17きつね
とびます
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「出発だな」
「名残惜しいですね」
5年で出て行くつもりだったが先延ばししてたら10年経ってしまった。それだけここでの生活が楽しいって事だ。
「お二人とも、お元気で」
そう言ってくるのは白恋だ。仲間内で最も強く、責任感がある。次代頭領にするためにこの10年で鍛えてやった。
「お前もな。しっかりやれよ!」
「大丈夫ですよ。凌さん以上に真面目ですから」
「そうですね、前代よりはマシだと自負してます」
オイオイどういう意味だコノヤロー。
確かにそんなに仕事してないけどさ。だって妖怪が襲ってきて現場に向かうと既に風砥とか白恋が追い払ってるんだもん。
「はいはいそうですね。心配するだけ損でした」
「まあまあ、本当の事ですしね凌さん」
「うるせぇ!.....じゃあ、行くぞ!」
「はい!機会があったらまた何処かで」
「それでは白恋、よろしくお願いしますね」
「じゃあな!」
「お気を付けて」
ああ、大屋敷は白恋に押し付けてやった。10年住んでても使わない部屋があったな。なんでも開かずの間とかいう噂が立っているそうだ。俺が開けようとしたら仲間達に全力で止められた。
まああれだ。10年間は暇だった。それだけ。
俺と風砥は駄弁りながら山を下っていった。
〜
「凌さん、どこに行きましょうか?」
「京に行きたいんだ」
「京ですか?.....絶世の美女とかいう噂を?」
「噂の真相を確認しに行くんだよ」
「分かりました。京はあちらの方角ですね、行きましょうか」
風砥が指差した方角に向かって歩き始める。でて行く前に風砥が「飛べば良いのでは?」とか聞いてきたから「道中が楽しいんだよ!」と言って一掃してやった。
歩くことは良いことだぞ。運動にもなるし(特に必要ないけど)情報も入ってくる(襲ってくる妖怪を返り討ちにして聞き出す)からな。
「.....!!!」
ん?風砥の様子がおかしいな?
「凌さん...何か来ます...」
「わかってる」
背後からそこそこ大きな妖力がこちらに向かって来る。後ろを振り向いたが、あるのは通って来た道しか無い。
身構えていると声が聞こえた
「りょーうー!今日は頼みたいこt..ギャァ!」
急に現れたから反射で地面に叩きつけてしまった。凄い声がでたな。
おや?コイツは...
「いったーい!何すんのよ凌!」
「紫か、急に現れたお前が悪いぞ?」
「だからっていきなり叩きつける!?」
仕方ないだろ。誰か分からなかったし。
「えっと、凌さんの知り合いですか?」
「ああ、一様俺の友人だ」
「一様って何よ!?.....コホンッ、友人の八雲紫よ。よろしくお願いしますわ」
「風砥です、同じく友人をしています」
俺以外だと口調が変わるのな。いや俺だと変わるのかな?うん、胡散臭いわー
「で、何か頼みたいことがあるって聞いたけど」
「そうなのよ、実は私の幻想郷が完成したの!」
「へえ!凄いな!」
「それでね、妖怪の山って言う場所に天狗が住み着いたのだけどそこの連中が厄介なのよ。人間と共存なんて出来るかって言うのよ?プライドが高くて困るわ」
「それで?」
「話し合い(物理)に行くから着いて来なさい」
「俺は別に構わないけど。風砥?どうする?」
「面白そうなんでついて行きますよ」
「それじゃあ二名様ご案内ですわ」
俺達の足元にスキマが開かれて落ちていった。
〜
「ここが妖怪の山よ」
「代表と話したんだよな?」
「いえ、幹部みたいな奴らに門前払いされたのよ」
「それで怒ってるわけね」
「さあ行きましょう」
天狗の屋敷に直接スキマを繋げなかったのは刺激しないためらしい。今からバンバン攻撃するのにその配慮は必要だったのかね?
山に足を踏み入れると見張りの天狗に見つかった。
「ここは天狗のナワバリだ!即刻立ち去れ」
「凌お願い」
「はいはい。狐火」
尻尾は3本でいいだろう。幹部クラスは7本前後にするけど。
見張りの天狗が丸焼けになって倒れる。手加減はしているのでいずれ回復するだろう。
「天狗も結構速いですね」
そう言いながら攻撃を全て捌いて反撃する風砥。お前のスピードは狂ってるけどなー
「落ちなさい!鳥頭共!」
一番危ないのはコイツだ。敵味方関係なく弾幕張ってやがる、どんだけムカついてたんだろうな?
襲ってくる天狗、たまに妖怪もいたが全て返り討ちにしてやった。無論死者ゼロだ。その辺のことは紫も分かってくれていたようだな。
〜
「ここよ...」
「随分と大きなことで...」
「凌さんの屋敷の3倍はありますね」
屋敷の前にたどり着くと幹部らしき天狗が数名出迎えてくれた。
「お主ら...こんな事をしてタダで済むと思うなよ」
「あなた達に話はありませんわ、代表者を出しなさい」
「今天魔様はご友人との再会中なのだ」
「だったら通らせて貰うわよ」
「お主は先日の...! 性懲りも無くまた来おって!二度と来れぬようにしてやるわ!」
おーおー怖い怖い
「凌、全部よろしく」
「俺かよ、まあ良いけどさ!」
尻尾は7本解放してまずは様子見だな。そこそこ強いかもしれんし。
「はぁっ!小童が!掛かれ!」
そう言って数名が近づいて来る。確かに天狗だけあって速いが風砥ほどじゃないな。この程度なら...!
「よっと!いっちょ上がり!」
正直余裕だった。速さで撹乱させようとしたのであろう。だがその程度じゃ無理だな、俺は一人一人の腹部や首裏を狙って気絶させてやった。
「相変わらずお強いですね」
「そう言えば、あなたの本気見たことないわね」
「機会があったら見れるよ。さて、その天魔とか言う奴に会いに行こうじゃないか」
「そうね、行きましょ」
そう言って屋敷の玄関に目をやると二人が立っていた。一人は背中に大きな黒い羽を持ち、髪は赤く腰の辺りまで伸びている。その髪は一本一本が丁寧に手入れされているようで、美しいものだった。
もう一人は肩までの黒髪。そして頭にツノが一本。あいつは...
「凌さん!」
「舞!.....!?グフゥッ!」
全力で抱きついて来た舞のスピードによって吹き飛ぶ。結果、背中から木にぶつかって咳き込む。
「あらあら?舞ちゃんのお友達でしたか〜?」
「ゲホッゲホッ、...ああ、そうだ」
「お友達じゃないですよ、私の夫です」
「だれg「なんですってぇぇぇ!!!」」
紫が声をあげる、それも今まで聞いたことがない声量で。
「あらあら〜、舞ちゃんの夫でしたか〜」
「そんな訳あるか!」
「ええ〜、夜を共にした仲じゃないですか〜」
「してないわ!」
「りょ〜う〜?ちょっと聞きたいことがあるわ」
舞はどうしたんだ!?こんなキャラだったか?昔の舞は何処へいったんだ?あああああ紫が満面の笑みで近づいて来る怖い怖いめっちゃ怖い。
「ま、待て!落ち着こう!な!」
「私はずっと落ち着いていますよ〜」
更に強く抱きしめられる、痛い痛い息ができない!
「私の凌を放してもらいましょうか?」
「私のです!」
「力尽くで奪ってやるわ!」
この状況助けを求めようと風砥に目をやる。ダメだ!一行に目を合わせてくれない!
じ、じゃあ天魔様って人は!?これもダメだ!ニヤニヤしながらこっちを見つめてやがる!楽しんでじゃねーよ!
「鬼の力を舐めないでくださいよ!」
更に舞の力が強くなって俺の意識はそこで途絶えた。
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今回はこんな感じで。
京?思いついたらですね。
PV増えてくれるのが嬉しいです。
本当にありがとうございます。




