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たっくんのお弁当  作者: 榛名のの(春夏冬)
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7話 お買い物①

大貴兄から電話があった。


『今日の弁当気に入ったって!月5万で俺と同じ量作ってくれって!金は今日徴収して帰る!安達さんによろしくな!』


「え?!大貴兄?!」


言いたいことだけ言って電話は切れた。

 

「大貴兄と同じ量?……安達さ~~~ん!!助けて!!」


※※※※※ショッピングモールフラワーガーデン


「はいはい、男の子が泣きそうな顔しないの!食べ盛りの男の子が4人ね!肉よね!肉!」


「あのう、肉巻き野菜とか、ポテトサラダとか、教えて下さい!リクエストされました」


「安達さんに任せなさい!さあ、買い物するわよ!」


「まず、お弁当箱と水筒とお弁当袋とお弁当包む大きな布からお願いします!」


「じゃ、雑貨屋さんの方から行きましょう。ちょっと歩くわよ!」


 僕は平気な距離だったけど安達さんは息切れしてる件。

フラワーガーデンの敷地内の端にある【ロザリア】という雑貨屋さんには台所用品の全てが揃っていた。

入り口近くの大きなカートを押して昭和レトロなお弁当箱を選び、お弁当袋にはマチ付きのエコバッグを人数分いろんな色をカートに入れ、お手頃価格の水筒を4本とお弁当箱を包む布は、小さな風呂敷の綺麗目な色を買った。


「ハシとカトラリーは大丈夫なの?」


カトラリーとは何ぞや?でもハシはわかった!


「無いです!……子供用のしか」


「あっはっは!子供用の使わせたの!笑っちゃうわね!じゃ、エコバッグとお揃いの色で買っちゃいましょう!」


カトラリーはスプーンとフォークのことみたいだ。お利口になったぞ!

ロザリアでの買い物が終わると安達さんは歩き疲れているのに、ムリをしてスーパーまで戻っている。

 ……アイスなら食べられるかな?

 安達さんは70代のおばあちゃんなのだ。気遣ってあげねばならぬ!


「安達さーーん、足疲れたから、ちょっと休もうよ?ほら○ーティワンでアイス食べよ!」


「ダメ!もうすぐお昼何だから余計な物食べないの!」


「じゃ、そこのベンチで休もう?」


「……仕方ないねぇ。10分だけよ?」


「ありがとう!安達さん」


「今日のお弁当は上手く行ったみたいだね。指示だけで作れるようになるなんて、順応力が高いわ!おばあちゃん鼻が高いわ!」


ベンチに並んで座ると安達さんもたちまち元気になった。相当ショッピングモールの敷地の端から端まで歩いたのが堪えたらしい。さっきまでは肩で息をしてた。


「安達さんのレシピがわかりやすいからですよ。助かります!」


安達さんは頬を染めて照れ隠しにバシバシと僕の肩を叩く。


「い、痛いであります!軍曹殿!!」


「だから、何で私が軍曹なのよ!もう!こんな可愛いおばちゃん捕まえて愛称が軍曹殿ってあんまりじゃない?キヨちゃんと呼びなさい!!」


「わかりました!キヨちゃん!お買い物では、何を中心に買いますか?」


「肉と調味料ね!毎日同じ味付けじゃ飽きちゃうから、本格的な調味料を仕入れましょう!お肉はスーパーで買って行くわ!さあ、休んだし、行くわよ!」


さっきより確かな足取りでキヨちゃんは僕の前を歩き始めた。


豚バラ肉、牛バラ肉、ミンチ、鶏肉のもも肉、味付けされた手羽中肉、【お買い得】【タイムセール】の品からごっそり買い物カゴに入れて行く。


「重いです!キヨちゃん!」


「あらあら、これしきで音を上げるなんて、○んこついてるのかしら?しょうがないわねー、ちょっと待ってなさい」


キヨちゃんはカートを持って来てくれた。


「女神さま~!ありがとうございます!」


「ホホホ、わかれば良いのよ!まだまだ買うわよ!」


お買い得商品を3万円分買い物した後、キヨちゃんの車までカートで押して行きキヨちゃんが持って来ていた巨大なクーラーボックスに買った肉をエコバッグから出して詰める。

 底には冷却剤が隙間無く入っていて、ヒンヤリしたクーラーボックスを閉める。

カートは、駐車場のカート置き場に置いて、キヨちゃんの車の助手席に乗る。


「次は、業○用スーパーね!野菜の直売所も付いててちょっと遠いけど安くて人気が高いお店なの」


「直売所?」


「ああ、たっくんくらいの年なら馴染みが無いか。農家さんが直接お店に置いて売るのが直売所。市場に持ってけないちょっと曲がったキュウリとか、味は問題無いけどちょっとだけ形の悪い規格外品をお安く売ってるのよ!」


ちょっと形が悪いだけで、安いの?不思議。そう言えばスーパーで売ってる野菜は真っ直ぐだし、絵で書いたみたいに破綻が無い。


「それは【お得】ですね!」


「でしょー?!でも、この学園都市で利用してるのは店持ってる人だけだから、ちょっと注目集めるかもしれないけど、私の買い物手伝ってるフリしてなさい。後は時間が解決するわ!」


「え?!……プロの料理人が使う店ってこと?キヨちゃん」


「ふふふ、君もプロの料理人なんだよ!お金もらって作ってるからね!」


「……そう言えば、そう、ですか?」


「いろいろ教えてあげるから、気合い入れなさい!」


「はい!軍曹殿!!」


キヨちゃんは道端に車を停車すると、僕にグリグリをした。


「誰が軍曹殿よ!!何回言っても解らない子にはお仕置きが必要ね!」


「イタタタ!!ごめんなさい!もう言いません!」


本人の前では!


キヨちゃんはひとしきり僕をグリグリすると気が済んだのか、また、車を走らせて目的地へと向かう。到着した先はそれほど大きな店でも無いのに広い駐車場はびっしりと車が止まっている。駐車スペースを探すのに、駐車場を2週した。


店の入り口でカートと買い物カゴをゲットするとまず、タレ関係の業務用サイズのお買い物を買い物カゴに突っ込んで行くキヨちゃん。メジャーなメーカーの焼き肉のタレ2リットルを2本とか、四角い大きな缶の謎のタレとか、ガンガンカートに入れる。カレーのルウは業務用の、バー○ントカレー甘口と○ャワカレーの辛口、顆粒のシチュールー、○味シャンタン、クレイジーソルト、ナツメグ、シナモン、オリーブオイル、トマトの水煮缶、業務用のクリームチーズ、同じくバター、賞味期限が迫って割引している牛乳を3パック、生クリーム。冷凍食品のいんげん、ミックスベジタブル、棒食パンを2本。驚く程大きなパン粉を1袋。おやつなのかお安いカステラとポテチを買って業○用スーパーでの買い物をフィニッシュした。

 一度車に戻って冷たい物をクーラーボックスの中に入れて他の荷物も後部座席に積み込む。結構一杯だ。


「直売所行くわよ!」


キャベツ、タマネギ、ジャガイモ、レタス、

ニンジン、キュウリ、ナス、ミニトマト、ガーーッと3袋づつ買って行く。キヨちゃん、うちの冷蔵庫に入らないよ?どうすんの?


「ジャガイモやタマネギ、ニンジンなんか、外に出しといてもある程度大丈夫だし、すぐに、使えるから大丈夫!キヨちゃんに任せなさい!」


「でも、キャベツは?3玉入れたら野菜室ギュウギュウだよ?」


「ふふふ、2玉今日使っちゃうから、問題無いわ!」


おお?キヨちゃんがやる気だ!

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