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たっくんのお弁当  作者: 榛名のの(春夏冬)
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9話 肉巻き野菜の日

寝る前までキヨちゃんからメールで指示が来て、大量の肉は、そのまま冷凍したり、下処理をした後、下味をつけて冷蔵庫へ入れたりと結構忙しかった。

 野菜も浅漬けになる物は適当に塩もみして、ビニール袋に入れて冷蔵庫へ。


翌朝、お腹がすいて目が覚める異常事態にやっぱり大貴兄許さない!食べ物の怨みは怖いんだからね!とか思いつつ身仕度して、今日は多分ちい兄チョイスの紺のサロンエプロンをつけて、まず湯を沸かす。

 フライパンに油を引いて草履サイズ一歩手前のハンバーグを4個焼く。

 ニンジンをマッチ棒より太めに切りお湯で茹でる。

米を洗って炊飯ジャーに仕掛ける。タイマーで炊く時間を予約しておく。

 これでご飯は大丈夫!

ハンバーグをひっくり返す。ちょっと焼き過ぎた!

 小さなボウルにウスターソースと日本酒と砂糖を入れて泡立て器で軽く混ぜる。

 お酒は多めで、ウスターソースと砂糖は2:1くらいで、キヨちゃんは目分量だから、わかんないよ、と一応一言コメントしてた。

 味見した。もう少し甘かった気がする。ほんの少しだけ砂糖を足す。

 自己満足だが、これで、良かろう!

ハンバーグの両面が焼けたことを確認して作ったタレをかけて弱火で蓋をして煮込む。

 

 茹でたニンジンをザルに上げて色止めする。冷凍のいんげんを茹でる。これは色が鮮やかな緑に変わったらすぐに湯切りして色止めしないといけないとのこと。

 だから見張る!

……なかなか待つのは長く感じる。3~4分経っただろうか、色が変わった。ザルに上げて色止めする。茹でられてるか、心配で、1本食べてみた。ホッ。大丈夫!


冷蔵庫から、昨日焼肉のタレに浸けた牛バラ肉を取り出し束にしたニンジンの茹でたものといんげんを茹でたものに腹巻きのように巻き付ける。だいたい3重に巻き付けると綴じ目を下にしてフライパンで焼く。焦げないように弱火で蓋をして蒸し焼きする。

 お隣さんの煮込みハンバーグは、とてつもなくいい匂いがする、空きっ腹を宥めながら、ハンバーグをひっくり返す。

 肉巻き野菜も蓋を開けると焼き肉のタレの匂いが凶悪だ。ひっくり返してまだ赤みが残る所を蒸し焼きする。野菜には火が通っているので肉巻きの部分を焼くだけだ。焼き色がほんの少し付くように中火にして箸でコロコロ転がして全体を焼く。最後に焼き肉のタレを回しかけて更に蒸し焼きに。一ついんげんのを味見したらめちゃくちゃ美味しかった!

 僕、肉巻き野菜好き!


ハンバーグは真ん中につまようじを刺して肉汁の色を確認。透明です!出来上がり。


ポテトサラダを作る。ジャガイモを茹でてる間にキュウリをスライスして塩もみしておく。すまきもスライスして具の一つに。タマネギを向こう側が透けるくらい薄くスライスして10分ほど放置。こうするとタマネギの辛みが抜けるのだという。キヨちゃんすごい!

 ただし、新タマネギは甘いからそんなに神経質にならなくていいそうだ。サッとレンジでチンして柔らかくする。

ジャガイモが茹でれたら皮と芽を取り除いてマッシャーでつぶしてフレンチドレッシングを適量かける。隠し味なので、そこそこでいい。キュウリは、塩抜きして水を絞りきりタマネギのスライスとすまきのスライスと共にマッシュしたジャガイモの中に投入して塩コショウして混ぜる。マヨネーズを投入!滑らかになるまで混ぜ混ぜする。

 

 大貴兄が起きて来た!

そんな時間なんだ!慌ててご飯をお弁当箱に入れる。早く冷めてーー!

目玉焼きを9個作る。もちろん半熟。

お弁当のおかずをお弁当箱に詰めながら、朝食の支度もする。

レタスの敷き布団、ハンバーグ目玉焼き乗せでおかずの半分以上が埋まった。ミニトマトを2つレタスの上に乗せて、その隣にポテトサラダ。余白に肉巻き野菜をガンガン突っ込む。


「「「ふわぁあ~!いいにおい!」」」

起きて来た三つ子がお弁当のおかずの残り香をかいではしゃぐ。

余った肉巻き野菜を半分に切って目玉焼きの皿に添える。今日はパンをトーストしてマーガリンをたっぷり塗って召し上がれ!

手がべとべとになるから、おしぼりを3人の手元に用意した。

ご機嫌で肉巻き野菜を食べたが、手が止まった。

 何だかパンがご不満の様子。イチゴジャムを塗ってあげたら、ようやく食べ始めた。

真琴はイスを持ってご飯をよそいに行った。……自由だな、お前ら。真琴のトーストは僕が食べることにした。僕はジャムがあまり好きでは無い。口に含んで麦茶で流し込む。

半熟目玉焼きを自分の分のトーストに乗せて一緒に食べる。ジ○リ食べ。美味しい満足した!

 真琴はご飯派なのか。しかし、盛ってきたご飯を食べるどころか、何か、ショックを受けてフリーズしている。視線の先には、大貴兄のトーストの目玉焼き乗せ。


「あれ、食べたいの?真琴」


大きく縦に振られた真琴の頭。薄く切ったパンをトーストして真琴の目玉焼きを乗せてやり、真琴に持たせる。あぐあぐと夢中で食べてる。それは良いのだが、登園まで時間が無い。ノドに詰まらないようにミルクを入れてフォローしていると、目玉焼きを食べ散らかした寧々と凛々も飲めもしないのにミルクを要求する。

 この時間が無い時に!!!


「寧々と凛々はミルク嫌いだろ?ジュース出してやるよ。洸、お弁当包んでくれ」


助かった!大貴兄!

ホールサイズのケーキが入るタッパーに4つに切り分けた昨日焼いて冷やしておいたチーズケーキを入れて大貴兄の弁当箱の上に重ねておく。冷めたご飯とおかずに高速で蓋をしてミニふりかけを1人一つ添えてカトラリーセットと一緒にミニ風呂敷に包んで麦茶の入った水筒とエコバッグに入れる。

車の助手席に積み込みミッションコンプリート!

 いつもより遅い真琴の歯磨きを手伝って、3つ子の身仕度を整えたら、車の後部座席に乗せ爽やかに送り出す。


「洗濯!」


洗濯機を回している間に、洗い物をしてクイッ○ルワイパーで床の拭き掃除を済ませて天気が良いので塀に布団を干す。

すると、キヨちゃんの高級外車が後ろに軽トラックを連れてやって来た。

 軽トラックの荷台に乗ってたのは、良い味が出てるスーパー○ブだった。


「おはよう!たっくん。これね、主人が昔乗ってたスーパー○ブ。手入れはしてたけど、整備してなかったから、ちょっと診て貰ったら走れるって言うから、あげるわ。大事にしてね!」


「え、あ、ありがとうございます!整備代出します!」


「あら?誰にそんな事言ってるのかしら!あたくし、お金持ちのマダムよ!小さいことは気にするな!オホホホ!というわけで、明後日の日曜日は自分でバイトにいらっしゃい!裏口から入るのよ!」


「ハイ!!!」


「感謝の気持ちにチーズケーキをくれてもいいのよ?」


速攻でタッパーに1ホール入れて来た。

 キヨちゃんは、タッパーを受け取って頷くとスーパー○ブを残して上機嫌で去って行った。


スーパー○ブは裏庭に置くことにした。盗まれたら嫌だからだ。

後部座席にはコンテナを括り付けて荷物入れにする。

 洗濯機の出来上がりブザーが鳴ってる。

鼻歌交じりで洗濯物を干すと、スーパー○ブでお出かけ。米が無い。

5キロ4500円って安いのかな?

 とりあえず10キロ分メジャーな国産米を買う。スライスチーズを3袋と唐揚げさんという、付けるだけで簡単に味付き唐揚げができる調味料を2袋買った。


帰りの運転は、荷物で重心が後ろに集中したから、我ながら危ない運転をした。

 お昼は肉巻き野菜をたっぷり食べた!満足♬

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