第89話 宮殿の地下室にて
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───リューガ達が来る数時間前。
「あなた達は誰ですか?」
「ワッケラカエンです!」
「そうですか。こちらは、貴族の方々のみ入れる場所なので...貴族しか入れないのです」
「私は貴族じゃありませんよ」
ワッケラカエンは正直に述べる。
「そうですか...少しお待ちを」
”ギギギギギ”
すぐにガードマンの奥にあった扉が開く。ワッケラカエンとリカは中に入っていた。
***
「ここに...しますか...いや、向こうがいいかな?」
ワッケラカエンは巨大な宮殿の前で立ち止まる。
「はい!ここにしましょう!」
ワッケラカエンとリカは中に入る。そして、地下室に向かう。
「この部屋...ホコリっぽいですね...」
リカは地下室の小さな電球の明かりを付ける。
「そうですか?」
リカは床を触れる。すると、ホコリが手についた。
「ここ...やめておきます?」
リカがワッケラカエンに聞くも、ワッケラカエンはホコリなど気にせずに敷いてあったベッドの上に座った。
リカもワッケラカエンが座ったベッドの隣のベッドの上に座った。
「サルガタナス...」
ワッケラカエンが誰かの名前を呟く。
「今、妾の名前を呼んだか?」
「え...」
「いや、呼んでなどいない」
ワッケラカエンの前には一人の美女が立っていた。その美女は、黒いマントをつけている。そして、ムチムチとした太モモまである長く黒い靴下を履いている。そして、腰にはガーターベルトがついている。
それだけだ。身につけているものは、マント・靴下・ガーターベルトのみだ。ガーターベルトだけつけていて下着は何も着ていない。上も下も丸出しだ。ガーターベルトは靴下に繋がっている。タイツではない。靴下にだ。
「また、そんな破廉恥な格好をして...」
「嬉しいだろう?妾の毛、一つ生えていない性器を見られるのは!」
「嬉しくなどない...」
「ははっ!よく言う!どうせ、貴様の雑魚チンポじゃ妾など孕ますことはできぬだ!」
「それは種族が違うからだろ...犬と人間が交尾をして、子供が生まれるはずがない...」
「キメラだ!キメラがいる!だから、その説は否だ!」
「サルガタナス...そろそろ静かにしろ...」
「断る!貴様は何故妾を呼んだ!述べよ!いや、述べるな!妾が当てる!」
サルガタナスは、ワッケラカエンの幼なじみの魔神だ。マントで隠れていて見えなかったが、背中には4枚の蝶のような派手な羽がある。
「メモリーイートモスキートを...」
「おい!何故答える!」
「すまないな...」
「思ってるか?」
「あぁ...思ってる...思ってる...」
「妾と貴様が、再開するのは何十年ぶりだ?」
「70年...ほどか?」
「否!120年だ!貴様は数も数えられないのだな!」
「いいから、早くメモリーイートモスキートを...」
メモリーイートモスキート。世界中どこを探しても、数匹しか見つけることはできないであろう。何故なら、これはサルガタナスだけが産み出すことのできる虫だからだ。メモリーイートモスキートの名の通り、血を吸われると指定された特定の記憶を忘れてしまう。
例えば、サルガタナスがAから能力の記憶を奪えと、メモリーイートモスキートに命令した時、メモリーイートモスキートはAの血を吸った時、Aは能力のことを綺麗サッパリ忘れてしまう。そして、脳は忘れた”能力”の部分を、都合のいいように改変してしまう。
メモリーイートモスキートを漢字に変換すると、「記憶食虫」となる。
「なぁ、わかっているだろ?妾の持っている能力のせいで、妾がどれだけ辛い思いをしているのか!」
「わからんな...」
「んな、いけずな!妾の性処理の相手をしろと言っているのだ!感謝しろ!」
「はいはい。感謝してる...」
「してないな...で、何匹だ?必要なのは...」
「6だ...相手をするから、6回でいいか?」
「否!一匹4回で合計24回だ!」
ワッケラカエンは返事をしない。
「そうと決まれば、早速するぞ!妾の120年の欲求をここで解消する!」
サルガタナスは3つの能力を持っている。
その内の1つがサルガタナスが誰とも性行為ができない理由だ。
その能力は、『記憶消去』。
記憶消去・・・触れた相手の記憶を消すことができる。
体の一部が触れてしまうと記憶が全て無くなってしまう。体は、呼吸の仕方を忘れる。心臓は動き方を忘れる。細胞は元の形を忘れる。だから、サルガタナスが触れた生物は液体のようにドロドロになって死んでいくのだ。ワッケラカエンがサルガタナスに触れられる理由はワッケラカエンの能力にある。
サルガタナスの持つ能力は以下の3つだ。メモリーイートモスキートは『記憶消去』を派生して作り出している。
記憶消去・・・触れた相手の記憶を消すことができる。
メモリーイートモスキート・・・血を吸われると指定された特定の記憶を忘れる。サルガタナスが生み出せる。殺されると吸われた人に記憶が戻っていく。
透明化・・・自分を透明にすることが可能。
瞬間転移・・・世界の垣根を越えて移動することが可能。
リカはできるだけ、2人の行為を見ないようにしていた。だが、行為の音だけは聞こえてきてしまう。
リカの耳には、ベッドの軋む音と、サルガタナスの可愛い喘ぎ声が耳から離れなかった。
サルガタナス
身長は164cm。リカよりも少し小さい位。
スリーサイズは104,54,89です。
服装は、
裸マント+ガーターベルト+長い靴下
是非とも全身絵を書いて頂きたい。
魔神は、男女問わずみんな破廉恥な格好をしています。
服は弱いものが外的要因により危機から身を守るために着用する物なので、温度変化や、体の損傷(致命傷を除く)などでは死ぬことのないので、服を着ていません。
誰か、魔神の国に連れてって。甲子園みたいな感じで。




