64きつね〜移転〜
「えっと、地図によるとこの先ですね......それにしても変わりましたね〜」
「そりゃ随分と前だもん、変わらない方がおかしいよ」
電車やらバスやら乗り継いで諏訪子神奈子がいるであろう神社に向かう
守矢神社か、ずっとご無沙汰だったからなぁ......覚えててくれるかね
木が生い茂っていた森林は住宅地へと変わり果てている、だが神社周辺の自然は残っているみたいだ
「アレですかね?」
「そう...だな、神力も僅かだけど感じる」
この神を信じない時代において、まだ神力があるのは流石と言ったところだろう。
今回、舞が外の世界に来たのには理由があった。
二柱を幻想郷に招くこと、このまま外の世界にいれば存在自体が消えてしまうかもしれない、そうなる前に連れ込もうと言う作戦だ。
神様ってのは信仰あっての神様だからね
「お邪魔しま〜す...」
「なんで小声なんですか...」
「いや、やっぱり長年会ってないと緊張するだろ?」
「そんなもんですか?」
こう、久しぶりに友人と会うとドギマギして会話が続かない感じだ
人間ってのはそんなもんだったのよ
懐かしい景色をグルッと見回す
すると箒で落ち葉を掃いている巫女さんの姿が見えた
「へぇ、何代目巫女さんなんだろうね。緑髪とは珍しい」
「幻想郷では結構居ますがね」
「あぁ確かに、雛さんとかな」
妖怪の山に住んでるからたまに見かけるんだよね、初めは厄が移るとか言われたけど能力があるから大丈夫だし
最近は店に来てくれたりする、勿論能力で他のお客さんへの厄は防いでいるぞ
「あ、こっちに気付きましね」
舞が駆け寄ってくる女の子を見ながら俺の肩をつついてくる
なんだ?最近の巫女さんってのは腋出しが主流なのか?霊夢の巫女服とほとんど同じような...
「参拝の方ですか?」
「あぁ....まあ、そんな感じかな。とりあえず、ここの神様のところに案内してほしいんだけど」
「えっ......信じてるんですか?」
「実際いるんだし信じるも何も...」
......あ、そうか。
こっちの世界じゃ信じる者の方が異端だったからなぁ
巫女さん驚愕の顔してストップしてるし
「おーい」
「は!!? あ、すいません、つい」
「いやいや大丈夫、イキナリだったね。取り敢えず案内頼むよ」
「あ、分かりました!」
巫女さんの案内で神社の中へと入っていく、結構広いけど....巫女さん一人なのかね
まあ、霊夢は何事もそつなくこなすからな。巫女さんってのは高機能なのかもしれない
うちの舞も巫女さん並みに高機能だったらな〜......いや高機能だわ。ただやる気が無いだけで何でも出来る奴だった
いつも俺に洗濯やら掃除やら任せやがって.....グータラニート鬼神め!働け!
「凌さん......帰ったらお仕置き」
「ぇ......どっから聞いてたんだ..?」
「やっぱり私の悪口考えてたんですね!!!キツくお仕置きしますから!!!」
「お前っ!!? カマかけやがったな!!!」
「お二方、お静かにお願いします。もうすぐ到着ですので」
「「はい...」」
それから少し歩き、巫女さんが立ち止まる。
はぇ〜...大層な扉だこと
如何にも神様って感じだ、大事な用とか神様達の会議とかで使ってた部屋らしい
俺が居た頃は無かったかな
「ここで少々お待ちください」
「了解」
小さく扉を開けて中へと消えていく。うちらはそんなお偉方じゃないんだけどね。
.....舞は鬼子母神だから...偉いのかもしれない......周りから見ればだが
「凌さん」
「ハイゴメンナサイ」
「やっぱりお仕置きが必要みたいですね...」
「お待たせしました」
内心ちょっと助かったと思いながら扉の中へ足を踏み入れる
向かって真っ直ぐ先に、後ろ姿を向けて踏ん反り返っている姿が見える
背中には大きな注連縄。昔のまんまだな
「このご時世に私達を信じる者が居るとはな、お前ら只者じゃないだろう」
背中を向けたまま偉そうに言ってくる
俺と舞は顔を合わせてニヤニヤしているし、その様子を見ている巫女さんはキョトンとしている
「随分と偉くなったじゃん、「神 奈 子 様 !」」
二人で声を合わせる
すると
「そ、その声は...!!?」
そう言いながらバッと振り返り
俺たち二人を見つめて停止する、数秒経ってだんだんと表情が変わる
嬉しさの笑顔のような恥ずかしさの笑顔のような、何とも言えない顔だ
「なんだい、随分とうるさいねぇ.........え?」
脇の襖から独特の帽子を被った少女、諏訪子も同様に停止したのち、神奈子と同じ表情になる
「いやー、久しぶりだな」
「二人とも元気でしたか?」
声に反応したのか、にじりにじりと歩み寄ってくる
目の前まで来て二人そろってギュっと抱きしめられる、けっこう痛いから力加減を考えてほしい
諏訪子は背の関係で、お腹に手を回して縋り付いている
「久しぶりじゃないよ馬鹿...」
「連絡も寄越さないでさ...」
「ごめん」
千年以上連絡してないと思う、俺たちのことを覚えててくれただけでも嬉しい
しばらくこの状態が続いた後、二人が泣き出して俺たちが慰めた
こいつらの泣くところとか見たことないんだろうなぁ......巫女さんは終始ポカーンとした様子だった
〜
この巫女さんの名前は東風谷早苗と言う、何でも奇跡を起こせるとか何とか、そして現人神......現人神ってなんだ??
まあそれはおいおいとして、今回は二柱に幻想郷へ招くのが目的だったので舞と俺で説明し、説得している
「〜と言うわけで、こっちに来ないか?」
「どうする神奈子?」
「私は一向に構わんぞ?早苗は?」
「話を聞く限り面白そうなので行きたいです!...それにしても凌さんと舞さんが妖怪とは!初めて見ました......気持ち良い...」
早苗は尻尾に抱きつきながら返答する、案外あっさり納得してくれたな。それだけ信仰が衰えているのかもしれない
「幻想郷には攻撃的な妖怪もいるから気をつけること、いいね?」
「はい!」
まずはスペルカードルールを教えないとな、霊夢と...魔理沙あたりに頼ってみようか
「それで、そっちの管理人には話が通ってるんだね?」
「はい、紫さんにも話しましたから。いつでも大丈夫です」
「それじゃあ......今日の夜にしようか」
「随分と急だね神奈子」
「善は急げって言うだろう?」
「それもそっか」
「なあ舞、神社ごと移転するんだろ?どうやって持って行くんだ?」
「凌さんが持ってるお札があるじゃないですか。それは、込める妖力の大きさで範囲が拡大するんですよ、だから凌さんの力加減が全てです」
「なにそれ...下手したらこの町ごと幻想入りの可能性もあるってこと?」
「そうですよ〜」
すっごい大役を任されたんじゃないかな...調整はしっかりとしておこう...
それにしても、場所は妖怪の山か...最初にやることは天狗との話し合いだろうなぁ...
「さて、今日は夜まで宴会だよ!こっちの世界に未練を残さないために飲むよ!!!」
「こっちのお酒は美味しいから期待しときなよ!早苗、倉庫の酒あるったけ持ってきて」
「そういえば凌は酒に弱かったか?」
「甘く見るなよ神奈子、これでも結構飲めるようになったんだからね?」
「へえ...」
蛇のようにチロリと舌を出して一睨みしてくる神奈子、ちょっとビクっとしたのは内緒
その後はいつも通りの宴会となる、幻想郷での生活のことや身の回りのことを話す
尻尾モフモフされるのは最早デフォルトとなっている
舞と一緒に住んでると話したら神奈子と諏訪子が舞を連れて廊下に出て行ったけど何話してたんだろ?
戻ってきたとき、舞は照れているのか顔が赤く、二柱のお二方はとても良い笑顔だったけど
そして夜になり、移動が始まる
この神社の敷地をほとんど持っていくんだ、そこそこの妖力を込める必要があるだろう
「凌さん準備オッケーですよ」
「じゃあ行くか、皆んな思い残しは無いね?」
「大丈夫だ【です】」
「じゃ、行くよ」
そう言って札に妖力を込める
そうすると札が光り輝き、俺だけでなく周りで立っていた舞や守矢一家だけでなく、神社を丸ごと光が包み込む
あまりの眩しさに目をギュッと閉じ、暫く固まった
「着い...た?」
「私が確認してきますね」
そう言って一気に飛び上がる舞
辺りを一望してから手で◯を作って見せてきた、成功したみたいだ
「成功だよ、よ「ようこそ幻想郷へ」.......紫」
「誰だい?」
「ん、グータラで仕事をしてないニート」
「ちょっと凌!!? 初対面の相手に本気でそう思われたら流石の私でも落ち込むからね!!!!??」
「ごめんごめん半分冗談だよ、この人は幻想郷の管理人で八雲紫って言うんだ」
「あぁ、アンタが八雲紫ね。舞から色々聞いたよ、凌と色々親しいらしいじゃないか...是非とも聞きたいことが」
「ええ、私も昔の凌の事など聞きたいですわ。ですがそういう話は後にしましょう。ここは天狗の山、色々と話し合いが必要ですし、そのあとは幻想郷のルールも説明せねばなりませんから」
「それもそうだな、案内してくれるか?」
「勿論ですわ」
「よし、諏訪子。行くよ」
「あいよ〜」
「舞は話し合いに来ても意味ないわね、じゃあ凌達はそちらの巫女さんに説明お願いね」
「あいよ」
「どういう意味かは聞きません了解です」
紫が開いたスキマに恐る恐る足を踏み入れる二人、今から大天狗とか天魔...華羅と話し合いだろう
華羅の性格からして、さっさと終わりそうな気がする
さて、早苗に幻想郷について説明しないとな
〜割愛〜
「よし、上出来だね」
早苗が撃ってくる弾幕を躱し終える
正直この短時間でこんなに成長するとは、かっこつけて言うけど何回か被弾してるからね...
弾幕ごっこ嫌いだ!!と言って殴り合いも好きではないけど
「飛べるって凄いです!!!気持ち良い!!!」
「凌さんお疲れ様です」
「あのテンションには疲れたよ」
幻想郷に来ることで飛べるようになった早苗は大喜びで空を舞っている
あった時に気付いていたけど早苗は結構な霊力持ちだ、外の世界じゃ宝の持ち腐れだったろう
「それじゃあ...次は実戦形式かな」
「実戦って...凌さんと?」
「いや、もっと良いのがいる。なんせ巫女さんだしな」
「同業者ですか!!? ライバルですね!!」
「いや、あいつは信仰とか興味ないし、神社って言っても神様いないんだよ」
「......それって神社の意味...」
「言うな...俺もわからん」
霊夢ならいい訓練になるだろう、顔合わせにもちょうどいい。同じ年頃だろうし、友達になってくれれば万々歳だ
「さて、行こうか」
「緊張します...」
「大丈夫大丈夫、周りはクセの強いやつだって言ってるけど慣れれば大丈夫だから」
「が、頑張ります...!!!」
「私は慣れましたから、早苗さんも大丈夫ですよ!! 勇気を出して!!」
それじゃあ博麗神社に向かって出発しましょ、そういえばこの時間帯って起きてるかな......?
御賽銭入れれば起きるだろ多分、いや、絶対だな
今回も閲覧ありがとうございました!!
見直しとかザックリとしかしてないので誤字などあれば教えて頂けると嬉しいです!!
ダラダラ続けますよ〜




