表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/1070

第59話 パッション

 

「お待たせいたしました!これから第二準決勝第二予選が始まります!{パッション}vs{ユウヤチーム}です!彼らはどんな戦いを魅せてくれるのでしょうか!それでは、{パッション}の方々、入場ー!」

「「「ううううううううううううううううううううおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」」」

 デアルとドウプが登場する。

「こいつらは余裕だろう...予選はマグレで勝ったような奴らだからな...」

「そうですね!頑張りましょう!」

「あぁ...頼りにしてるぞ、ドウプ...」

「は、はい!」


「{パッション}は、デアルとドウプの男2人組です!2人は予選では、流水のような動きで相手の剣技を避けきりました!彼らはどんな戦いを魅せてくれるのでしょうか!それでは、{ユウヤチーム}、登場ー!」

「「「ううううううううううううううううううううおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」」


「うわぁ...{パッション}は強そうなんだよな...」

「リーダー...焦るな...作戦は伝えただろ?」

「あぁ...でも、本当なの?」

「リーダーが俺を信じたければ信じろ...」

「じゃあ、信じるぜ!カゲユキ!」

「あんがとな!リーダー!」

「当たり前だ!死なない程度に頑張れよ!」

「おうよ...」


「{ユウヤチーム}は、ユウヤ・トモキ・マユミ・カゲユキの男女4人組です!1試合目は各々の力で相手を倒していきました!今回の試合も期待されます!それでは...スタートォ!!」


「ユウヤチーム」の4人は一斉にドウプの方へ向かう。

「え...ちょ...全員ですかぁ?」

「ドウプ!一人は俺に任せろ!」

「お前の相手は後回しだ!盲目野郎!」

「なっ...何故!」


 デアルは盲目だった。だが、それを隠して生きていた。視覚がなくても勝てるのだ。戦えるのだ。なぜなら、ドウプが教えてくれるから。音で。気配で。形で。匂いで。


「ドウプ!負けるな!俺を相手する!」

「ノイズ!」

 ”ザーザー”


 マユミの魔法で、闘技場はノイズに包まれる。これで、聴覚も使えなくなった。

「なっ...なにも聞こえん!」

「デアル様!大丈夫ですか?デアル様!」

「怖い!怖い怖い怖い!」

 デアルはその場で適当に剣を振り回している。何もわからないのだ。視覚だけでなく、聴覚までもを失う怖さが溢れ出る。感覚を一つ失って平然を保つことは難しいのだ。常人には到底できることではない。


「ノイズが聞こえて恐れる位ならよぉ...」

 デアルは自分の剣を右耳に当て、切り裂いた。

「なっ...デアル様!」

「これでよし...」

「まずい!ノイズが聞かないわよ!」

「マユミ!焦る必要はない!もう手は打ってある!」

「え?」

「なっ...わからない!どこに何があるんだ!教えてくれ!ドウプ!ドウプ!」

 ドウプは口をパクパクと動かしている。ドウプの顎には刀が刺さっていた。ユウヤの刀だ。


「これで...よかったの?」

「あぁ...音を出させないようにな!」

「さて...後はデアルだけだな?」

「近づくな!どこに!どこにいるんだ!ドウプ!」

「こっちだよ(裏声)」

 トモキはふざけて、裏声でドウプの真似をしている。正直全然似ていなかった。

「おぉ!ドウプ!そこにいるのか!残った左耳でわかった!そこだ!そこにいるんだな!」

「えぇ...あれで信じるのかよ...」

「ドウプ!指示を!指示をくれ!どこに誰がいるのか教えてくれ!」

「上に剣を投げろ!それに刺され!さすれば勝てる!(裏声)」

「わ...わかった!やってみるぞ!」

 デアルは剣を投げる。そして、それに喉から刺さった。

「これで..勝て...る...の...か...」


 ”バタッ”


「勝者はぁぁぁ...{ユウヤチーム}だぁぁぁぁぁ!!!」

「「「ううううううううううううううううううううおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」」」


「やった...勝った...」

「あぁ...勝ったな!」

「俺のモノマネのお陰だな!」

「いや...全然似てなかったぞ?」

「え?似てなかった?」

「あぁ...すごい酷かった...なんで...騙されたんだろう...」

「わからん...でも、結果オーライだな!」

「あぁ!」


 ***


「うへぇ...{ユウヤチーム}...強すぎないか?」

「あぁ...すげぇ...強すぎるよ...」

「すごいですね!」

「あぁ...{パッション}は割と強いイメージだったのだが...」

「我もそう思っていた!だが.負けたのだな...」

 それぞれのコメントを言って、俺たちは自分の部屋へと戻る。今日の試合は終了だ。


 明日は決勝だ。頑張らなければ。


 ***


 試合が終わったと、デアルとドウプは死亡した。死因は失血死であった。


 ***


「あぁ...髪が...」

 フロンは自分の部屋で自分の髪を撫でている。


 ───「パッション」が仕込んだ腹痛を起こす薬が作用していることも知らずに。

準決勝勝者


2番 剣鬼と剣姫

8番 チーム一鶴

10番 金色のフロン

16番 ユウヤチーム



勝者チームは予想できるよね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ