昇格試験
修練場はそれなりに広く何人か訓練していたりスクールなのか先輩に教えてもらってる感じの若い子もいた。
「ランク上げの試験は結界内に呼び出した魔物の討伐だ!結界を張ってあるから 武器も魔法も何を使っても構わない。もし怪我をしてもポーションがあるから大丈夫だ。時間制限は一応ないが、あまり長引くようなら止める事もある。倒すか降参するまでが試験になるが質問はあるか?」
副ギルド長のフラビオさんが説明してくれた。修練場の結界は魔法陣で補強されてるみたいだから余程の方がない限り壊れたりしなさそうだから安心かな?あとは…
「従魔も一緒でも良いって言ってましたけど、もし従魔だけで勝ってしまった場合はどうなるんですか?」
そんな気は無いけど一応確認してみる。
「従魔を上手く使える事も実力のうちだと考えてるが、連携した攻撃をしてもらえればと思う。」
「はい、わかりました!」
「試験官は私とAランク冒険者のカーティスとBランク冒険者のスザンナでみる」
副ギルド長のフラビオさんが試験官になる2人を紹介してくれた。
カーティスさんは20代後半くらいのライオン?の獣人の人でたてがみがあるなんだかパワーを持て余していそうな男性で、スザンナさんは20歳くらいの髪が金髪のスタイルの良い美人さんでローブ姿だから魔法メインの人かな?
「皆さんよろしくお願いします!茗と言います。こっちは従魔の藍です。」
「カーティスだ!この街を中心に活動してる。今日は1人だがパーティを組んでいる。試験たのしみにしてる!」
「スザンナよ。水と回復魔法が得意なの!茗ちゃん可愛いから良かったら私と組まない?歓迎するわ♪」
「何言っているんだよスザンナ!可愛い女の子だと直ぐに誘うのは辞めろといつも言ってるだろう…。全く…お前の着せ替え人形にしたいだけだろう…」
うーん…スザンナさんにはあまり近づかないでおこう…
なんとなく身の危険を感じる…。副ギルド長も大変なんだな…
「では結界の中に入ってくれ」
副ギルド長に促されたので中に入る。広さはテニスコート2面くらいかな?
「では魔物を召喚するぞ!」
副ギルド長の少し後ろにいた杖を持ったローブのフードを被ってる人が呪文を詠唱している…
召喚魔法は知らないから何て言ってるんだろう…興味ある。
結界内に魔法陣が浮かび光ると魔物が召喚された!
!!!!!!!!!!!!
え?ヘビ?ちょっとデカくないかな…あれは確か…サンドスネークかな。 鑑定を使って確認するとやはりサンドスネークだった。毒を持ち動きも早い、おまけに毒の吐息を吐くらしい…結構えげつない魔物が試験内容なんだ…なんて考えてたらサンドスネークが高く持ち上げた鎌首で攻撃してきた!
シールドを張って防いだけど!思ったより早い…
大きく開けた口には牙があり、確実に噛まれたら毒に侵されるであろう。毒が滴って地面に落ちて少し溶けている…
何度かの攻撃を防いではいるけど体格もいいからその都度後ろに少し飛ばされて…もう後がない!
サンドスネークが今までよりさらに高く首を掲げて攻撃に備えてる!
「藍!」
サンドスネークの攻撃が届く前に藍が私を拾って上空に逃げてくれた。
「ありがと!藍ちょっとパワーがありすぎて…」
『スピードも素早くてなかなか厄介だな。どうする?』
藍と仕切り直しをしていた時!ゾクッと危険を感じ!シールドを全面に貼ると!!
ガキンッッ!!
なんとサンドスネークがかなり高い位置にいたにもかかわらず、ジャンプして攻撃してきた!!
「びっ…ビックリした〜!!何あれ?」
『すまぬ、我も侮っていた!』
サンドスネークは上空を見上げながらシューシュー言ってる。
「なんかムカついてきた…動きが素早いなら鈍くなるようにしてあげる!グラビティ!」
重力の魔法をサンドスネークにかける…ムカついたので10倍ぐらいにかけてやった。
サンドスネークは押しつぶされ首をあげる事も出来ないみたいだ…
藍と地面に降り立ちサンドスネークと距離を取りながら2手に分かれる。
「藍ちょっとの間足止めしてて!」
『承知した!』
グラビティを解き藍がサンドスネークの周りを素早く移動して目をそらしてくれてる。 でも牙に風魔法ものせて所々きりきざんでく…藍もムカついてたみたい…
その隙に地面に氷結魔法を使い結界内を徐々に冷やしていく…
「藍ありがと!」
藍が私の前に降り立ち牙を向いて威嚇してる。
サンドスネークは先程よりも怒ってるのか目が血走ってる。口をさらに大きく開けて首を高く上げながら攻撃しようと狙ってるが途中でサンドスネークの動きが止まった!!
「残念!もう半分凍らせちゃったょ!」
サンドスネークは半身が凍りつき、どんなに動こうとしても動けないみたいだ
「これで終わり!!」
氷結の速度を上げてサンドスネークを一気に頭まで凍らせる!バキバキッと凍っていき最後は風魔法でバラバラに砕く…
「よし!なんとかなったかな?」
『うむ、我らの敵ではないわ』
藍と結界の外へ歩いて行きながら、外を見ると副ギルド長のフラビオさんはじめ修練場にいた人が固まっていた…。あれ?やりすぎた? ムカついてあんまり考えずにやっちゃった…
「藍何かやらかしたかな…」
『我にはわからんが…やらかしたのであろう…』
とりあえず試験官の方々の元に行き声をかけてみる…
「魔物は倒しましたけど試験の結果はどうですか?」
声をかけたら1番先に復活したのは副ギルド長のフラビオさんだった
「はっ!! ああ…問題なく合格だな…な?」
カーティスさんの肩を叩きながら合格と言ってくれた。
カーティスさんもスザンナさんもコクコク頷いている。
「ありがとうございます!藍やったね!」
藍をモフリながら喜んでると…
「こちらの手違いで予想より強いランクの魔物が出てしまったんだが、怪我もなくて何よりだ!倒したことのある魔物だったのか?」
「いえ、初めて見ましたけど、図鑑で見て記憶にはありました。」
「そうか…初めてか……じゃあギルドカードの手続きがあるから待合で少し待っててくれ…」
「わかりました。藍喉乾いたから飲み物でも飲もう〜」
未だに惚け気味の方々を置いてそそくさとギルド内に入る……
* * * * *
「茗さんこちらへどうぞ」
藍と飲み物を飲んだ後椅子に座って待っていると、最初に受付カウンターで対応してくれた狐耳のお姉さんが呼びに来てくれた。
藍と一緒について行くと個室に通された。
中には副ギルド長のフラビオさんと試験官のカーティスさんスザンナさんも一緒だった。初めて見る迫力ある50歳くらいの人もいる。
「私はこのギルドのギルド長をしているマクサモヴィチ=レオニードという。茗殿今回の件は誠に申し訳無かった。」
ソファに座ったらギルド長さんが自己紹介のあと謝罪と共に頭を下げてきた。後ろで立ってる他の3人も一緒だ。
「ぅえつ? 何ですか? 頭上げてください!謝られる事なんてないんですけどっ!!」
「いや!こちらの監督不行き届きで申し訳ない!!本来はジャイアントベアとかの魔物で試験するところ、召喚術者や周りの嫉妬などの不満から強い魔物を召喚してしまったようなんだ。急遽試験を取り止めようとしたんだが、直ぐに対応出来なかった。 …まぁ茗殿は初見にもかかわらず討伐してしまっているんだが、間違ったら大怪我をさせる所だった!本当に申し訳ない!!」
「「「申し訳ございませんでした!!!」」」
相変わらず頭を下げたままなので居心地が悪いんですけど……なんで嫉妬?何かしたっけ?
「あの…頭は上げてもらってもいいですか?凄くいたたまれないんですけど…」
そう言ったら渋々ギルド長がゆっくり体を起こし他の3人も普通になってくれた。
「それで…嫉妬とは?私ここのギルドに来るの初めてなんですけど?」
「実は…今回の荷物の依頼はドラグニアのギルドからで飛び級の昇格試験も受けさせてほしいって事だったんだ。それでそんな依頼はあまりないから受ける人物の詳細を聞いていたら、まだギルドに登録して1年足らずの若者で魔獣を従魔に従えて魔物の買取も多く高金額を稼いでるっていう噂が先に広まってしまい…偶然強い魔獣を従魔にしただけの新人に世の中の現実の厳しさを教える為にちょっと脅す。っという話がいつのまにか職員の中に出来上がってたらしく…私も先程聞かせて貰ったばかりなんだが…本当に申し訳ない!!今回の件に関わった者はランクを1つ下げたり減給など厳重に処罰する予定だ。」
「えっ、処罰とか止めてください!私別に気にしてませんから。」
「しかしそういう訳にも…」
「いくんです!確かにシビアな試験内容だとは思いましたが、初めての魔物を攻略できたんで寧ろこちらからお礼を言いたいです!ホント勉強になりました。あんな強い魔物を召喚できるなんて凄いです!」
「いやいやそんなそうは言っても…」
「処罰は絶対にやめて下さいね!!ランク下げとかもダメです!!」
両腕を大きく✖️にしながら訴える。 こんな事でランク下がるとか割に合わなすぎる‼︎ 減給は…どうなんだろう?
「茗殿が処罰を希望しなくとも、お咎めなしという訳にもこちらとしてもいかないのでせめて罰金だけでも執行させてもらう。」
「なにかでケジメをつけなければいけないのならギルド長さんに任せます。」
「…では任された。」
皆無言で空気が重たい…
『お前達、我は偶然従魔になったのではない…我が命を助けられたのもあるが、主人の強さを感じたから従魔になったのだ。竜帝様の愛し子であるのだから当然だがな。』
「なんと!竜帝様の愛し子ですか!納得の強さです!」
ん?なんの話だろう? って言うか藍って他の人とも念話出来たんだ。
「藍愛し子って何?トリスが何か言ってたの?」
『竜帝様の愛し子とはそのまま竜帝に愛されて加護を持っている者の事だ。』
「え?加護なんて貰ってるの?」
『茗ちょっと黙っているがいい…』
…はーい……なんか怒られた?
「藍殿は空を飛べるんですね?魔獣は皆飛べるんですか?」
『魔獣だからといって全てが飛べるわけではない…ある程度の強さと魔力が無いと無理だ。歳月も多少は関係する。我はこれでも900年は生きている。』
「えー!藍そんなに生きてるの?」
『茗大人しくしていてくれ…』
…はーい……呆れられた?
「ありがとうございます。魔獣を従魔にする者もいなかったわけでは無いんですが、情報が少ないので教えて頂き感謝致します。」
『我も全てを分かっている訳ではないので違う事もあるやもしれぬ。』
「話が逸れたが、今回の件はこれで終了だ。茗殿今日は遅くなってしまったのでギルドが宿をとらせてもらっているのでそちらで休んでくだされ。明日帰る前にギルドに寄ってもらってもいいか?」
「わかりました!お言葉に甘えさせてもらいますね」
また狐耳のお姉さんに宿を教えて貰ってギルドを後にした…
「なんか色々あって疲れたね。宿に着いたらご飯食べに行こうね!」




