魔獣との出会い 2
「でね、魔獣が土砂に巻き込まれてて……」
洞窟の結界に戻りトリスに今日の事を話す。
「ふむ、魔獣の気配など最近はしなかったと思うが、この間の嵐で何処からか迷い込んだのかもしれぬな…
何にせよ茗が無事で良かった」
「正直なところ限界ギリギリだったから運が良かったのかな? それとも一応恩返しとか?してくれたのかな〜」
「それは分からないけど、今度何かあった時は念話で我を呼んでくれ。お前にもしもの事があったら創世神様に顔向けできぬぞ」
トリスはそう言って私を抱き寄せる…
「…はい…ごめんなさい。次からは気をつけます」
嬉しくて顔が緩んでると思うけどしょうがない…
前世では愛情を感じる事がほとんどなかったからトリスの優しい眼差しと抱きしめてくれたりする行動は凄く嬉しくて照れてしまう…
「じゃあ今日は一緒に寝るとするかね」
私は無言で頷きトリスの翼の中に入って丸くなる。
翼の中はあったかくて包まれてるとすぐ眠くなってしまう… 世界1安全な場所だしね…
* * * *
次の日も森の見回りに出ていた。
「どうやら後は自然に任せても大丈夫そうかな?」
『うん! ありがとう茗!あとは僕たちでお世話するから大丈夫だょ』
森の精霊達は自分のお気に入りの場所に飛んでいった…
「この後はどうしよっかな〜?」
今日は霊樹の森のかなり南まで来てるので、森の外の草原まで行ってみようかな〜もしかしたら鳥系の魔物がいるかも!お肉はやっぱり熊とかより鳥の方が断然美味しいからね!トリスも好きだし♪
「よし!これで5羽目!」
大きさはダチョウより大きいフラミンゴの様なピンクの魔物を仕留めて空間収納に入れてく、この魔物はラブバードと言って羽根は恋愛運アップアイテムとして人気だから、見つけた時はすぐ素材の為に討伐するようにしてる。足が早いから難易度が高いけど足を動けなくしてしまえば良いと気付いてからは簡単になった。
休憩がてら草原に寝転ぶ…
「気持ちいい〜♪」
日差しも綺麗で陽気も丁度暖かかったのでついウトウトとしてしまう…結界も張ったからちょっとお昼寝…
* * * *
…なんだろう…トリスと一緒に寝てるような感じ…?でも鱗というよりモフモフしてるような…
まだ寝ぼけてて目がすぐ開かないけど手探りでさわさわしてみる…
『くすぐったいんだが…』
??????
「っえ?」
びっくりして起き上がるとこの間の魔獣が私の隣に寝そべっていた
夢かと思ってもう一回モフモフにダイブしてみる…
『だから!くすぐったいって!主は目が覚めたのだろう?』
「あれ?夢じゃない」
抱きついてモフモフしながら答える
『我が命を助けていただいて感謝する。昨日は状況が分かっておらず、失礼した』
魔獣がお辞儀をしてお礼を言ってくれた…
「そんな! お礼言われるほどの事でもないし!でも助かって良かったね」
モフモフが気持ち良くて手が止まらない…
「喋れるんだね!どっから来たの?」
『必要がない限りは喋らないが、恩人に礼を伝えるためには必要だから……あの……そろそろ手を止めて貰えないだろうか…』
「あ!ごめんなさい!余りに気持ち良くてつい…」
『……』
『…我が怖くはないのか?』
「そういえば…怖くないかも! 昨日は…怖かったかな?でも瞳が凄く綺麗だなって思ってたょ」
『⁉︎…そうか…人は大体我を怖がるもんだと思ってたんだが…』
ちょっと居心地を悪そうに魔獣は遠くを見ている…
瞳は深い藍色でとても綺麗…体毛は黒だと思ってたけど黒に近いダークグレーで鼻筋だけ白く首回りの毛がたっぷりで触りたい… ダメかな? …触りたい 欲求と好奇心が勝って触ってみる…
『…‼︎』
ビクッとして後ずさってしまった…
「ちょっと触りたいんですけど…ダメですか?」
『…恩人の頼みとあらば…』
1歩2歩近づいて触りやすいように座ってくれた! めっちゃ可愛いんだけど、どうしようっ!
モフモフモフモフ
モフモフモフモフ
モフモフモフモフ
『…もういいではないか?』
「もうちょっと〜♪」
モフモフモフモフ
モフモフモフモフ
「気持ちい〜♪なんでこんなに気持ちいいの?」
『寒いところで産まれたからだと思うが…周りは皆白銀や白だったから異形としてすぐに群れから捨てられ、他の土地へ行っても魔力が高すぎて恐れ襲ってくるか逃げていくかだった…主の様に我に触るものなどいない…』
「大変だったね。…それなら昨日警戒したのも分かる…」
魔獣はちょっと寂しそうだった…凛とした姿はカッコいいけど、一人でいるのはやっぱり寂しいよね…私は前世リアル友達がいなかったからずっと寂しかった…ファンと友達はやっぱり違うよね…
『…』
「ねぇ、私と一緒に来ない?」
『…なに?…』
「どこか目的の所があったわけじゃないんでしょ?ここで私と一緒に暮らさない?」
『意味がわからぬ…』
「え?友達になってょ!
私あんまり知り合いとかいないから友達になってくれると嬉しいな〜って思ったんだけどダメかな?」
『…』
『…無理だな…』
「なんで〜?」
『我といると、余計な災いが起こるやめといた方がいい』
「2人なら平気だょ!」
『…』
『なんでもう一緒にいる前提なのだ?…』
「だってもう友達でしょ?」
『そうなのか?』
「私もう貴方の事大好きだもん♪こんなに気持ち良いモフモフ手放せません!キリッ」
『…』
『…モフモフ好きなだけでは?…』
「モフモフはもちろん好きだけど今会話してみて、一緒にいる事が普通だなって思ったから…ダメかな?」
『我ら魔獣は群れたりはせぬ……
あるとするならば主従契約しか無い。』
「え?主従契約?…友達じゃないじゃん」
ぷうっとむくれてみる。
『主従契約すれば常に我は主といれる…我は影にも潜めるし空も飛べるから便利だと思うが…?』
「‼︎っ凄いんだね!一緒にいれるならそれでも良いのかな〜?」
一緒にいれるのは良いけど、契約ってのが気になる…
「契約って何かするの?条件とか見返りとかは?」
『契約はお互いの魔力を登録する事で魔力の繋がりが出来お互いにサポートも出来るようになる。どれだけ離れても念話が繋がる事だな。契約解除はお互いの魔力を抜けば終わりだ。』
「…契約解除したら食べちゃうとかないの?」
『…あるかもしれんが我は人間は食べない…』
「じゃあ、どっちかが離れたいって思ったら解除するって事で良い?」
『良いが…本当に我と主従関係するのか?我といると問題に巻き込まれるぞ?』
「それは全然平気〜。ここにいる分には問題ないと思うし、町とかは確か従魔の印をつければ大丈夫だったと思うから問題ないんじゃない?」
『…印?そんなものがあるのか…』
「前に他の町で聞いたんだ!だから大丈夫だょ」
『そうか…我は主に助けられた恩があるから異論はないぞ』
「じゃあ決まり♪ 嬉しい〜♪」
『では魔力を登録するぞ』
「うん!」
お互いのおでこを付けて魔力を体に纏ってお互いに魔力で包む…
「繋がった!」
『うむ』
『主よろしく頼む…』
「えー?主なんていやだ‼︎茗で良いよ」
『む、そういう訳には…』
「め・い!以外は受け付けません!」
『…了解である…我に名前をつけてほしいのだか?』
「私が決めて良いの?今まで名前はなかったの?」
『ない。茗に決めて欲しい…』
「ん〜♪どうしようかな〜」
瞳が藍色だからタンザナイトとかラブラドライトって感じだけど…青藍とかでも? うーん…ペット飼った事ないから名前とかつけるの苦手… 黒曜とか?藍色って確か藍色ともいうんだっけかな?…藍って良いかも♪
「藍っていうのはどうかな?瞳の色と同じ意味だょ!」
『藍…うむ、では我は今から藍と名乗ろう』
「藍よろしくね!」




