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真実か?好機か?それとも

「はい。信長様自ら供回りのみを連れ、殿の所へ。と仰っていました。」

明智光秀「……わかった。」


明智光秀「……どうする?もし殿が仰った事が真実であるならば、受け入れる態勢を整えなければならない。しかし……。」

 これ以上の好機は無い。

明智光秀「ここで殿を亡き者にしたとしても……。」

 真相を知る者は誰も居ない。

明智光秀「しかしもしこれが……。」

 織田信長が仕掛けた罠であったなら?

明智光秀「織田信雄の大軍が大挙押し寄せて来たら一溜りも無い。信雄は兄信忠の死の理由を知っている。出自に絡む事情から信孝とは仲が悪かったが、信忠との関係は良好。信雄は私を許す事はあり得ない。ん?もしかすると……。」

 織田信雄が織田信長の名前を使っている可能性もあるな?

明智光秀「殿の性格を考えた場合、一つ事を決めたら一目散になる御方。

『美濃に戻り自前の兵を整える。』

が今の殿にとって大事な事。目的は恐らく……。」

 2人の息子を亡き者にした明智光秀を討つため。

明智光秀「丸腰で私に会う理由は無い。となると此度の言付けの主は殿では無く織田信雄。ならば……。」


 安土。

織田信雄「父上。本当に光秀の所へ?」

織田信長「そうだが。」

織田信雄「危険であります。光秀は信忠と信孝を亡き者にした輩であり、父上も。」

織田信長「命を狙われたのは確か。しかし今は違う。」

織田信雄「それは口だけであります。」

織田信長「それはわしも同じ。」

織田信雄「では何故?」

織田信長「そうでもしないと……。」

 お前が光秀にいくさを仕掛けるだろ?

織田信長「『京が乱れた。織田家当主信忠が家臣に討たれた。』

この噂。3日もすれば上杉毛利にも伝わる。長宗我部に付いてはもっと早いであろう。奴らは色めき立って反撃に打って出る。柴田に羽柴。そして三好が窮地に陥る恐れがある。そこに……。」

 近江でお前と光秀が戦った話が加わって見ろ?

織田信長「そうなって困るのはわしらだけでは無い。光秀も同様。光秀の名では誰も従わない。誰か担げる神輿が必要である事はあいつも知っている。しかし現状、光秀が担ぐ事が出来る神輿は……。」

 織田信長しか居ない。

織田信雄「しかし光秀は……。」

織田信長「あぁ奴はわしと信忠が丸腰で京で寝ているのを幸いに狙って来た。後先の事を考えずにな?」

織田信雄「今もその考えに変わりは無い恐れも。」

織田信長「そこまで耄碌していたのなら、用いたわしの責任。是非も無い。」

織田信雄「わかりました。ならば……。」

 何かを伝える信雄に対し、

織田信長「いや、その必要は無い。」

織田信雄「えっ!?何故でありますか?」

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