40話 買い食いと勉強の日々
そんな感じで金曜日の昼から土曜日の夜までテレビや音楽雑誌やファッション誌の撮影。
RENは何処に行っても堂々としていて、側に居てくれるだけでホッとする。
その分チェーンストアのレストランや、コンビニやお弁当屋さんでは、僕と渡会さんの出番だ。
割と美味しかったらしく、24時間営業してるファミレスは作曲するときに使ってるらしい。
ドリンクバーとサラダバーがお気に入りだ。
あと、ハンバーガーショップとドーナツ屋さんとフライドチキン屋さんは衝撃を受けていたので、学園都市のフラワーガーデン内に支店があると教えると案内してくれと体を揺すられた。
というわけで、平日の夕方、保育園帰りの真琴とリンゴくんを連れてフラワーガーデンショッピングモールに来ました!
「もうすぐ混む時間だから、先に食べようよ!REN」
「店が多い。何処にしよう……」
レアな困ってるRENの顔。ほらほら、リンゴくんが心配してるよ。
「テイクアウト出来る店ばっかだから、気になれば持ち帰って食べたらいい」
「たっくん、たっくん!リンゴくんアイスクリームたべたいって!」
「リンゴくんカップに入れる?コーンにする。コーンは入れ物も食べられるけど、ダブルにするなら、カップの方が食べやすいし、お腹もいっぱいにならないからまだほかのも食べられるよ?」
「んと、ダブルをカップでれんちゃんとたべる!」
REN困惑。リンゴくんの好みの味を聞いて僕がオーダーしたら、ちゃんとスプーンが2個付いてきた。真琴は1人で元気にトリプル。僕は甘いのはそれ程好きじゃないから、RENに2人を任せてフライドチキン屋さんで人数分フライドチキンをオーダーしてると何だか周りが騒がしい。タイムバーゲンでも始まったのだろうか?
クレープ屋さんのイートインで食べていると囲まれているのに気づいた僕らはどうしていいかわからない内に揉みくちゃにされた。
RENは抱き付かれてキスされてるし、僕は何だか怪しい触り方されてて気持ち悪い。
一応ファンらしいから、乱暴にも出来ないし、オマケに真琴とはぐれた。
リンゴくんがギャン泣きしている。真琴は大丈夫か!?
30分後、真琴がキヨちゃんと警備員を連れて現れた。
「お客様のプライベートを邪魔する者達は学園都市派遣業務法違反に問われる疑いがあります!今すぐ対象者と離れて下さい」
「たったこんなことで!?」
「いくら私たちが一般人でなくとも、プライベートで遊んでいる時くらいは、こんな真似は許されない!学園都市でそんなことをすれば、職を失うのは当たり前だ!」
ブチ切れてるREN。
キヨちゃんが冷たい目でやりたい放題の自称僕らのファンを警備員さんに次々バックヤードに連行させた。
「キヨちゃんありがとう!」
「アンタらもアンタらだよ!顔隠さずにうろうろするんじゃない!マスクでもしときな!買い物は終わったのかい?」
「「まだ、全然」」
キヨちゃんは僕らの服を整えるとファーストフードのテナントを警備員さんを3人連れて巡ってくれたのだった。
キヨちゃんは真琴が電話で呼んでくれたらしい。真琴、愛してる!ほっぺにチュウしてやるとドヤ顔された。
散々買い物して家に帰ると梶さんとジェルミさんがサラダを作って待っていた。
照り焼きバーガーとドーナツ、ポテトにフライドチキン、炭酸飲料をテーブルに広げるとパーティーの始まりだ。色が茶色っぽいので、フルーツポンチを作って添えたら、それも初体験らしい、吉川兄弟にたっぷり盛り付けてあげたら、食べる食べる!
作り方を教えて欲しいと言ったので簡易料理教室を開いた。
自分たちで作ったフルーツポンチはプライスレスのようで、RENとリンゴくんが作ってる所をデジカメで動画撮影したら喜んでいた。
お腹いっぱいになったら、子供達は梶さんとお風呂、ジェルミさんは後片付け。
僕はRENと英語の勉強。
そう、今日から、RENとリンゴくんは来年の春まで僕らの家で一緒に暮らすのだ。
そのくらいして勉強しないと来年春の入学は絶望的とのこと。
発音は洋楽で覚えて、RENは僕に単語を書き取らせてその意味を叩き込んだ。
1カ月続けると成果が上がって来た。何となく洋楽の歌詞がわかるようになったのだ。
10月になると芸能活動はますます忙しくなり、日曜日も奔走するハメになった。
8月に曲を作ってたおかげで、楽屋でするのは、英語の勉強だけになっていて、おかげで僕らは世界を目指してると、壮大な勘違いをされた。
それを収録中にナモリさんにイジられて、僕が英語が話せないことを暴露すれば、「普通皆話せないでしょ?」
と慰められた。
【DanceAgain】がそれ程ランキングを落とさず順調に売れているのでもしかして紅白歌合戦出場か?!なんて渡会さんが情報収集してたけど、10月になってもそんなめでたい話は何処からもきかなかったが、レコ大の新人賞の候補には挙がって夢のステージで歌わせて貰えた。
平日は相変わらずお弁当作りを続けながら、家事、勉強、時々キヨちゃんとお仕事と忙しい日々を過ごしていたら、冬休みのスケジュールが12月の頭に知らされた。
レクタングルミュージックエンタテインメントが主催する野外フェスへの出場、ポル・ジーアで3日に1度ライブ、RENとモデルの仕事。各種音楽雑誌の取材。Secondアルバムの発売イベント、正月三が日明けるまで、超絶忙しかった!人間辞めてた生活が終わると5日間のオフをもらって宮崎の温泉旅館へジェルミさんと梶さんも連れて真琴、リンゴくん、REN、僕、由美さんと匡史さん夫妻と3泊4日の旅行。真琴とリンゴくんとジェルミさんがはしゃいであちこち引っ張り回された。
ブランド牛の料理が美味しくて最高だった!海の幸も堪能したし、温泉は広くて雰囲気良かった!
お土産に漬け物と温泉水を汲んで学園都市に帰った。
医大の冬休み明けになると、家事はジェルミさんに丸投げし、お弁当作り以外は、英語の勉強をRENに詰め込み学習された。
英会話は解らない所もあるが、半年前に比べると同一人物かと思うくらい上達したらしい。発音が抜群だとジェルミさんに褒められた。
自信がつくとあれだけ苦手だった英会話がウソみたいにスラスラ話せるようになって、単語を覚えるのも苦痛ではなくなった。
そして受験の日がやって来た。
真琴から手作りの御守りを渡された。
「ありがとう真琴。頑張ってくるな!」
「たっくん、リラックスだよ?」
今日は真琴の誕生日でもある。寧々と凛々にはクレッシェンドのドレスを送った。白いバラを添えて。真琴にも高級パステルと赤いバラを添えて送った。夕方に配達されるだろう。
学園都市高等科の教室はさすが学園都市!というような設備が整っていた。
あれ?僕リラックスし過ぎじゃない?
英語以外の科目も何の問題も無く簡単に解けた。思ってた以上の手応えに逆に不安になった。
新聞に載った解答を見て、ほら、良かったじゃないか、と安心する僕と、名前と受験番号を書いたか、心配する僕の前に真琴が正座して深々と一礼した。
「あなたはごじしんでみちをひらきました。おめでとうございます」
ちい兄みたいな真似をして僕の不安を取り除いてくれた。僕は真琴が愛しくて抱きしめた。




