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たっくんのお弁当  作者: 榛名のの(春夏冬)
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38話 真琴のつぶやき(side真琴)

1日1回お電話くれるって言ったのに!もう、忘れてる!たっくんの嘘つき!!

 僕が側にいないと、紐の切れた風船みたいに飛んでっちゃうんだから!


「ほいくえんやすんで、ついてけばよかった!」


「それはダメでしょ?まこちゃん」


「リンゴくん……だって、もうわるいむしがついてる」


僕の占いにそう出てる!

 しかもしつこくたっくんの事を狙っている。何で離れられないんだろう?

 たっくん、用心深いのに。

トランプをシャッフルして並べて展開すると、逃れられない仕事。助けはハートのジャック。

カンさんにメールを送る。


【たっくんにわるいむしがついてる。くじょおねがいします】


返事はすぐ来た。


【がんばってみるけどムリっぽい。ごめんな】


「ウキーーーィ!!」


頑張れハートのジャックさん!お願いたっくんを守って!


3日後やっとたっくんから連絡があった!

 海外出張してたらしい。

昨日の夕方に食べた美味しいマカダミアンナッツチョコのお土産はそこで買った物らしい。

たっくんが反省してるから許すけど、まだ、この悪い虫がたっくんにくっつくみたい。


むむ~!どうしてやろうか?

それから1週間後の夕方、おうちに帰ってテレビを付けてリンゴくんとお絵描きしてると、たっくんのダンス映像が芸能コーナーで、紹介された。

たっくんの前で踊りながら歌うのがたっくんにつく悪い虫だとわかった。大して上手い歌でもないクセに!激しいダンスでごまかしてる。

 ハートのジャックさんはたっくんと並んで踊っている女の人だというのもわかった。

 たっくん、セクシー過ぎない?僕が幼児だから、性的に興奮しないだけでリンゴくんもジェルミも真っ赤な顔でテレビ見てるからね?梶さんなんか、目をそらして、キッチンに逃げ込んだし。


 僕には誰にも言わない秘密がある。

昔の日本で男子として生まれて78才まで一人で生きた孤独な一生の記憶が。

 だから3才にしては早熟なのだ。

前世でも画家だったから、今世でかなり、助けになってる。

 次に描くのはこのセクシーなたっくんにしよう!このたっくんは僕が貰う!

 もともとたっくんは僕だけの物何だからね!この害虫になんか渡すものか!


その夜の生放送の音楽番組でもたっくんは誰より輝いていた!ひな壇に座っても、そこだけライトが当たっているようだ。

 同じひな壇にいるアイドルやアーティスト達もチラチラとたっくんを見てる。たっくんは害虫に話し掛けられてて無茶苦茶機嫌が悪そうだった。

 そんなイヤそうな顔も素敵なたっくん!

そこにアズ・クラの麻人さんが来て爽やかに害虫駆除をしてくれたが、害虫はまだ、たっくんを諦めてない。


司会者が害虫を呼ぶとたっくんとハートのジャックも付いていく。


『たっくん?大人っぽいダンスだけど踊ってて鼻血出したりしない?』


『自分で自分に興奮するヤツは変態です!』


『確かに!アハハ!じゃ、他の2人見ては?』


『このダンス、そんな余裕無いくらい難しいんです。僕には踊りきるだけで精一杯です!』


『トレーゼはどうよ?』


司会者のナモリに話を振られたアイドルグループは苦笑している。


『鬼ムズ!!それにあんなセクシーに踊れないっちゅーの!俺らが踊ったら台無しになるね』


『三澤さんの2人を見る目が犯罪者だしね』


トレーゼね!覚えて応援してあげる!

 やっと犯罪者を自覚を促すことが出来たし!

カメラも犯罪者より、バックダンサーのたっくん達を映していた。

 たっくんは他のTV番組にも良く出ていて、お家に帰ったらリンゴくんと3日に1度届く地方のお土産を食べながら予約録画した番組を見るのが、日課になっていた。

 お電話も海外出張しないときには必ず毎日かかってくるし、それが何よりのファンサービス(?)だ。デコったウチワもリンゴくんと作った!「たっくん」と「キスして!」だ。

 

「たっくんげいめいかんがえないのかな?」


「もう、たっくんでいいじゃない?」


「うーん、ますますぼくだけのたっくんじゃなくなってく」


「でも、毎日TVで見られていいじゃありまセンか?」


「ジェルミ、そうじゃないの。なんかそれはちがうの!」


玄関のベルが鳴る。ジェルミがお腹を揺らしながら駆けて行く。

 そしてニコニコ笑顔でリビングに帰って来た。


「アズール・クラーロのカンさんからお手紙です」


アズ・クラのカンさんは管 美咲というのが本名らしい。女の人みたいな名前。

普通のお手紙より大きい茶封筒の封を切るとチケットが4枚出て来た。


【Prometerファーストライブチケット】


日時は今週の日曜日の11:30~。場所は東京の音無市。どこそこ?


お手紙がついてたので、読んだ。


「れんくんとたっくんのデビューライブです。みんなできてね。かいじょうはおとなししのポル ジーアです。カンさんより!」


「れんちゃんもげいのうじんになるの?!」


僕にはわかってたから、リンゴくんに落ち着けと促す。


「ジェルミ、つれてって!ぼくとリンゴくんとかじさんを!」


リンゴくんとぼくはジェルミのポヨポヨのお腹にタックルした。

梶さんは、俺は良いから、由美さんを誘ったらどうだ?と言ったので、由美さんを誘いに行ったら、匡史さんも行きたいらしい。

 ジェルミは、外でも聞こえるから、匡史さんも会場に入って聞けばいいと同行を許してくれた。


日曜日、朝一番の飛行機で東京へ。

空港から近いからとジェルミが空港内の回転寿司屋に皆を連れて行く。

 リンゴくんは初回転寿司に大はしゃぎ!でも、必死に静かにしてた。回るレーンに載せられたいろんな寿司を皆でお腹いっぱい食べた!

10:00までお土産を由美さん達は山ほど買って宅急便で家に送っていた。

 ジェルミも海外留学してる息子さんにお饅頭やセンベイを送っていた。

 ポル ジーア行きの大型バスに乗って山の中の廃校をリノベーションしたライブ会場ポル ジーアに着いた!

校庭は人でごった返していて、校門でチケットの確認をされて、ジェルミは近くの美味しいケーキ屋さんで待ってると道の向こう側の古民家に歩いて行った。

朝礼台の場所に立派なステージが組まれていてそこの右手にキーボードが乗っている。

僕らは校庭脇のステージと同じ高さになっている階段横のベンチに座って観ることにした。大きなスクリーンがあって、どの場所からでも観られるのだから、あんまり欲張って人で潰されて泣くようなブザマな真似はしたくない。それに奈良さん夫妻に爆音を聞かせるのはキツいだろう。

校庭は人で埋まった。2000人くらい居るんじゃないだろうか?

 

11:00 前座の名前も知らないアイドルグループが前座を務める。女性ファンがいるようで少ない声援が飛んでいた。

僕とリンゴくんは昨夜作ったばかりのデコウチワを背中のリュックから取り出して構えた。

 リンゴくんは、「れんちゃんがんばれ!」

僕は「たっくんキスして!」である。由美さんと匡史さんにも「Prometerおめでとう!」を1個づつ渡してる。

 2人は、扇ぐのに丁度いいと僕らに帽子を被せて、たっくん達がステージに現れるのを待った。11:30ぴったりにいつの間にかキーボードの前に恋くんが立っていて前座のアイドルグループがステージから捌けるとたっくんが、バックダンサーを4人連れてステージに立った。人の歓声が暴力的だと思ったのは初めてで、たっくんが心配になってきた。

恋くんが演奏し始めると凪の海のように観衆は静かになった。

1曲目はノリがいい曲【DanceAgain】


【もうイヤだって言う割りにはノッてるじゃない?相手が僕ならいいなんて、どんな嬉しがらせ♬・・・】


激しいダンスのちょっと意味深な歌詞だったけど、たっくんにドストライクの歌だった。

 その後は恋くんとたっくんのハーモニーが心地良い応援ソングが続いて僕らは曲に合わせて体を左右に揺らしてた。初めてのコンサートは2時間に渡りアンコールの【Blackstar】で幕を閉じた。もちろん僕はノリノリでたっくんの歌を聞きながら歌った。

 DVDが欲しくて物販に並んだらたっくん達が握手会をしてた。

 DVDとCDを2枚づつ買ってサインして握手してハグしてもらって大満足した!


「9月に帰るからね、真琴」


お腹が空いたので、美味しいケーキ屋さんでジェルミと合流して今度は空港内の人気ラーメン店で夕食を食べた。

楽しい一日でした!


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