則がある」
「はあ、法則?わけわかんないけど」
「ボス敵だって、攻撃の順番があるだろ」
「あるわよ、それがどうしたって」
「ポイントの順番にも法則があるとしたら?」
「まさか……ありえないんだけど」
「いいか、よく聞け。闇雲に動いてもしょうがない。
法則を完全に絞り込めたわけじゃないが、ある程度は制限できる。
最初に、あの木を1番とする……」
「それで?」
「あの木から、このエリアはほぼ右隣に2、3とふっていくと全部で十六本ある」
「そうね、それぐらいわかるわ」
木のほぼ中央で、僕がロゼをぐるりと見回した。
「仮に今1番の木でわいたとすると、次にわく木はそこからだいたい左右6本隣の方向に沸くんだ」
「そ、そんなの本当なの?」
「ああ、二回目の法則は、そこからさらに一回目と同じ方向に6本隣だ。
「まって、それなら6本ずつ隣にずれるだけなら、16本あるうちの8本にしかわかなくない?
それは違うような気がするわ」
「そこで、惑わすのが三回目だ」
「三回目?」
「そう。これだけは9本、どちらかに動く。
つまりは奇数。しかもほぼ後ろのどちらか二つに沸く。
これには法則がない、右か左か」
「まさかこれで……」
「後はヤマカンだろうね。
それとこれを3セット繰り返して、最後の十回でリセットされていた。
おそらく、それで法則性を解消しているんだろう。この十回目の法則」
「なるほど、そうね」
「というわけで……こっちは二人だ。いま、あそこに向かっているってことは次に出てくるのは……」
「わかったわ」
そう言いながら僕とロゼは一斉に走り出した。
そして、僕の読みどおりグリュンが伐採ポイントをとった瞬間に、目の前に伐採ポイントがわいていた。
「もらったっ!」
僕は斧を両手に握って、ポイントをゲットした。




